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「...で、シンはニセものさ。分かってくれるかな?」
「わかるかよ、そんなの!!」
精神が安定したのか、シンはまた反論した
「そんなの本当なわけ無いだろ! 第一、証拠だって...」
「証拠はあるだろ、ジンドウ」
「...あああるとも」
「そう言ってるぞ、制作者が」
「そんなわけな...」
「背中には、俺の手形を刻んである」
すぐさまシンは、古びれた服を脱いで確認するシン
手形は、ちょうどジンドウのサイズだった
「そ、そんな...」
「まぐれと思うなら、村のやつらの背中を見ることだな」
もう、シンは反論する気を失っていた
シンはシンではなかった
シンは、記憶だけの...
「待って! じゃあ、シンの記憶は?」
それには、ゲンキは首をかしげた
「そこは想定外だった。そういや何で...」
「頭が本物、と言ってたのは君だぞ、ゲンキ君」
答えたのは、戦意も何も無い顔でいるジンドウだ
「記憶は簡単に言うと、頭に残るものなんだよ。本体がなくても、頭があれば感情は生まれるのさ」
「...つまり、それがお前の失敗、ってことか?」
「そうだろうな」
もう誰も、話そうとも、攻撃しようとも、逃げようともしなかった




