第1話(20)
「ふぉれにひへふぉ、ふぃっふぃいふぁふぁ」
ミィウさん?
食べながら話すなと言ったはずですよ? 言ってないけど。
「何言ってるかわからないから飲み込んでからにしてくれるか」
ごっくん。ミィウが飲み込んだ。
「それにしてもびっくりしたわ」
「なんかあった?」
食事の準備をしてたときは何も起きてないようだったけど。
「ディールのしわざでしょうね」
ミィウさん? 何のことですか?
「ゴーレムよ、ゴーレム。ディールじゃないのかしら? 何か聞いてない?」
ゴーレム?
ああ!
「何か異常があったときにわかるように、って、巡回させてるとは聞いたよ」
「何か異常が……、って。こっちが異常があったのかと驚いたわよ。どうしてあんなことになったのかしら」
「あんなこと?」
「『巡回中巡回中攻撃はしないでくれたまえ』って、何事かと思ったわよ」
「ブッ!」
俺食事中じゃなくて良かった。何か食ってたらふいてたぞ。
「ゴーレムが?」
「ゴーレムが、よ」
「そりゃまた……、ディールらしいね」
「ディールだものね」
ミィウはかじりかけの肉にまたかぶりついた。豪快に。
モクルやブラウもそばで食事中だ。モクルは肉ばっかりで、ブラウは対称的に果物や木の実ばかりだ。ファフゥンは肉食べないんだな、覚えとこ。
メルクレンはまだ鍛冶職に精を出しているようだ。
武器の調整や研磨などを終えた者たちはパラパラと食事に取りかかっているようだ。
魔斧炎獄といったか、あのメンバーには研磨師というか専属の鍛冶師がいるみたいだ。なるほど、パーティメンバーに鍛冶師がいると便利だな。うちのパーティも検討の余地あり、だな。
これからどんなメンバーが仲間に入るか、はたまた増えないかにもよるだろうけど。
「なあ、ミィウ」
「ふぁにー?」
お食事中でしたね、すまんすまん。それはともかく。
「うちのパーティにも、鍛冶師いたほうがいいんじゃないか?」
ミィウは考えたようなそぶりのあと、咀嚼していたものを飲み込んだ。
「鍛冶師、ねぇ……? まあ、いたほうが色々と楽かもしれないけど。そうなると拠点が必要にならない?」
「拠点?」
「あら、だって鍛冶場が必要でしょ? 鍛冶場を借りる鍛冶師なんて聞いたことないわ。武器を打つ場所は必要でしょ」
「そっか」
うーん……。
「でもいい考えね。鍛冶師はともかく、拠点があるのはパーティとしてかっこいいわね!」
そっちですか。
「メンバーもまだまだ増やしたいし」
どのくらい増やしたいんですか……。
正直なところ、俺はメンバーはあまり増やしたくない。人数が増えるってことは、揉め事の可能性が増えるってことだ。後ろ向きすぎるか?
「ミィウはパーティを何人ぐらいにしたいんだ?」
「そうねー……、何人というよりは、もっとパーティとして格好がつくメンバーが欲しいわね。魔獣使いに回復役、魔法使いでしょ、メインメンバーとは言いがたいわ」
いや、今はそれがメインメンバーなんですが。
「それでリーダーは鍛冶師をメンバーに、なんて言い出すし」
すいませんね。
「前衛と後衛ぐらいは欲しいと思わない?」
そんなのいなくても、うちのパーティ強すぎだぞ?
「近接攻撃を得意とする前衛に、後方支援の……、そうね、弓使いなんていいわね」
うちのご意見番は正統派パーティをご所望のようです。
なんかちぐはぐだな。元からいたメンバーより、後から入るメンバーがメインというのはどういうことなのか。
ま、ミィウだしな。
ミィウの叶えたかったパーティ、ってやつに乗っかりますか。




