第1話(27)
「ウォルンか。ゴーレムたちの首尾を確認していた。特に異常はないようだな」
そうですか……。
「ちょっと、ウォルン! 聞いてるの?! って、あれ?」
「ミィウ……。なんだその、おはよう?」
「私ったら寝てたのね。やだわ……。何も寝言なんて言ってなかったわよね? そうよね?」
ミィウさんミィウさん目がマジです!
「は、はひっ! なな何も! 何もっ?!」
モクルとブラウが何とも言えない表情でこっちを見てくる。いいんだ、何も言うな。
『みーうねぼすけー』
こらっ、ノノル。なんてこと言うんだー!
「あーらあ、ノノルちゃん? かわいいわねー? おねーさんとおはなししましょーかー?」
「やめろっ、ミィウ! ノノルには何もするなよ」
「んじゃあんたでいいわ」
叩かれました。
「あの……だな……」
メルクレンが困ってる。
「そうだ。これから本番なんだぞ? 緊張感を持ってだな……」
「パーティに分かれて戦うそうだ。私たちはこのメンバーでいいだろうか」
「そんな話になってたの? ウォルン、早く言いなさいよ」
俺のせいじゃないよな?
「そういうことならば、この優秀かつ可憐で妖艶でまばゆい魔術師である僕と、ミィウ、モクル、ブラウ、メルクレンだな」
俺は?!
俺の目線に気づいたのか、ディールはニヤッと笑った。
「ウォルンはノノルと一緒に後ろで指をくわえて見ているがいい」
「それもそうね。ウォルンあんた、戦えないじゃない」
そうだけどー。
「死にそうな奴が何人出ても大丈夫ね。期待してるわよ、ウォルン」
「はーい」
しかたないな……。
「死にそうな者がいれば僕がウォルンのところまで吹っ飛ばしてやるぞ。嬉しいだろう」
「怪我人にはもっと優しくしてください、ディール」
「そんな余裕があればな」
俺たちのメンバーが決まったのでまわりの様子を見てみる。だいたい決まったようだ。パーティで来ている者たちがほとんどだもんな。
「決まったぞー」
「こっちもだ!」
そんな声が飛び交う。
それを聞いて魔斧炎獄のおにーさんが言った。
「パーティごとにまとまってくれ」
それぞれがパーティごとに集まって静かになると、おにーさんは1パーティずつ確認しているようだった。
「問題はないようだな。では、行くか」
「ちょっと待ってくれるかしら?」
ミィウっ?!
「何か問題でもあるのか?」
「うちのリーダーなんだけど、戦えないの。そのかわり、知ってると思うけど、回復術師としてはかなりのものよ。だから……」
「後方で回復に専念してもらうというけか。それはこちらとしても助かる。むしろお願いしたいくらいだ」
「そうしてもらえるとこちらも助かるわ、ね、ウォルン?」
俺に振るかー?!
「よ、よろしくお願いします……」
うん、なんか情けないな。
「よろしく頼む」
それにしても、さっきさらっとリーダーって言ったよな? さらっと。
もう確定事項なんだろうか……。
いや、まだ希望を捨てるのは早い。前衛と後衛がいるじゃないか! 見つかるかわかんないけど……。
「これより、魔物の殲滅に向かう! 覚悟はいいか!」
「ウオオー!」
みなさん、血気盛んですね……。
パーティごとに分かれてはいるけれど、集団で避難場所から出発。ぞろぞろと戦士たちが歩く様は壮観だなぁ……。みんな強そう……って強いのか。
「わくわくするわねー!」
ミィウ、遠足じゃないんだから。
「どんな魔物がいるんだ? 僕に教えてくれてもいいんだぞ?」
「よくわからないわ。魔術師たちがバリア張ってたから」
へー、そうなんだ。
「見えなかったのか?」
「見えたけど。見ても特性とかわからないもの」
「それは残念だな。行けばわかるからいいがな」
「そうよ。戦ってみればわかるわよ」
「僕は見ればわかる」
「あら、そうなの。じゃあ教えてね」
「まかせろ」




