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第2話(1)

ぐぅうううー。


あちゃー、今の、聞かれちゃったかな。


心地よい風にたまにはこうやってのんびりするのもいいなー、なんて思っていたら。


俺のお腹が臨戦態勢だ。


いつでも戦えます! さあ、やってきやがれ食料! とばかりに俺をせかす。


そろー……っとディールのほうを見ると、あきれたような顔で俺を見ている。


いや、これは俺であって俺でないんだ! わかってくれよ!


くぅぅぅううー。


ん?


聞こえてきたのはどこからだ?


今度の音は俺ではない。


ディールでもなさそうだし……。


ブラウのほうからかな?


そちらのほうを向くと、ブラウの腹のあたりに丸まっていたノノルがもぞもぞしている。


『……おなかしゅいたー』


寝ぼけた声でそう言いながら、耳がぴくぴくと動いている。


しかしまだ眠いのか、もぞもぞするものの、起き上がるようでもない。


「ご主人様に似るんだな」


ディールは皮肉を言ったつもりだろうが、ノノルに似てると言われて俺が喜ばないとでも思ったか?!


「似てる? そう? ホントに?」


「にやにやするな。褒めてないぞ」


「いやあー、そっかあー、俺、ノノルに似てるのかー」


『ごちゅじたま、うるたい!』


怒られちゃった……。


「ったく……、ねぼすけが。起きろよ。ウォルンとそっくりだな」


ノノルがもぞもぞしていたせいか、はたまた俺たちの声でか、ブラウが目を覚ます。


『……?』


何が起きたんだろう、とでも言いたげな、きょとんとした目でこちらを見ている。


『うぉるんさま、ついでにでぃーる、なにかあったんですか?』


それまで黙っていたモクルが口を開いた。


「ついでとは何だ、ついでとは。……まあいい。何もない、ウォルンがノノルに会いたいというから連れてきただけだ」


『そうですか。みぃうさまのすがたがないのですこししんぱいしていたところです』


「何かあったんなら叩き起こしている」


『それもそうですね』


「それと、明日から昼間はモンビホに遊びに行くからな、何日か来ないかもな」


『もんびほ……。ああ、しゅうかくさいですね。おいしいもののおみやげきたいしていますとみぃうさまにつたえてください』


「そのぐらいならつたえてやらんでもない」


ディール、もっと素直に言えないのかな。まあ、これがディールなのかな。


『んあー……。おはよーでしゅ、ごちゅじたまー』


やっと目が覚めたらしきノノルが目をこしこししながらむっくりと起き上がる。


「ノノル、おはよう。って、もうお昼だけどね」


『おひるー』


それから俺たちはお弁当を広げ、お昼ごはん。ちゃんとノノルたちの分も持ってきたんだ。


『うあー。ののゆの? ののゆの? たべてい? たべてい?』


木の実や果物を取り出した俺に、ノノルがさっそく飛びついてくる。


「どうぞ。ブラウと分けて食べるんだよ?」


『うんっ!』


果物をひとつつかむと、ノノルはしゃくしゃくとかじりはじめる。


「ほら、ブラウも食べてね」


『ありがとうございます』


遠慮がちにしていたブラウにおいでおいでをする。おっきいけど、ノノルに似ているからかわいいんだよねー。


他に持ってきていたでっかいお肉も取り出して、モクルに差し出す。


『あ……っ』


ん?


「あれっ? これ食べられない肉だった?」


ミィウに確認しておくんだった、と焦る。


『いいえ、わたしのぶんまであるとはおもわなかったので……。たべられます、むしろこうぶつです』


「よかったー……」


胸を撫で下ろす。


「遠慮しないで食べてよ」


「はい、ありがとうございます」


モクルもお肉にかぶりつき始めたのを見て、俺とディールの分も取り出す。


「さって、食べようか、ディール」


「そうだな」

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