第1話(47)
ギルドにたどり着くと、この前来たときのような人だかりが想像もできないほど閑散としていた。
ちらほらと冒険者の姿も見えるが、数えるほどだ。
「ずいぶんと静かねー」
「こんなものだろう」
「そうかしら?」
メルクレンはそわそわしている。
「さっそくパーティ登録しようか」
「そっ、そうだな!」
声うわずってるけど大丈夫かな……。
俺たち4人そろってカウンターへ行く。
「本日のご用件は何でしょうか?」
受付には若い男性がいた。
「パーティのメンバー登録と、テンバド鉱山の報酬の件で来ました」
「パーティ登録と、鉱山の報酬の件ですね、承りました。まずはパーティ登録を先にさせて頂きます。4名様ご登録でよろしいでしょうか」
「いや、3人はもうパーティ登録されているから、1人追加なんだけど」
「そうですか。失礼致しました。では、パーティのリーダーの方と、追加で登録される方のギルドカードをお預かりしてよろしいですか?」
「俺がリーダーのウォルンです。で、こっちが今回登録するメルクレン」
俺とメルクレンがギルドカードを差し出す。
と、受付の男性はハッとしたような顔になった。
なんだろう?
「ウォルン様のパーティの方々でしたか。今回の鉱山の件では大変お世話になりました。ギルド長を呼びますので少々お待ちいただけますか?」
「い、いや、そんなおおげさにしなくていいんで……」
「おおげさだなんてとんでもない! 犠牲者をほとんど出さずに済んだのはウォルン様とそのお連れの方々のおかげと聞き及んでおります。登録は済ませておきますので、まずはお部屋へご案内いたします」
「いや、ほんとにいいんで……」
これは困った。なんだか面倒なことになりそうだぞ?
「そうおっしゃらず……」
うーん、どうしよう?
振り返ってみると、ミィウもディールも肩をすくめていた。
「いいんじゃない、ちょっとくらい」
「急ぎの用もないしな」
まあそう言うなら、いいか……。
受付の男性は近くにいたギルド員の女性に声をかけ、少し話をしたかと思うと、その女性が部屋へ案内すると言うので、ついていくことになった。
案内された部屋は応接間のようなところで、たいして待つこともなくギルド長がやってきた。
「テンバドのギルド長をさせて頂いております、ナテラーと申します。この度は大変なご助力を頂きまして、ギルド員一同、いや、テンバドの街の者全員が感謝しております。ご希望にはできるだけ沿うようにさせて頂きたく思いますが……、何かございますでしょうか?」
そんなこと言われてもなー。
「それなりに報酬をもらえればそれでいいんですけど……」
何かある? というようにディールたちを見回してみる。
特にはないようだ。
「では、報酬についてですが、金貨100枚でよろしいでしょうか? 心苦しいですが、これ以上は厳しいもので……」
「いっ、いえいえ、充分です! そんなにもらっていいんですか?」
「もちろんです。本当ならばこの程度では足りないぐらいかと存じ上げますが、なにぶん、テンバド鉱山の再整備などにも必要経費がかかりますので……」
「ほんとに充分なんで」
なんだろう、このやりとり……。
ギルド長にさんざんお礼を言われたあと、やっと解放された。
受付へ戻ると、メルクレンのパーティ登録は済んでいて、ギルドカードを返してもらい、報酬の金貨を貰ってからギルドを出た。
「ううう、重い……」
「肩が凝ったな」
「なに食べようかしらー!」
「これで私もウォルンたちのパーティメンバーだな!」
「まず金貨分けようよー」
「宿に戻ってからでいいじゃない」
重いんです!




