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第1話(26)

「おかしなゴーレムだけどすごいのね」


「おかしいとはなんだ、おかしいとは。素晴らしさのあまり何かの蓋を開けたり閉めたりしながら号泣してもいいんだぞ」


違う意味で涙出そう。


それから俺たちは各自シャワーを浴びたり雑談をしたりして、気がつくと寝ていたようだった。


「んー……。ノノルー……。ふさふさぁ……」


「ふぁッ?!」


目が覚めると、俺はノノルを抱き抱えたまま、ぽつーんと取り残されていた。


えー? 起こしてくれても良くない?


のんきにそんなことを思うのも束の間、ひどく張り詰めた雰囲気に飲まれて息を飲んだ。


『ごちゅじたま、くゆしーです』


「あっ、ああ……。ごめん」


びっくりしてノノルをきつくぎゅっとしてしまっていたようだ。腕の力を緩める。


中心部のあたりで、真剣な議論が行われていた。


たぶん前線には行かない避難場所組は少し距離を置いて見守っているようだ。


そこからまた距離を置いて俺、ぽつん。


「……というわけで、今までとはやり方を変えて行こうと思う」


あ、魔斧炎獄のおにーさんたちだ。立っている彼らのうちの1人が話していて、あとは座って聞いているようだ。


しーんとしているから、離れている俺のところまで声がはっきり聞こえる。


「ここまでで質問などはあるだろうか」


しーん。


なんか言って! なんか言って!


俺こういう雰囲気苦手なんだよー……。


一通り見回して、おにーさんが頷く。誰か俺に現在の状況説明してよー、コワイヨー。


「先程も説明した通り、今までのように数が多くて弱い相手であれば個人戦のほうが有利だったが、これからはそうはいかないだろう。数は多くはないだろうが、個々の強さは段違いになる。今戦っているグループは時間稼ぎをなんとかこなせる程度だろう。こちらのグループが本命だ。元々強い者が集まっているはずだから愚問かもしれないが……。もし、無理そうならここで抜けてくれ。ここからは命懸けだ」


しーん。


あっ!


あそこにミィウたちいるー。モクルとブラウ、ディールとメルクレンもはっけーん!


なんで俺に背を向けてるのー。さみしいじゃないかー。


「いないようだな」


何が?


いるよ、俺、ここにー!


って違うか。わかってるけどこの空気に耐えきれない……ううう……。


「では作戦なんだが、まずは数名で臨時パーティを組んで欲しい。2人以上、多くても5人程度が望ましい。作戦といっても、今までと変わるのは交代するときの人数だな。個人で交代するのではなくパーティで交代する。今まで通り、後方で休憩、回復を行ってもらう」


ふむふむ。パーティで交代制か。俺、入れてもらえんのかな……。この状況だと難しいかな……。


「では、自由にパーティを組んでくれ。今までの戦いで、だいたいメンツは把握しているはずだ。我々はこの5人でパーティを組むのでそのつもりで。今から話し合いの時間をとろう。ある程度まとまったら、教えてくれ。問題がありそうならこちらで修正をかけるつもりだから気軽に組んでもらって構わない。それでは、一時解散!」


その声がかかったかと思うと、急にがやがやし始めた。


今がチャンスか?


ノノルを抱っこした俺、とととと、と、小走りにミィウたちのところへ。


「ミィーウー」


なっ、泣いてなんていないよ!


『みーうー』


後ろから声をかけると、ミィウはびくっ、とした。


なんで?


「ファッ?!」


「ふぁ?」


「いいからおかわり持ってきなさいよ」


ミィウ? 何言ってんの?


「ああ、ウォルンか。ミィウはその……、居眠りをしていたようだ。見ていてヒヤヒヤしたぞ」


ミィウの顔、よく見るとヨダレが……。そうだよな、俺のパーティメンバーはこんなんばっかりだよ!


ディールはどうだったんだろう?


目ぇつぶってるー!


「ディール?」


まさかディールも寝ていたのか?

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