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転生したら太子だったんだが、なぜか後宮が私と息子の禁忌の恋に沸き立っている  作者: zhaozhao


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第3話 後宮は腐女子の楽園、そして皇帝陛下の誤解は斜め上へ

もしかすると。


後宮の女たちは、あまりにも暇だったのかもしれない。


なぜなら――

俺と蘇貴妃の「禁断の恋」を、全力で応援し始めたからだ。


息子が東宮に泊まる。

それだけのことなのに。


彼女たちの目には――

「愛に身を焦がす貴妃の一途な恋」

に見えるらしい。


俺が息子にお菓子を食べさせる。

すると。

周囲の妃嬪たちは手を握りしめ、頬を赤らめる。


「尊い……」

「甘すぎます……」


などと、勝手に盛り上がっている。


息子が東宮で騒ぐ。

ただそれだけのことなのに。


彼女たちは勝手に脳内で物語を作り上げ、顔を真っ赤にしていた。


中には。

こっそり恋愛小説を書き始める宮女まで現れた。


タイトルは――


『東宮の禁じられた恋』

『深宮に囚われた愛』

『毎夜、東宮へ通う貴妃』


そして。

なぜか、それらの作品は異常なほど売れた。


挙げ句の果てには。

太后様まで三冊も所蔵しているらしい。


ある日。

俺が太后への挨拶に向かった時のこと。


部屋に入った瞬間。

見てはいけないものを見てしまった。


太后様が――

こっそり恋愛小説を読んでいた。


しかもタイトルは。

『貴妃、身重の身で愛する人のもとから逃走する』

だった。

「…………」


いや。

待ってほしい。

どこから突っ込めばいい?


さらに。

妃嬪たちはついに、自分たちで組織まで作り始めた。


その名も――

「皇太子&蘇貴妃CP応援会」


目的はただ一つ。

俺たちの恋を全力でサポートすること。


彼女たちは毎日のように会議を開いている。


議題は。

後宮の権力争いでもなければ。

派閥争いでもない。


話している内容は――


「今日、太子殿下は貴妃様をご覧になった?」

「蘇貴妃様はこっそり太子殿下を訪ねた?」

「皇帝陛下は異変に気づいていない?」


そして。

もっとも恐ろしいことに。

彼女たちは本当に「物語を進めよう」としていた。


例えば昨日。

俺が御花園で休んでいると。

淑妃が偶然を装って通りかかった。


そして。

「まあ、大変」

と言いながら。


なぜか蘇貴妃の外套を俺の肩にかけ。

そのまま何事もなかったかのように去っていった。


また今日。

賢妃が一箱の菓子を届けてきた。


そして、わざわざこう言った。

「これは蘇貴妃様が心を込めて作られたものです」


嫌な予感しかしない。


箱を開ける。

すると――

中には小さな文字で一言。


『太子哥哥、早く帰ってきてね』


と書かれていた。

「…………」


だが。

本当に恐ろしいのは、彼女たちではなかった。


一番警戒すべき相手は――

皇帝だった。


最近。

父上の態度が変わった。


以前の彼は。

高い場所から俺を見下ろし、

「未来の皇帝として相応しいか」

確認するような視線を向けるだけだった。


だが。

最近は違う。


俺を見る時間が明らかに長くなった。


そして――

何も言わない。

静かすぎる。


まるで。

何かを観察しているようだった。


例えば今日の朝議。

兵部が北疆の軍事情勢を報告した後。


父上はいつものように判断を下す……はずだった。


しかし。

突然。

全く関係のないことを聞いた。


「太子は昨日、何をしていた?」


朝廷中が静まり返った。

俺も一瞬、言葉を失った。


慌てて立ち上がる。

「……水利に関する資料を整理しておりました」


皇帝は頷いた。

「そうか」


それだけだった。


だが。

その視線は、いつまでも俺から離れなかった。


背筋が冷たくなるほどに。


朝議が終わった後。

父上は初めて俺を一人だけ残した。


「太子、残れ」


心臓が跳ねた。

来た。

ついに来た。


御書房の中は静まり返っていた。


皇帝は奏折を読み続ける。

俺はその場に立ったまま、動くこともできない。


空気が。

張り詰めた弦のようだった。


長い沈黙の後。

突然。

父上が口を開いた。


「最近、宮中が……随分と賑やかだな」


俺の心臓が大きく跳ねた。

まさか。

気づいたのか?

蘇貴妃とのことを……?


俺はすぐに跪いた。


「父皇。息子に罪がございます」


皇帝は少し間を置いて。

顔を上げた。


「お前に、何の罪がある?」


「…………」


いや。

違うだろ。

今の流れは絶対に何か知っている人の言い方だっただろ。


皇帝は朱筆を置いた。

そして。

ゆっくりと立ち上がる。


一歩。

また一歩。

俺の方へ近づいてくる。


遅い。

だが。

妙な圧迫感があった。


そして。

俺の前で足を止めると。

突然。

手を伸ばした。


そして。

俺の衣の襟元を整えた。


動きはとても優しい。

むしろ。

少し近すぎるほどだった。


「太子」

「最近、忙しいのか?」


俺の体が固まった。

顔を上げることができない。


「父として、少し気になっただけだ」

皇帝の声は低く、静かだった。

「……疲れているように見える」


俺の頭の中で警報が鳴り響く。


違う。

これは心配じゃない。

これは――

探りを入れている。

絶対にそうだ。


「息子は問題ございません」

「お気遣いいただき、ありがとうございます」


俺はすぐに頭を下げた。


すると。

皇帝は小さく笑った。


「そうか」

「ならば、よい」


そして。

何事もなかったかのように。

父上は机へ戻り、再び奏折を読み始めた。


まるで。

先ほどの出来事など。

最初から存在しなかったかのように。


俺だけが。

背中に冷たい汗を感じていた。


(父上……)

(本当に、何も知らないんだよな?)

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