第1話(37)
俺たちの部屋は1405号室と、1406号室。
鍵は2個ずつあるようで、これならバラバラに行動しても問題なさそうだ。
「じゃあ、鍵を渡すわね」
ミィウは俺とディールに1405号室の鍵を、メルクレンには1406号室の鍵を、それぞれ渡した。
「これから別行動?」
俺がそう尋ねると、ミィウは意外そうな顔をした。
「まだいいんじゃない? それとももう休みたいとか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「じゃ、いいじゃない。私たちは部屋に荷物を置いてくるから、部屋のドアを少し開けておいてね。すぐに行くわ」
「わかった」
ミィウとメルクレンは隣の部屋へ、俺とディールは1405号室へと入ることにした。
鍵を開けたのはディールだ。なんか開けたそうだったから。
部屋の鍵はカードみたいな形で、小さな箱みたいなのにカードを通すと開く仕組みのようだ。カードにはキーホルダーがついていて、部屋番号が刻まれている。
「うわー、広そうだねー」
「そうだな」
ドアを開けたら、広々とした空間があった。廊下みたいで奥のほうへ向けて細長い。
入ってすぐのところで靴を脱ぐみたいだな。段差になっていて、そこで俺たちは靴を脱いで上がった。
カシャン。
ん?
重みで閉まったドアを見ると、鍵がかかってしまったようだ。
どゆこと?
「オートロックか」
なにそれ?
「ドアを閉めると自動で鍵がかかるシステムだ。さっきミィウが言っていたのはこのことか」
俺にはよくわかりません。
ディールは1度脱いだ靴を履いて、ドアを開けると、下にあった彫刻が施された鉱石を挟んで、少し隙間が空くようにしていた。
あれってああいう風に使うのかー。飾りかなんかだと思った。
ディールはそれが終わると中に入ってきた。
「ひゃー、すっげー」
正面にある窓というか、廊下の奥の壁があるべき場所が丸々ガラス張りだ。これ外れたりしないかな……。
下のほうが遠いよ……、こわっ!
窓の右側にあるドアを開けると、そこはベッドルームのようだ。
「でっか!」
大きなベッドがふたつ、そこにはあった。
えー、ここで寝るの? なんか落ち着かなさそう。
俺とディールはとりあえずベッドルームに荷物を置いた。
他のドアも開けてみようと思っていたら、ミィウたちがやってきた。
「ウォルンー、ディールー、いるのー?」
「いるよー」
俺たちは入り口まで引き返してミィウとメルクレンを出迎える。
2人が入ってきてドアが閉まると、入り口の鍵は自動で閉まった。
「さってと、洗いざらい話してもらうわよ」
何のことだ?
「立ち話もなんだし、座りましょうよ」
それはそうだけど……。まだどこにどんな部屋があるか把握してないんだよな。
ミィウは靴を脱いで入ってくると、躊躇なく入り口から向かって左側のドアを開けた。
そこにはベッドルームよりも広い部屋があり、テーブルを囲んでソファがあった。
壁際には棚や冷蔵庫などがあるようだ。
俺たちがソファに掛けると、ミィウは意外にもせっせと飲み物を準備してくれた。
「何よその目は」
「いや、なんでもないです」
ブゥン、と微かな音が聞こえた。
今度は何だ?
「遮断の魔法だ。これから話すことは、僕たちは知らないはずの話だからな」
「わかってるわよ。メルクレンもいいわね?」
「他言無用ということだな、承知した」
「ならいい」
何が起こっているのか詳細をぷりーず!
「でもそこまでする?」
「念のためだ。用心するに越したことはないからな。安い宿にしなかったのだって、そういう意図があったんだろう?」
「まあね」
うん。何のことですか。




