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転生したら太子だったんだが、なぜか後宮が私と息子の禁忌の恋に沸き立っている  作者: zhaozhao


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第23話 君が近づかないなら、俺から近づくしかない

「……来い。」


彼はもう一度そう言った。


声は平坦で、そこにどんな感情が込められているのか、まるで読み取れない。


私はゆっくりと床に手をつき、身体を起こした。


長い間跪いていたせいで、膝は痺れている。


立ち上がった瞬間、身体がわずかによろめいた。


その瞬間。


彼の指先がわずかに動いた。


まるで反射的に私を支えようとしたように。


けれど。


彼はその手を、途中で止めた。


殿の入口では、福海が跪いたまま頭を床につけている。


身動き一つしない。


他の宮人たちも全員、深く頭を下げていた。


東宮全体が、息を潜めたように静まり返っている。


しばらくして。


皇帝はようやく口を開いた。


その声は再び、帝王としての冷たさを帯びていた。


そこには一切、私情など感じられない。


「今夜のことを、誰か一人でも外に漏らしてみろ。」


その後の言葉は続かなかった。


けれど。


殿内にいる全員が理解していた。


――ただでは済まさない、と。


宮人たちは一斉に額を床につける。


「奴才たち、決して口外いたしません。」


皇帝は淡々と視線を上げた。


「下がれ。」


その一言で。


全員がまるで命拾いしたかのように立ち上がった。


深く頭を下げながら、足音すら立てないように急いで殿外へ退出していく。


礼をする声すら、誰も出さなかった。


あっという間に。


広い東宮の大殿には、私たち三人だけが残った。


扉が静かに閉じる。


外の視線も、耳も、すべて遮断された。


三ヶ月もの間、張り詰めていた糸が。


この瞬間、完全に切れた。


私は彼を見つめる。


喉は乾ききっていて、声を出すのも苦しい。


しばらくして、ようやく言葉を絞り出した。


「……いつから、いたの?」


彼は小満を抱いたまま。


空いた片手で、そっと私の手首の外側に触れた。


その動きはとても優しかった。


まるで。


私が傷ついていないか、確かめるように。


「お前たちが思っているより、ずっと前から。」


「あなた……」


声が震える。


「いつ……私だって気づいたの?」


「初めて会った時。」


「……」


目の前が真っ暗になった。


「なんで……もっと早く言わなかったの?」


皇帝は少し黙った。


そして、軽く咳払いをする。


「最初はただの疑いだった。」


「その後、確信した。」


「それから……」


彼は少しだけ視線を逸らした。


「お前が毎日、俺を探している姿を見るのが面白かった。」


「臣下たちを片っ端から探っている姿も面白かった。」


「朝廷の半分を混乱させている姿は……もっと面白かった。」


私の拳が震える。


完全に怒りが込み上げてきた。


「つまり……」


私は歯を食いしばる。


「ずっと私が必死にもがいているところを、見物していたってこと?」


皇帝は正直に頷いた。


「うん。」


そして。


平然と言った。


「ついでに、恋愛もしていた。」


「誰と?」


「お前と。」


彼はあまりにも当然のように答える。


「前世では何年も夫婦だったのに、ちゃんとお前を追いかけたことがなかったから。」


私はその場で言葉を失った。


悔しい。


けれど。


一番腹立たしいのは――


彼の言っていることが、妙に正しいことだった。


前世の私たちは、お見合いで出会った。


三ヶ月付き合って。


結婚して。


子どもを産んで。


そのまま人生を、決められた手順のように進んできた。


確かに。


ちゃんと恋愛らしい恋愛をしたことはなかった。


なのに。


この男は。


皇帝になった今になって。


まるで足りなかった恋愛の過程を、最初からやり直そうとしている。


小満は皇帝の腕の中で眠そうに目を擦った。


そして、小さな声で呟く。


「爸爸……ひどいよ。」


「僕とママがずっと怖がってたのに……」


皇帝は低く返事をした。


「……うん。」


そして。


あっさり認める。


「俺が悪かった。」


「でも……」


彼は私を見る。


その瞳は、いつになく真剣だった。


「賭けられなかった。」


「もう一度、お前たちを失うなんて。」


胸が、強く締めつけられた。


私はふと思い出す。


朝廷で次々と通した、あり得ないほど大胆な新制度。


私が何気なく口にした現代の考え。


彼はそのすべてを認め。


全力で推し進めた。


以前の私は思っていた。


自分は運がいいのだと。


理解のある皇帝に出会ったのだと。


でも。


今なら分かる。


彼はただ。


不器用な方法で。


この見知らぬ世界で、私が立ち上がれるように寄り添ってくれていたのだ。


私は彼を見る。


「じゃあ……」


「あなたが毎回私を呼び出したことも。」


「私の行動を調べたことも。」


「無理やり乗馬や弓術をさせたことも。」


「全部、わざとだったの?」


彼は否定しなかった。


「俺が探さなければ。」


「お前は永遠に俺から逃げ続ける。」


少し間を置いて。


彼は静かに続けた。


「お前が近づいてくれないなら。」


「俺から近づくしかないだろ。」


喉が小さく動いた。


胸の奥に押し込めていた感情を、必死に抑える。


そして。


一番大事な疑問を口にした。


「……システムの任務。」


「あなたも持っているの?」


「嗯。」


彼は短く答えた。


「じゃあ……」


私は目の前の三人を見る。


太子。


貴妃。


皇帝。


この世界で最も奇妙な家族構成。


私は指を向けた。


「今、私たち……どうするの?」

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!

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