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「マキーーー!」
そんなザルの叫び声を耳にして、俺たちは走ってくザルの後を追った
「どうした、ザル!」
「奴にマキがさらわれた!」
「「さらわれた!?」」
俺だって驚く
素早いし、そうそう敵に遅れをとらず、俺が戦っても互角(神仏の力なしで)なはずのこいつを超える存在だからだ
それに…
「敵を知ってるのか?」
「…」
あたりのようだ
「一つだけ聞かせてくれ。奴は強いか?」
「…多分な。気配がないんだ、あいつは」
「気配がない?……それでか」
それでやすやすさらわれたのか
「それに、あいつは––––」
––––昔、マキ様の前でデッドリーに殺されたんだ
聞き返そうとしたが、次の瞬間にその例の奴に追いついた
マキは抱えられて…ではなく、並んで
「おいおい、なにやってるんだよ、マキ」
「…さようなら」
そうマキは言うと、ハープを出して、睡眠の演奏を奏でた
––––私達はやり直すの、この残酷な現実から




