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113/120

第113話:ルシュ、がんばる!!!!!!!

 荒れ地に踏み込む。


 周囲の風景は大きく変わり、草木が極端に少なくなり、大小様々な石や岩が視界に入る。

 私は歩き、上空をチティルが警戒するようにして歩みを進める。次第に視界の向こうに小高い丘が見えてくるようになった。


「あれが、ツィエンの丘……」

 ここまで来た。後は種を見つけるだけだ。


 それから程なくして、上空のチティルが私に向かって呼びかける。


「ルシュちゃん、魔獣が3匹、来るよ!」

 私は手ごろな石を拾い上げる。

 家を飛び出した時、武器を持っていなかったので手ぶらだったから、緊急的な措置になる。


 直後、私達の前に3匹の魔獣が姿を現した。

 チティルが私の傍に降りてくる。正面に並んだその魔獣の姿は緑色のガワだった。


「ガワ……だよね?」

 私の知っているガワはもっと黒い。微妙に体型も違う気がする。


「うん、ガワだけど、この辺りに居る亜種だね。ガワンって呼ばれてる。普通のガワよりジャンプが得意だから注意してね」

 ガワ亜種、もといガワンは私達を取り囲み唸っている。


「来るよっ!」

 チティルが合図する。

 ガワンが一斉に飛び掛かってきた。二匹は私に、一匹はチティルを狙っている。


 私は飛び掛かってきたうちの一匹、右側に居るガワンに持っていた石を投げつける。そして素早く後ろに跳んだ。石はガワンの腹部に直撃し、ガワンは石と一緒に後方に吹き飛ぶ。そして左側から飛び掛かっていたガワンの攻撃は空を切る。


 私はチティルにチラッと視線を向ける。

 チティルは飛び掛かってきたガワンの攻撃をひらりと華麗に回避していた。


「せいやっ!」


 チティルが羽ばたくと風の刃がガワンを切り裂いた。


 残るガワンは一体。私は前方に踏み込む。

 私への攻撃を外し、体勢を崩していたガワンの反応が遅れる。


「やあっ!」

 私はガワンを思いきり上方に蹴り上げる。


「ガアアァ!」


 ガワンが悲鳴を上げ、上空に吹き飛んだ。

 吹き飛んだガワンが地面に落ちるのを見届ける。


「ふぅ……」

 動き出すガワンはもう居なくなった。手ぶらでも、やれた。


「やるね、ルシュちゃん」

 チティルが傍に飛んできて話しかけてくる。


「うん、チティルも凄い」

 私の言葉にチティルは微笑む。


「ふふ、ありがと。さあ、丘はすぐそこだよ、サキスの種探そっか」


「うん」

 私とチティルは丘に向かった。もうすぐだ。


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