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転生したら太子だったんだが、なぜか後宮が私と息子の禁忌の恋に沸き立っている  作者: zhaozhao


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第42話 福海は誰に会っていたのか

東宮へ戻る道すがら――


俺の頭の中は、ずっと福海の後ろ姿でいっぱいだった。


あの老宦官は、この三か月ずっと皇帝の側に仕えてきた。


どこへ行くにも付き従い、身の回りを完璧に整え、忠誠心の塊のような男だった。


皇帝が親征する以上、本来なら御前総管である彼も軍に同行するはずだ。


それなのに。


彼は出征に付き従わなかった。


それどころか、わざわざ後宮へ向かっていた。


……後宮に、命を懸けてまで戻る理由があるというのか。


「ママ、お腹すいた。」


小満が袖を引っ張った。


「もう少し我慢。」


「無理ぃ。朝は桂花糕を三つしか食べてないもん。」


俺は思わず彼女を見下ろす。


蘇貴妃の美しい顔がぷくっと膨れ、目元までうるんでいる。


知らない人が見れば、可憐な美女が拗ねているようにしか見えない。


でも中身は、五歳の息子だ。


「帰ったら厨房に頼んで紅焼肉を作ってもらおう。」


「甘いやつ!」


「ちゃんと甘めにしてもらう。」


「やったー!」


小満は一瞬で機嫌を直し、


橘猫を抱えたまま、ぴょんぴょん跳ねるように歩いていった。


東宮へ戻ると、


俺は小満を侍女へ預けた。


「貴妃娘娘を食事へお連れしろ。」


「食べ終わったら、そのまま休ませる。」


「誰が訪ねて来ても、『皇太子殿下はご不在』と伝えろ。」


「かしこまりました。」


侍女が頭を下げる。


俺はそのまま書斎へ向かった。


この三か月で、


俺は政治より先に、自分の手札を把握した。


皇太子直属の隠密。


その長は影七。


口のきけない男だが、皇帝が俺のために残してくれた、最も信頼できる人間だった。


俺は書案を指先で三度叩く。


コン、コン、コン。


次の瞬間、


屏風の向こうから黒い影が音もなく現れた。


「福海を調べろ。」


「二刻以内に、ここ七日間で誰と会い、どこへ行き、何を受け取ったのか――全部知りたい。」


影七は無言で頷き、


来た時と同じように、影へ溶けるように姿を消した。


俺は椅子へ腰を下ろし、


壁に掛けられた地図を見つめる。


北疆までは八百里。


早馬でも二日はかかる。


皇帝が都を発って、まだ半日。


もし都で何かが起きるなら――


一番早いのは、今夜だ。


システムが告げた


「高難度イベント警告」


あれは、決して脅しなんかじゃない。


二刻後。


影七が戻ってきた。


俺の前へ一枚の紙を差し出す。


細かな文字で、調査結果がびっしりと書き込まれていた。


読み進めるにつれ、


胸の奥が少しずつ冷えていく。


福海は、この七日間――


毎晩深夜に寿康宮へ通っていた。


だが会っていた相手は太后ではない。


太后付きの老女官。


……あの日、寿康宮の門前で俺を呼び止めた、あの老女官だった。


しかし。


昨日だけは違っていた。


報告書には、もう一人の名前が記されている。


賢妃。


俺の指先が、その二文字の上で止まる。


……賢妃。


なぜ彼女が、


福海と密会していたんだ?

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