Lv50 初代会長の誕生
「なるほど、我が滅ぼしてしまったこの地を、
再び蘇らせるというのだな」
「そういうこと。
だが、この事業はあまりにも大規模過ぎる。
さすがに俺達三人じゃ手に負えない」
【じゃあどうするの?】
「そりゃ勿論、ここに人を呼ぶ……!」
【人?】
「俺の第二の故郷である村と、
ウルフタウンから人材を呼び込む。
それだけで復興しきれるとは思えないが、
少なくとも、状況は変わるはずだ!」
【僕たちが救ってきた場所から!】
「あぁ、だがその前に、
俺達だけで出来る“最低限”のことをしようか」
「最低限?何をするつもりだ?」
「それは大使館の再建だ。
これがないと、聖魔街復興の狼煙を上げられないからな。
建てる場所は、さっきゴーレムが瓦礫を片付けてくれた所だ。
クームとレングァーレムは協力して、
使えそうな瓦礫を集めてくれ」
【フードは何をするの?】
「俺は、この砂漠を蘇らせる!
……だが、その前に一つ。やらないといけないことがある」
「やらないといけないこと……?」
俺は黙って、大使館へと歩みを進めた。
クームはレングァーレムの手を持ち、瓦礫を集め始めた。
俺は静かな大使館の崩れ落ちた瓦礫を避けながら、
真っ直ぐその場所へ進む。
やがて辿り着いたそこには、母上の亡骸がいた。
俺は両手を合わせて黙祷した。
――成仏してください……。
「……そういえば母上、俺聞きたかった事があるんだ」
「育ての親が母上たちだったんなら」
「俺の“本当の産みの親”は誰なんだ……?」
「……拾ったんだから、知るはず……ないよな……」
「なら、俺の“本当の名前”は?
いや、名前はなかったかもしれないよな……」
「それに俺はなんで捨てられた……?」
「それに……」
言いかけたところで俺は口を止めた。
もう母上はいない。
わかってはいるけど、頭ではまだ理解出来ていない。
だってさっき、俺は……。
母上と話をしたんだ……。
もう話すことは出来ない、時間は止まらない。
俺は遺骨を外へ運んだ。
外へ行くと、新たな大使館の骨組みが完成していた。
俺は大使館の隣に黙って墓を建てた。
母上、身勝手かもだけど、どうかこれから。
俺の復興する聖魔街を見ていてくれ。
……!!
咄嗟に振り返るが、誰もいなかった。
「必ず俺が、聖魔街を復興させてみせる!」
旧聖魔街は十年前の大厄災によって滅んでしまった。
それなら、またゼロから始めればいい!
この日――。
俺は新たな聖魔街の初代会長となったのだった。




