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ゼロレベル  作者: 光大地
Ⅵ章 滅亡した聖魔街

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Lv45 動き出す時

俺はクームを連れて、大使館まで戻ってきた。

そして、大使館の前で止まった。


【ここは】

「大使館、だろ?」

【…………え?】

「三大都市の一つ、聖魔街の中心地で、

俺の家、それが大使館」

【フード!!!!思い出したの!!?】

「……あぁ、全部思い出したよ。

俺が聖魔街会長の母上の息子であり、

お前が聖剣王国の第二王子だってこともな」


クームは泣きそうになりながら、両手で口を抑えている。


「どういう感情だ?それ」

【嬉しい】

「ははっ、ずっともどかしかっただろ。

……というか、なんで今まで隠してたんだ?お前」

【それは……】

「まぁ今それはどうだっていいんだ、

俺が失った記憶を全て取り戻したってことを、

お前が知った上で見てほしいものがあるんだ」


俺たちは大使館の裏口から中に入った。

中に入ると、

ボロボロの高貴な服を着て座り込んだ白骨死体がいた。


【この骸骨】

「記憶を取り戻した今、骸骨の姿になっていたって、

俺にははっきりわかる。

この服を着ていたのは紛れもない、俺の“母上”だ」

【……】

「……十年前の大厄災の時、

俺だけを逃がす為に囮になってくれたんだ」

【そう、だったんだ】

「でもさ!母上は、

いっつも兄貴ばっかり優遇してたんだぜ?

俺なんて目もくれないでさ!本当にひどい話だ!」

【……】

「……でも、こうなって清々する。

とは、手放しには言い難い……かな」

【うん】

「……そういや、母上って背中向けて座ってるよな?

もしかして、ドアの向こうに何か……いた?」


確かめようと思い、母上を横にどかせた。

そして、ドアを開けようとした、その瞬間。

ドアのついていた一面が崩れ落ちた。

埃煙の中から現れたのは、まさかの……。


「ゴー……レム……!?」


レンガで出来たゴーレムが腕を組んで座り込んでいた。

無数の鎖で繋がれていて、目に光は灯っていない。


「こんなの、聖魔街にいたか?

いなかった……よな、何者なんだ?」

【なんなんだろう?】


俺がゴーレムをぐるりと一周見渡してみると、

鎖が緑色に発光していることに気づく、

……この鎖、魔法?で出来ている?

つまり、このゴーレムは封印されている?

いや、この感じだったらそうなんだろうけども……。

隈無く見ていると、

クームが俺の服の袖をくいっくいっと引っ張ってくる。


【このゴーレムの顔、ちょっと変じゃない?(゜o゜)】

「え?顔?」


クームに言われて見てみると、

目の辺りに何かが巻かれているように見える。


「なんだこれ?ゴーレムはこんな見た目じゃないし、

後から着けられたもの、のような……」

【フード!後ろ側にボタンがある!( ゜∀゜ )】


クームに言われて見てみると、巻かれた何かの後ろ側。

ゴーレムの後頭部部分に、ボタンがついている。

絶対に嫌な予感がする……。

これは押さないほうがいいな……。


「クーム、絶対にこのボタンを押すなよ」

【ポチッとな!(-д☆)キラッ】


クームがボタンを押した。

は?え?こいつ何をしてるんだ?


「押すなって言ったろ!?」

【え、フリじゃないの……?】

「バッ――!!」


次の瞬間、ゴーレムの巻いているものに、

目がピカッ!っと映った。

それと同時に、ゴーレムは両腕を豪快に上げた。

俺とクームはその風に巻き込まれて、

大使館の壁を壊しながら外まで吹き飛ばされた。


「ゲホッゲホッ!な、なんだ!?」

【ぐえーっ(。>﹏<。)】


砂煙が宙に舞う、そんな砂煙の奥に大きな影が見える。

大きな影はドシッドシッと、

音を立てながらこちらへ向かってくる。

砂煙の中から現れたのは、さっきのゴーレムだった。

そして、三日月型の怒った目が映されていた。


「我が名はレングァーレム、魔王軍の幹部だ」

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