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転生したら太子だったんだが、なぜか後宮が私と息子の禁忌の恋に沸き立っている  作者: zhaozhao


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第22話 密会現場を押さえる?

深夜の東宮は、静寂に包まれていた。


少年が地面に四つん這いになり、馬のように貴妃を背負っている。


背中の上では、貴妃の甘えた声と楽しそうな笑い声が、細々と殿外まで漏れていた。


殿の外で夜番をしている宮人や宦官たちは、もうすっかりこの光景に慣れている。


全員が俯き、息を殺し、決して顔を上げようとはしない。


誰もがただこう思っていた。


――太子殿下と貴妃娘娘が、また二人でふざけているのだ。


後宮中で噂になっている、あの馬鹿げた騒動の一幕なのだ、と。


けれど。


誰も知らなかった。


夜の闇の中、帝王がすでに長い間、そこに立ち尽くしていたことを。


福海は階下に跪いたまま、身体を強張らせていた。


呼吸すら、できるだけ小さくする。


殿内。


小満はまだ楽しそうに催促していた。


「もっと速く! もう少し速く!」


私は床に手をつきながら、息を切らして答える。


「……本当にもう無理。」


その瞬間。


――ドンッ!!


凄まじい音が響き渡った。


東宮の扉が、何者かによって蹴り破られた。


重厚な木の扉が壁へ激しくぶつかり、いつまでも震えている。


夜風が一気に殿内へ吹き込み、蝋燭の火が大きく揺れる。


揺れる光が、そこにいる全員の影を明滅させた。


さっきまでの笑い声は、一瞬で消え去った。


宮人たちは全員、凍りついたように立ち尽くす。


静寂が、東宮全体を覆った。


そして。


冷たく低い声が、深い夜を切り裂いた。


「……逆子。」


その一言が、全員の耳に落ちた。


背中にいた小満も、瞬時に静かになった。


小さな身体が、ぴたりと動きを止める。


私はゆっくり顔を上げた。


視線の先。


そこには――


黒い龍紋入りの常服をまとった男が立っていた。


夜風の中。


夜色に溶け込むように。


それでも誰よりも強い存在感を放って。


帝王の顔には、怒りも喜びも浮かんでいない。


ただ、その深い瞳だけが。


静かに私を見つめていた。


そこには、誰にも気づかれないほど深い感情の波が隠れていた。


彼は一歩。


また一歩。


こちらへ近づいてくる。


歩みは決して速くない。


けれど、その圧倒的な威圧感は、周囲の人間の呼吸さえ奪うほどだった。


宮人たちは一斉に頭を下げる。


誰一人として、帝王の顔を見る勇気はない。


背中にいた小満は、二秒ほど黙っていた。


そして突然。


私の衣を握っていた小さな手を離した。


そのまま器用に背中から滑り降りる。


裸足の足が、冷たい床を踏んだ。


小満は周囲の視線も、身分も、何も気にしなかった。


ただ長い足でまっすぐ皇帝へ駆けていく。


宮人たちが息を呑む中。


小満は――


帝王の胸へ飛び込んだ。


爸爸パパ!」


その二文字が響いた瞬間。


殿内は完全な静寂に包まれた。


皇帝はゆっくり視線を落とす。


そして腕を伸ばし、胸へ飛び込んできた蘇貴妃をしっかり受け止めた。


長年、筆を握り、天下を治めてきたその手。


その大きな手が。


小満の背中を優しく、けれど強く抱きしめる。


まるで二度と離さないと言うように。


しばらくして。


皇帝は低く、少し掠れた声で答えた。


「……嗯。」


「爸爸在。」


(パパはここにいる。)


皇帝は小満を抱いたまま。


ゆっくり顔を上げた。


そして、私を見る。


彼は片手を私へ差し出した。


その掌は、清潔で。


温かかった。


そこには帝王としての威厳も。


親子の間にある距離もなかった。


ただ。


彼は私だけを見つめていた。


そして、一言ずつ。


静かに告げる。


「……来い。」


(こっちへ来い。)

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