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無敵のフルフェイス  作者: みけな
第二章 無敵のコンビ〜始動編〜
95/150

95話 目の前に居る人は?

朝が少し早くて眠いこの頃。

いつもより電車が混むなぁ(*´-`)座れない。


ブックマーク、感想、評価、誤字報告、読んでくれた皆様!

いつもありがとうございます(*'ω'*)


 逃亡を諦めた魔族のエルビは、倒れた椅子に再び深く腰掛ける。


「レブルもエストも剣は下げていいよ。」

「ええ。」

「でも大丈夫かしら?剣を下げたら逃げたりしない?」

「追撃可能な位置にいれば問題ないでしょう。」

「安心しろ。この状況で逃げは愚策だ。死期をただ早めるだけだ。」


 僕らの行動に逃げる意思はないと再度言葉にするエルビ。そんな中1人の人間が歩きテーブルに着く。


「キャリパー!?逃げないとは言っても危ない。相手は魔族なんだから。」

「問題ないとシノブ様も言っていますし。」

「そこまで信頼されても困るけど。」

「それにこの距離であれば、シノブ様なら対応可能でしょう?」

「まぁこのテーブル大きいしね。」


 キャリパーさんが座っているのは、よく貴族が晩餐とかするにある長い机のエルビと1番離れている所。


「くく。改めて思うが、肝の座ったものだ。」

「あの人の娘だから。早速だけどいくつか聞きたい事があるわ。」

「何でも答えよう。その分我も長く生を楽しめる。」

「生を?もしかして殺されるとか思っているの?」

「違うのか?我は魔族であるぞ?」

「…………。」


 沈黙が部屋を包み込み、何とも言えない緊張感がある。


「ハーネス。」

「はい。なんでしょうか?」

「目の前に居るのは()()()()()

「キャリパーの父君で国王様です。」

「んあ!ハーネ……」


 勇者の口を塞ぐハーネス。


「シノブ様は誰だと思いますか?」

「エストのお父さんなんでしょう?ねぇエスト?」

「そうね。」

「ふはは。そうだよな。確かに俺の親父で国王だわ。」


 モゴモゴ言う勇者を尻目に、全員が口を揃える。


「そう言う事で、この話はおしまい!」

「じゃ、帰ろうか。」

「そうね。このままここに居てもしょうがないし。」

「じゃ、私も……」

「エストレアは少しくらいここでゆっくりして行きなさい。私もしばらくは王都に居るんだから。」

「いや、でも……部屋もないし。」


 そろりそろりと出口にすり寄るエスト。


「ここを何処だと思っているの?部屋はあるわよね()()()?」

「あ、あぁ。部屋はそのままにして、掃除も済ましてある。」

「じゃ、それで。シノブ様達も……」

「いえ!結構です。僕とレブルは行かなきゃいけないところがあるので。」

「そうね。そろそろ行かないと大変な事になるしね。」

「そういう訳だから。アイさん繋いでくれる?」

『畏まりました…………セローとハイヤーに繋げてあります。』


 ん、相変わらずの優秀な人だ。さてと、少し時間あったしもしかしたら終わっているかもしれないけど……


 ♦︎


 ふむ。備あればとは思っていましたが、予想していたものと違いましたね。


『あーあー。ハイヤー聞こえる?』

「どうかしましたかシノブさん?」

『魔族の件なんだけど。』

「セローさんのおかげで、王都に近づく前に大体の魔族は……」

「師匠の声がする〜」

『あ〜もう今更だけど攻撃中止できる?』


 ―バシャァ!


 空から降って来ていた水の塊が、空中で突然弾けた。


「師匠止めたよ〜」

「……今ので大半の魔族が吹き飛びました。」

『……。』


 シノブさんが無言です。何か不味かったでしょうか?


『過ぎた事はしょうがない!僕とレブルはもうすぐで帰るから。2人もラストラの家に帰ってて。』

「分かった〜師匠早く帰って来てね。」

『それじゃ。そう言う訳でよろしく……』


 シノブさんの気配がなくなりました。


「そう言う訳で。皆様、解散です。」

「いやいや、どう言う訳だよ!」

「シノブさんから撤退命指示です。なので解散です。」

「そんな事すれば王都に魔族が来ちまうだろう!?」

「理由は……そう言えば聞いてませんね。」

「頼むぜハイヤーさん。」


 声的に切羽詰まったり、焦った声ではなかったので。どうにかしてくれたんだと思います。まぁ恐らくですが。


「師匠が帰っていいよって言ってるんだし。行こうよハイヤー。」

「もう少しだけ待って下さいセローさん。こちらから攻撃はせず、少しだけ様子を見て見ましょう。それでいいでしょうか?ヴァイツァーさん。」

「面倒をかけてすまない。では……城壁前にて整列!」


 ヴァイツァーさんが兵士をまとめて前線から下がり始める。


「私達も下がるとしますか。」

「は〜い。」


 くるっと回れ右をして、王都へトコトコ歩くセローさん。こんな可愛らしい人が、この状況を……

 改めて戦場を振り返る。平面だった地面に小さな隕石がたくさん落ちたような跡。末恐ろしい子ですね。


 ♦︎


 連絡したタイミングが良過ぎたな。さてと後は一応話しておくか。


「国王様。仲間の攻撃は中止させました。」

「!?そうか…………あぁ、追って連絡する。」

「何か問題でも?」

「いや。特に問題はない。感謝する。」

「仲間のお父さんですし。」

「お父さんか……」


 目を瞑り上を向きその後大きな息を吐く。


「色々と大丈夫かしら?さっきの話の続きなんですけど。」

「あぁ。すまないな、続けてくれ。」

「結論から言うわ。このまま国王の代理やらない?」

「それで良いのか?本当の……」

「っし。これ以上はここで話すのはやめましょう。せっかくのお茶の時間ですし。」


 主導権は完全にキャリパーさんに言っている。一緒にいたはずのお兄さんはすでに空気である。


「そろそろ僕とレブルは帰りますね。」

「私もコイツ連れて下がりますね。」

「待てハーネス!このままキャリパーを置いてはいけん!」

「丸腰の貴方より、エストレアさんがいる方が安全だわ。」

「がふっ!?」


 地味にダメージを負う勇者。どんまい!


「後は家族の話よ。何かあれば呼ばれるから。」

「剣を持って扉の前にいる。何かあれば呼んでくれキャリパー。」

「ありがとうココロ。」

「あぁでは……ん?今、名前で?」

「はい、行くわよ〜」


 この流れに乗って、僕とレブルは後を着いて行く。悲しそうな目をしてエストが見て来る。自分の家なのに何がそんな悲しい目をするのか。


 ―バタン。


「んー少しピリッとしたわね。私は疲れたから先に帰っているわね。」

「俺は武器を持ってくる!」


 勇者はそう言うと、一目散に走り去っていった。


「あの子は挨拶も出来ないのかしら?」

「はは。別に構いませんよ。早く剣を手にして、ここを守りたいって伝わって来ましたし。」

「貴方は本当に出来た人よね。」

「そんな事はないですよ。仲間が、支えてくれる人がいるからです。」

「はぁ〜羨ましい。それじゃ私は2人の邪魔をしないように帰りますね。」


 レブルに手を振り歩き去るハーネス。2人ってキャリパーさんと勇者か?でも中にはエストとお兄さんと国王も居るはずだけど。


「どうかした?」

「な、何でもないわ。」


 心なしか顔が少し赤い?テラスを出た所も日は当たるし暑いかな?それなら早く行こうかな。

 ここは確か魔法制限ないけど、突然いなくなってもあれだし、ちゃんと門から出るか。


「僕達も行こうか。」

「ええ。」


 何かを忘れている気がするけど……すぐに出てこないし、まぁいいか。


忍「少し王都を歩いて帰る?」

レブル「え?」

忍「暑いのかなって。時間はあるしどこかでお茶とか飲んで帰ろうかと。別にこのままお城を出た後に転移で帰っても……」

レブル「街に行きましょう!」

忍「あ、うん。」


レブル「忍さん早く行きましょう。」

忍「ここはお城だから走っちゃいけないよ。」

レブル「そ、そうでした。」

忍「なんか学校の廊下みたいだ。」

レブル「ん?」

忍「いや、なんでもないよ。行こうか。」

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