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無敵のフルフェイス  作者: みけな
第二章 無敵のコンビ〜始動編〜
94/150

94話 落ち着く人を見ると慌てるやつ。

年末年始はあっという間だった。もっと寝ていたかった。

さて、これからは予定通り3日に一回。時間は12時で上げます(*'ω'*)


ブックマーク、感想、評価、誤字報告、読んでくれた皆様!

いつもありがとうございます(*'ω'*)

 突然笑い出す国王。正体がバレて笑い出すって言うのは、定番でやらなければいけないのだろうか?


「国王……いや、お前は誰だ?」

「ふっふっふ。見ているのであろう?名はそこに書いてあるだろう。」


 あ、そうか。そこを見ればいいのか。どれどれ……エルビって言うのか、ステータスやスキルは戦闘向きじゃないな。


「エルビ……っくそ。それ以外は見ることが出来ん。」

「当たり前であろう。この部屋は極力魔力が使えぬ様制限をしてある。能力まで見せる権限を与える訳がなかろう。」

「そんな……」


 ん?見えないの?見えている僕はどうなんだ?


『確かにこの部屋に魔力を制限する結界はございますが、この程度では忍様を制御する事は出来ませんよ。』

「そうなんだ。」

「どうしたのかな黒の勇者君?」

「あ、何でもないよ。そのまま話を進めてくれていいよ。」

「あ、ああ。」


 国王だった魔族が僕を見てニヤリと笑ってくる。僕にステータス見られていないと思っているのか、もしくは見られた上で僕に笑いかけているのか?ここは少し様子をみよう。


「(アイさん。2人とアマン達にも声は届けられる?)」

『レブルとエストに声を届ける事は可能です……声が聞こえたら忍様に2度触れて下さい。』


 ―トントン。

 ―ツンツン。


 2人から反応が返ってくる。


「(頭で考えた言葉は通じるけど。相手に気がつかれないように。アイさん、もう一つの方はどう?)」

『アマン達には結界を無視して伝える事は出来ますが、相手に気づかれない様には厳しいかと。』

「(今は無理をしないでおこう。様子見でいくから、2人も僕が動くまでそのままでお願い。)」


 ―トン。

 ―ツン。


「貴様の狙いは何だと言うのだ。」

「……。」


 お兄さんが全員を代表して聞き出してくれる……ハーネスの背中から。


「カッコいいこと言うなら、私に隠れてないで堂々として欲しいわね。」

「そうは言ってもだよハーネス。僕は弱いぞ?」

「知ってます。」

「……だからだね。君の後ろを借りているんだよ。」


 勇者はキャリパーさんを背中に庇っていて、僕はレブルとエストを庇っている。


「我が息子ながら、情けない光景だな。勇者2人を見習え。」

「僕は親父みたいに戦えんし、何より勇者と比べられたら大抵の者が下であろう……って俺はお前の子供じゃない。」

「そう言うな1年の付き合いじゃないか。くっくっく。」

「1年も!?」


 人を見る能力があって気づかれないもんなんだね。


「(エストは変わってたの知ってた?)」

「……。」


 ―トントン。


 知らなかったのか。


「(あー……これ聞こえているのかしら?)」

「(うん。聞こえているよ。)」

「(私はあまりお父様と話す事は無かったから。でもお兄様とお姉様が気がつかないって、よほど上手く立ち回っていたのね。)」


 キャリパーさんを見るとあまり驚いた様子は無いけど。何を考えているんだろう。


「さてと、バレてしまったのでは私は去らねばなりませんね。」

「このまま逃げられると思っているのか!」

「問題はない。その為にこの部屋では魔法を禁じ、我に有利な状況を作っているんだからな。勇者も魔法が使えない上に武器もないだろう?」

「っく……。」

「武器を持った者が目の前に居るのをお忘れですか?」

「そうだったな。しかし黒の勇者は剣も抜いていない事から、戦う意思はないように見えるが?」


 周りの人間が僕達に視線を集める。


「シノブ様。なぜ剣を抜かないのですか?」

「ん?戦うなら剣を出すけど。今はお互いに話していて戦う様子はなかったから。」

「出すって。その背中にある物は剣でしょう?」

「あー僕のは魔法剣だから。戦う時以外はしまったままだよ。」

「はーっはっは。君が魔法剣を使うのは知っているぞ。だから何もしないのもな。」


 椅子から立ち上がり、ゆっくりと窓の外に向かう魔族のエルビ。その背中から黒い羽が現れる。


「我も無用な戦いは避けたいのだよ。魔法が使えないのであれば、無理せず見ている事だ。」

「魔法が使えないのはあなたも一緒でしょう?」

「そう見えるかな?」


 ―ボォ!


 そう言うと手に火を出すエルビ。


「自分に有利な状況とはこう言う事だよ。」

「このまま見ている事しか出来ないの……」

「キャリパーさん。止めたいなら止めるけど?」

「しかしシノブ様も魔法が……」

「相手が火を出すなら、僕は水でいいかな。」


 ―ブクッ。


「な!?なぜ魔法が使える!」

「結界はあるみたいだけど、干渉して相殺できるみたい。」

「忍さん。私も戦うわよ。」


 ―ボォウ!


 レブルも剣を抜き、炎の魔法剣に翼を出す。


「何だと!?赤い娘も魔法が!」

「別に使えないとは言ってないわよ。そもそも剣を出している所を見ているでしょう?」

「え?これ使えるの?」


 ―チャキ。


 エストも剣を抜く。


「特に変わった様子は……」

「エストのは魔法剣じゃないし。」

「……そうだったわね。」

「な、な!?どうなっている!その剣……クリーブランの黒鳥の剣?」

「そうね。確か名前は、烏と言っていたわね。」


 エストの剣を見て慌てるエルビ。そう言えばエストのは元々魔族が使っているやつだっけ。


「お前ら一体なんだと言うのだ!まさか……」

「クリーブランって魔族なら生きてるよ。どこかの牢にいるはずだけど。」

「んな!?アイツが捕まったと言うのか!」

「まぁ倒したね。」

「まさかとは思うが【メロデ・マウント】で魔族を倒したと言う噂は……」


 その街で魔族を倒した……あれかな?


「斧使ってたアイツかな?」

「まさかただの噂と思っていたが、ヴィクトリカまでも。」

「そんな名前だっけ?」

「シノブさん。確かそんな名前だったわよ。」

「そうか。名前なんてどうでもいいけど。」

「…………。」


 こう話している間にもエルビの顔から焦りの色が見える。そろっと窓に移動をしているのも。


 ―ヒュン。


「窓から逃げるつもりかな?それなら僕を倒して進むしかないけど?」

「いつの間に!?」

「レブルとエストはみんなを護って。ステータス的には戦闘が得意ではないけど魔族だし。罠が他にもあるかも知れないから、油断はしないようにね。」

「「分かったわ。」」

「なな……我の能力を見たのか?」

「普通に見れたけど?」

「……。」


 あー考えている。目をキョロキョロして必死に考えているよ。


「くそ。こうなれば王都に魔族を……」

『忍様。相手が外の魔族にコンタクトをしています。妨害しますか?』

「外と連絡してる?」


 ―ガタッ!


 僕の言葉に体を強張らせ、座っていた椅子を倒す。


「何故……気づいた?」

「何故って教えてくれたから。」

「ふ、ふん!バレたところでやる事は変わらん!『全軍!王都へ侵攻せよ!』これで貴様らは王都へ行かねばなるまい……」

「シノブ様!」

「まぁ慌てないで…………うん、そう言う訳だから。少しの間だけ頼んだよ。」

「「「???」」」

「あ、声出てた?今仲間に頼んだから、外はこれで問題ないかな。」

「どう言う……どうした…………青い髪の女が?雨がどうした!?おい!」


 青い髪のってセローかな?今言って早速動いたのか。準備してたにしては早過ぎるけど。


「……。」

「よく分からないけど。外はなんとかなっているのかしら?」

「青い髪のって言うのは弟子のセローですね。前もって準備して貰っていたけど、少し行動が早いね。おそらくだけど、ハイヤーが予め準備してくれていたのかな。」


 こうなるって思わなかったけど、準備をしておいて結果は良かったって事かな。


「さぁ……まだまだ聞きたい事はあるわ。ゆっくりお話をしましょうか?」

「ははは……お茶は貰えるのかな?」


 羽をしまい、倒れた椅子を直すエルビ。そして睨むキャリパーさん。戦闘は避けられたのかな?とりあえずは、このまま様子見だな。

忍「急に大人しくなったね。」

レブル「この状況で暴れ出すとか、勇者でもしないと思うわ。」

忍「そう?魔法が使えるんだし、やり方はいくらでもあると思うよ?」

エストレア「そう言えば罠がってシノブさん言っていたわね……。」


アイさん『魔法制限以外の罠は解除してあります。』

忍「さすがアイさん。」

エストレア「いつの間にそんな事を?」

忍「能力見た時から、罠があるって知ってたからね。こっそりアイさんに解除できるかお願いしてたんだ。」


エルビ「それで罠が一つも発動しないのか……君がここにいた時点で我は負けていたんだな。人族を少し侮っていたようだ。」

エストレア「そこは人族で括らないで。あくまでもシノブさんだから。」

エルビ「とは言え君も人族なのだろう?」

忍「ええ。人以外に何に見えるのですか?」


全員「「「…………。」」」

忍「なんでみんな黙るかな?」

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