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115/120

第115話:ルシュ、がんばる!!!!!!!!!

「くっ!」


 ロドンの追撃をチティルは回避しようとする。私が駆けたのは後ろではなく、前。


「ルシュちゃん!?」


 チティルが叫ぶ。私はロドンとチティルの間に割って入る。

 薙ぎ払われるロドンの前脚を、私は両手で受け止めた。


 ロドンが驚いたように一瞬固まる。


「!」

 チティルも驚愕の表情を浮かべる。

 前脚を受け止めた状態で私とロドンは固まる。一瞬の膠着。


「やあ!」

 私は掴んだロドンの前脚を思いきり右に振る。


「ぐおぉぉぉぉ!」

 ロドンの身体が浮き上がり右に引っ張られる。


「え!?」

 チティルが驚きの声を上げる。私は両腕を振り上げる。

 その動きに合わせ、ロドンの巨体が上に浮かび上がる。

 振り上げた両腕を、私はそのまま振り下ろした。


 ロドンの身体が思いきり地面に叩きつけられ、大きな音と地響きが起こった。


「うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!??」

 チティルの叫び声がツィエンの丘に響いた。


 ***


「いやぁー……凄いね……」

 チティルが私の傍に寄ってきた。


「確かにガワンの時もやるなあとは思ったけど、

 ここまでルシュちゃんが強いなんてね……うん、凄いよ!」


 パタパタと翼を振って驚きを表現するチティル。


「えへへ……」

 チティルの言葉でつい嬉しくなってくる。


 ロドンは私が地面に叩き付けた後、私が追撃を入れるよりも早く前脚を引っ込め、

 フラフラしながらもものすごい勢いで逃げていった。

 既にその姿は見えなくなっていた。


「ふぅ……」


 少し疲れたので、その場に座り込む。


 不意に目の前に何かが落ちている事に気付く。


「これ……」

 私の言葉にチティルが反応して、私と同じ方向を見る。


「ロドンの爪と脚の殻かな……?あの勢いで叩き付けられたから取れたのかも。

 高く売れると思うから、持って帰ろう!」


「うん」


 少し大きいけど、持って帰る事は特に問題なさそうなので、

 ロドンの爪と殻を拾おうとした時、その奥に見覚えのある植物が目に入る。


「あれ、これ……」


 ギザギザに尖った青緑色の葉と茶色い茎、葉の根元には白く先端がやや尖った丸い実が付いている。


 チティルも私の見つけた植物を見つめる。


「これ、サキスの草だよ!ほら、お店で見せて貰った実と同じ形!」

 チティルの言葉が徐々に染み渡るように、感情がこみあげてくる。


「やったぁ……!」

 朝から走り回って、何軒も断られて、荒れ地を越えて、ここまで来た。

 全部、これのためだった。


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