第1話(49)
それにしたって、2、3日のんびりするっていってもなー。ヒマさえあれば薬草集めをしていた俺にとって、いきなりのんびりしろと言われても、どう時間を潰していいのかわからない。
以前と違って、収入があるものだからそんなにあくせくクエストをこなしたりしなくてもいいのだから、慣れなくちゃいけないんだろうけど……。
ミィウとメルクレンはなぜか鉱石の話で盛り上がってるし、いつの間にだよ、俺入れないよ。ディールは瞑想の続きをしている。
うーん……。
することもなくぼーっと宙を見ていた。
「ヒマそうだな」
突然ディールから話しかけられた。
「ひょあっ?!」
「ひょあとはなんだ、ひょあとは」
「瞑想してたんじゃないの?」
「瞑想? なんだそれ」
「さっきまで目を瞑っていたじゃないか」
「ああ、あれか。あれは、こういうことだ」
と、壁にいくつかの画面のようなものが映る。
「なにこれ?」
「これを見てたんだ」
「わかんないって」
「鳥や魔獣の目に見えてる景色を見て、なんかないかと」
「そんなことしてんの?」
「面白そうなことがあれば情報を仕入れたりもできるぞ」
「へー。なんか面白いことありそう?」
「そうだな……」
ディールは画面をひとつひとつ確認して、どうだろうな、とこぼした。
「なさそうなのか……」
「あら? あれってモンビホの街の近くじゃない?」
それまでなんとかって鉱石はどうの、なにやらって鉱石はどうのとメルクレンと白熱していたミィウが、画面のひとつを指さした。
「ああ……、そうだな」
「モンビホ?」
「モンビホと言えばそろそろ収穫祭の季節だな」
メルクレンも知ってるんだ、そのモンビホって街。
「収穫祭?」
「そうだ、私も幼い頃行ったことがある。屋台など出ていて賑やかだぞ」
「いつからなの?」
「2日後からだな」
「へー」
「行ってみるか?」
「うーん……。みんなはどう?」
「行ってもいいけど、今から宿がとれるかしら」
「人がいっぱい集まるんだね」
「そうよー。予約してなきゃ無理じゃないかしら」
「じゃあ諦めるしかないかぁ……」
「行くだけなら行けるがな」
んん?
「それはどういうこと?」
「モンビホの街まで飛んで、夕方になったらまた飛んで帰ってくればいいだろう」
「飛んで? 鳥にでも乗るの?」
「ドラゴンに乗るのもいいわねぇー。ディール、召喚できる?」
「いや、ドラゴンの召喚はまだしたことがないな。大鳥なら召喚できなくはないが……、あまり乗り心地は良くないぞ」
「えー。でも大鳥に乗らなきゃ行けないんだろー?」
「そんなことは言っていない。モンビホの街なら魔法陣ですぐ飛べる」
あっ、そういうことかぁ。
「ウォルンが行きたいなら行けるぞ、という話をしている」
「俺行ってみたいなー。ちらっと覗いてみるだけでもいいんだけど」
「だ、そうだが。ミィウやメルクレンはどうする?」
「私も行きたいわ。ほら、あれがあるでしょう?」
「あれって?」
「ああ、あれだな」
「あれというのは……。僕は参加したくないが」
「まあまあ、見るだけでも面白いじゃない」
「あれって何?」
「ウォルンは当日のお楽しみってことで。内緒よ!」
「教えてくれたっていいじゃんかー。拗ねるぞー」
「拗ねたら連れてってあげないわよ?」
「決定権はミィウにはないがな」
「そーだよね。ディールが連れてってくれるからいいもーん」
「それはどうだろうな?」
ディールさん、意地悪言わないでください!




