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114/120

第114話:ルシュ、がんばる!!!!!!!!

 荒れ地の中にある小高い丘陵地帯、ツィエンの丘を前に私とチティルは佇む。


「さて、周囲には魔獣の姿はないね……

 いつ出てくるか分からないから、出来るだけ早くサキスの種を見つけたいね」


「うん」

 チティルの言葉に私は頷く。


 サキスの種は見つかるだろうか。

 サキスの種が採れるサキスの草については、マーテンの薬屋で絵を見せて貰って把握している。

 視界の中には所々に草木がある。その中にサキスの草があれば良いんだけど……。


「それじゃあ、手分けしよっか」

 チティルと私はそれぞれ別の草木を調べる事にした。


 ……


 丘を徐々に登りながら草木を調べていく。

 色んな形状の草花があるけど、サキスの種は見当たらない。

 私が何か所か目になる草木を調べ終えた時、チティルが傍に飛んできた。


「見つかった?」

 私はチティルに尋ねた。


「ううん、この様子だとルシュちゃんもまだみたいだね」


 チティルが答える。


「でもまだまだ探し始めたばかりだからこれか……」

 チティルがそこまで言いかけてから私の後ろを見る。

 直後、私も左後方からの気配に感づく。


 ガシガシといった音が聞こえる。

 何か大きな物が近づいてくる、それはかなりの速さで移動し、私達の前に現れた。


 その姿は、6本の大きな足で這いまわるように動く巨大な獣だった。


「ロドン……出会いたくないのが来ちゃったね……」

 チティルが呟く。


 ロドンと呼ばれた獣の顔には目がなく、大きな口だけが付いている。

 茶色い体毛に覆われていて、ラズボードよりも大きい。そしてその脚には甲殻のように節が付いていて、とても頑丈そうだ。

 目がないのに、こちらの気配を正確に捉えているようで、体全体をこちらに向けている。


「せいっ!」

 チティルが先制攻撃とばかりに風の刃を飛ばす。風切り音と共にロドンの頭に小さな跡を残す。

 出血はしていない。


「やっぱりアタシの魔法じゃ効果が薄い……レゾルかムーグが居てくれたら……」

 ロドンはチティルに注意が向いている。

 今にも動き出しそうなロドンに向けて私は身構える。


 チティルが羽ばたき、私から少し距離を取り浮かび上がる。

「ルシュちゃん、ロドンを倒すのはちょっと厳しいから、ここは逃げよ!アタシが引き付けるからそのうちに!」


 そう言い終わらない内にロドンが前足をチティルに振り下ろす。

 すんでの所でチティルがそれを回避する。


 チティルが引き付けてくれている間に逃げろという事だ。

 でも……チティルを置いていけない。それに、まだサキスの種を見つけていない。


「さあ、ルシュちゃん、早く!」

 ロドンがチティルに再び襲いかかる。


 私は駆け出した。


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