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第1話(24)

何が起きているのかわからない、という顔のメルクレンには悪いが、俺とミィウは2人して腹を抱えてしばらく笑っていた。


「ひーっ! ひー……、くる、くるしっ……」


「めっ……メルクレ……ン、ひは、ふは、ぶはははは!」


「いったい何の騒ぎだ」


『ごちゅじたまーうゆちゃいですー』


俺とミィウがうるさすぎたのか、ディールとノノルが起きてしまったようだ。


「あっ、ごめんな、ノノル。うるさかったな?」


『んむー』


「おい、僕には。僕には謝罪はないのか」


「ディールおっはよ」


「ウォルン……。おっはよ、じゃないだろう。この崇高明媚にして可憐繊細な僕を起こしておいて」


「ぶは、ふはっ、おきっ、起きたのね、ディールどっ……ぶっ」


ミィウはまだツボにはまっているようだ。


寝起きだけれど特に機嫌が悪いというわけでもなく普段通りのディール、腹を抱えているミィウ、ノノルをなでなでしてご機嫌の俺、状況についてこれずにオロオロしているメルクレン、という、なんともいえない光景が広がっていた。


「あの……っ!」


メルクレンが意を決したかのような声を出した。


「なんだ?」


ディールが応じる。


「その……だな、ディール殿、先程はすまなかった」


「さきほど……? 何かあっ……、ああ……。いや、あれは僕が悪い。僕のほうこそすまなかった。許してくれると幸いだ」


「殿って! 殿って!」


ミィウ、笑いすぎ。シリアスな場面じゃないのか? 今……。


しかしメルクレンもディールもまったく意に介していない様子だ。なんだろう、この状況……。


メルクレンは真剣な顔だし、ディールはどこ吹く風だ。


「いや、私のほうこそ、」


「まあまあまあ、いいじゃない! 何があったか知らないけどさ!」


ミーィーウー!!


「そんなことより、ディール?」


「なんだ」


「メルクレンを私たちのパーティに入れたいんだけど、どう思う?」


直球ー!


まあな、ミィウに変化球なんて期待してやしないけど……。


「メルクレンとは誰のことだ?」


「わっ、私がメルクレンだ。ディール殿、自己紹介が遅れたが、鍛冶師をやっているメルクレンという。この度、ウォルンのパーティに誘われたのだが、私が入ってもいいものなのだろうか」


「それはウォルンとミィウに訊いてくれ。僕は新参者だからな。決定権はないと思うんだが」


え……?


なんかショックなんだけど……。


「どうした? ウォルン。何を落ち込んでいる?」


あれ? 俺、そんなにわかりやすかったか?


「だって、ディール。ディールは俺たちのパーティのメンバーだろ。そんな風に言うなよ……」


「ちょっとー! ウォルンったら、何をそんなに深刻になってるのよー! ディールに決定権なんてなくていいわね、本人がそう言ってるんだから」


「そういうわけには……!」


と、メルクレン。


「だってよ? ディール。どうするの? 言っておくけど、私とウォルンは賛成なの。と、いうより、私たちが誘ったんだし。あとはディールの意見待ち」


「どうするもこうするも、パーティの決定には従うつもりだ」


「そんな言いかたしたら、またウォルンが落ち込んじゃうけど、いいの?」


そこで俺を引き合いに出すのかーーー!


「そ……そうか。人数は多いほうがいいんじゃないのか……? 僕は賛成だ」


「良かったわねー、ウォルン、メルクレン。ディールどっ、どど殿のお許しが出たわよ……ぶっ! くくく……」


うん……。なんだろう、ミィウだけ楽しそうだな。


でもまあ、なんだかんだいって、パーティメンバーが増えるのは楽しいかもしれないな。


「では、ディール殿、よろしく頼む」


「こちらこそ。だが、そのディール殿というのはやめてくれないか」


あきれたようにディールがチラリとミィウのほうを見た。


「そ、そうだな。ではよろしくディール」


「ああ」

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