第2話(3)
モンビホの街の入り口では、身分証明書、俺たちの場合はギルドカード、の提示で、首から下げる札をもらった。これを首から下げて見えるようにしておけばいいらしい。
入り口の出入りも、これがあれば止められないらしい。だから列が進むのが速かったのか。
この札にはちょっとした魔法がかけられていて、悪いことをすると、札の紐に拘束されるのだとか。ふむ。
人がいっぱい集まるから、このほうが効率がいいんだろうなー。
特にこれといって収穫祭の説明は受けなかった。わからないことがあれば、専用の案内所があるらしい。
街の中に入ると、大勢の人で賑わっていた。ぼんやりしていたら、すぐはぐれてしまいそうだ。気をつけないと。
「どこから回る?」
「人酔いしそう……」
「賑やかでいいな!」
「ウォルンは情けないな。はぐれるなよ?」
ディールもそう思う?
「気をつけるよ……」
「どこから回るか。ウォルン、どうする?」
「そんなこと言われてもよくわからないからなー」
「それもそうだな」
「そうねー。それじゃ、まずは案内所に行きましょうか」
ミィウの案に賛成して、俺たちは案内所に向かった。
高いところに大きな幕がかかっていて、案内所と書いてある。わかりやすくていいな。
人ごみをかき分けながら、案内所の方向へと進む。それだけで結構な時間がかかりそうだ。
とにかく人、人、人だらけで、人を見に来たのかって気分になる。
「それにしても人が多いね」
「これでも少ないほうじゃない?」
「少ないの?! これで?!」
「そうよー。このくらいで根を上げてる場合じゃないわよ」
「うひー」
ようやくたどりついた案内所はとても広かった。
けれど、ここも人だらけで、案内のカウンターがたくさんあるにも関わらず、列をなしていた。
1グループ1グループに時間がかかっていて、なかなか順番が来ない。
「ヒマだなぁ……」
「それはしかたないだろう」
「そーだけどさー。並んでるだけって退屈だよ」
あんまりこういう経験ないもんなー。
「そんなこと言ってたら、屋台なんてどうするのよ」
「どうって……どうって……まさか……」
「屋台も並ぶわよ?」
やっぱりかー!
「おなかぐうぐういわせながら屋台に並ぶの……?」
「やあねえ。屋台なんて、雰囲気を楽しむんじゃない。おなか空きすぎなのが前提なの? まったく、変なこと言うわね」
「変かなぁ……」
「ほら、私たちの番よ」
いつの間にか前のグループも終わっていたらしい。
「次の方どうぞー」
うわっ。何を訊けばいいんだろう。
「なあなあ、ミィウ。何を訊くといいの?」
「そのまま訊けばいいじゃない」
「そのままって……」
「モンビホ収穫祭は初めてですか?」
はい、主に俺が。
「そのっ、あのっ」
カウンターの人はにっこりと笑う。
「モンビホの街はですね、農業から畜産など色々と、収穫物が多い街なんですよ。そこで1年に1度、収穫祭を行い、収穫に感謝するんです。とはいっても、堅苦しくはないので安心して下さい。様々なイベントが開催されていまして、興味があるものがあれば足を運んでみて下さい。イベントマップは銅貨3枚です。いかがですか?」
イベントマップ……?
俺が首を傾げると、ミィウがさっさと銅貨3枚を取り出した。
「買うわ」
「ありがとうございます」
「えっ? 良かったの?」
「そりゃあね。実は私もどこで何をしているかまでは把握してないもの。たまに来ることがあっても、なんとなく見て回って終わりだったからね。せっかく案内所まで来たんだから、いいんじゃない?」
そっかー。




