表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/57

第1話(42)

建物の中に入ると、玄関らしきところがあって、そこで靴を脱ぐとすぐに脱衣場があった。


「けっこう広いなー」


「迷子になるなよ」


「そこまで広くないよ」


脱衣場も広くてロッカーも大きめのがいっぱい並んでるからなんだか変な感覚だ。


ロッカーの鍵番号を確認して探す。俺とディールは隣のロッカーだ。


「あっ、あったよ」


ロッカーを開けて中を見る。


「色々入ってるなー」


ごそごそとロッカーの中を探索する。ちょっとしたお宝探しみたいだ。


「へー」


俺が1個1個見ながらもたもたしていたら、ディールは既に脱ぎ終わっていて、しかもなんも着てないのに堂々としていた。


「早くしろよ。置いてくぞ」


「えっ。待って待って」


ちょっとディールさん、恥ずかしいとかないんですか……。


「何考えてるんだか」


「なんでわかっちゃうんだよ」


「わからないが想像はつくな」


「なんだよそれー」


ディールと2人で浴場のほうへ行く。まずい、これ迷子になるかも。


「なかなかいいな」


「そっ、そうだね」


ディールから離れないでおこう……。


俺とディールは軽く汗を流す程度に体を洗って、いざ、温泉だ。


「どれから入ろうかなー」


「まさか全部入る気じゃないだろうな」


「まさかー。でも面白そうなのばっかりだね」


「なにしに来たんだか」


ディールはオーソドックスな1番広いところに入ろうとしていた。


えー。あっちとかそっちとか面白そうなのにー。


迷子になりそうだったから、別のところにするのは諦める。


「入りたいところに入っていいんだぞ?」


「だって迷子になりそうだから」


「そこまで広くない」


「そうかなー。いいや、俺もここで」


「何日か泊まる予定だから慣れてからでもいいしな」


「そうだね」


ためらいなく入っていくディール。俺は恐る恐る足先を浸ける。


「そんなびびらなくても」


湯の中にしっかり浸かったディールから声をかけられる。


「ほんとだ。そんなに熱くない」


湯加減はちょうどよかった。


「ふいー。ごくらくごくらくー」


「寝るなよ」


「寝ないよ。ところでさ、女湯って覗かれたりしないのかな? ディールみたいに魔法でちょちょいとさ」


「覗きたいのか?」


「しないけどさー、する奴がいるかもしれないんじゃないかなー、って」


「何のために鍵番号確認してると思ってるんだ」


「鍵番号?」


「覗きもそうだが、こんな誰もが油断するような場所で、対策がとられてないわけないだろ」


「そうなんだー」


「そうなんだよ。ウォルンはのんきだよな」


「そうかなー」


「そうなんだよ。泊まるときに代表者のギルドカードを確認してる。バカやる奴はいないと思うがな」


「ふーん」


「ウォルンは女湯興味あるか?」


「のっののの覗いたりしないよ!」


「いや覗きはしないだろうが。興味はあるだろう?」


「なにそれ。悪魔の囁き?」


「なんだそれは。僕は悪魔か」


「そういう意味じゃないけどさー」


「じゃあどういう意味だよ」


「なんか覗けって言われてるみたい」


「言ってないぞ」


「そうだけどさー」


俺はなんだか焦ってお湯をちゃぷちゃぷしてしまう。


「ま、冗談だ」


「冗談なのかよ、ディールはこれだからなー」


「ウォルンはからかうと面白いからな」


「俺で遊ぶのはやめてください」


「そう言われてもな」


「あーあ、からかう気満々だもんなー」


「のぼせるなよ」


「ん?」


そういえば、けっこう長く浸かってたのかな。


「そろそろあがる?」


「そうしよう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ