04.どうしても火炙りにしたいらしい
拙作『永遠の女神』の本文を、チャピ夫に通しでチェックしてもらったんですけどね。どーにも話の内容を理解してもらえないところがあったんですよ。今回、そのうちのひとつについて書いてみようかと思いまして。
それでは、目線合わせのため、ストーリーを少しだけご説明させていただきます。どうぞお付き合いください。
――二代目魔王の時代『すべてを知る魔女』――
とある天涯孤独の少女は「未来以外のことはすべてわかるが、嘘をつくと死ぬ」という罰ゲームみたいなスキルを与えられました。純粋であるが故にいらんことを言い過ぎて、翌日には魔女として火炙りにされる運命です。
なんやかんやあって、主人公(不死身の女性)は泣きながら少女を抱きしめ「嘘ついていいわよ」「私が何でも許してあげる」と言います。そしてラストシーン。
―――――――――抜粋―――――――――
ありがとう。
ありがとう、お姉さん。
こんなにあったかいの、久しぶり。
「わたし、今……」
お姉さんの胸に顔を埋める。
「幸せじゃないなあ……」
―――――――――以上―――――――――
「またその設定かい」って? ああっ、石投げないで! ブラウザバックしないで!
……で、チャピ夫に総評をいただいたのですが。
いつもはしっかり分析してくれる彼が、なーんかシドロモドロなんですよね。核心を突いてくれないというか。
こりゃ、我々の認識にすれ違いが発生しているな、と。試しに「この少女は最後どうなったと思う?」と聞いてみたんですよ。そしたら……
――――――――チャピ夫――――――――
読んだ限り、かなり強く暗示されているのは、
少女は翌朝、火あぶりで処刑された
だと思う。
ただ、もう一段深く読むと、最後の
「わたし、今……」
「幸せじゃないなあ……」
がかなり怖い。
少女は「すべてを知る者」だから、自分が翌朝どうなるかも当然知っている。だからこそ、彼女が最後まで「怖い」「助けて」と直接言わず、**「幸せじゃない」**という言葉を選んでいるのが重要に見える。
―――――――――以上―――――――――
違う 違う そうじゃ そうじゃない♪
(君を逃がせない〜♪)
なんかそれっぽくまとめようとしてるけど、全然違うっ……! このまんま火炙りにされたら、救いなさすぎやろっ……!
じゃあさ、質問を変えよう! なんで主人公は泣いていたと思う?
――――――――チャピ夫――――――――
「もう真実なんて言わなくていい」
という意味なんじゃないかな。
「私はあなたの嘘を許す」ではなく、
「あなたが生きるためなら、私は嘘をついていることにする」
に近い。
だから主人公は泣いている。
―――――――――以上―――――――――
違う 違う そうじゃ そうじゃない♪
(1分ぶり2回目)
このままじゃ辛いやろっ……! 跪きそうやろっ……! 頼む、もう一回よく読んでくれ! 少女は確かに亡くなったが、火炙りにはなってないぞ!
――――――――チャピ夫――――――――
少女は主人公に抱きしめられている。
「お母さんみたい」と感じている。
「あったかい」と感じている。
「お姉さんのことが好きになっていた」とまで言っている。
つまり、今この瞬間は幸せなはず。
なのに、
「幸せじゃないなあ……」
と言う。
これは「幸せではない」という事実の告白というより、
「この先、あなたと一緒にいられないことを知っているから、今この瞬間を幸せだと思えない」
という意味なんでしょうね。
―――――――――以上―――――――――
…………。
ああっ! もう鈴木○之帰っちゃったよ! 忙しいんだよ彼も! こういうネタのとき毎回呼ばれるからさっ!
「今この瞬間は幸せなはず」っていうところまでは合ってるよ! でも、後半ちょっと何言ってるかわからないです。たぶんチャピ夫も何書いてるかわからなくなってきてるな。
というわけで、不本意ながらネタばらし。
――――――――チャピ夫――――――――
ああ、なるほど。そういうことか。
それなら、この場面の構造がかなり綺麗に反転します。
少女は**「幸せじゃない」=嘘**をついた。
その瞬間に、能力の代償として死ぬ。
でもそれは、少女にとっては処刑ではなく、女性の腕の中で苦しまずに死ねる唯一の方法だったんですね。
だから女性が泣いている理由も、
「かわいそうな少女が死んでしまうから」
だけじゃない。
―――――――――以上―――――――――
や、やっとわかってくれたのかい、マイブラザー……。寂しかったよ、ウワァァン 。゜(゜*´Д⊂)
冒頭にも書きましたが、他にもあったんです、こんなこと。ここに書いてもわかりづらいので省略しますが、物語序盤で撒いた伏線の回収とか。
しかし、ここまでチャピ夫にわかってもらえないと、もしかして書いた本人にしか理解できないような文章になってるんじゃないか? と不安になるんですよね。
あ、読み手として語らせていただくと、伏線回収は大好きです。というか、たぶんみんな大好き。バチッと回収してもらえると、脳内快楽物質が漏れ出ずりますよね。いとをかし。
さらにエモきは、「これ、絶対あのときの伏線回収なれど、薄っすら仕込みたるにあらずや? 気づきたる人、少なきのでは?」などと考察できるやつなり。具体例はすぐには出てこぬが、気づけたという褒美にて、二重にニヤニヤできるものなり。※
おっと! 伏線回収への想いの強さが、私を平安貴族にしてしまいましたね。こんな感じで(?)、今回はちょっぴりネタバレテイストで進めました。
……え? いいんですよ、この作品。タイトルの時点で既にネタバレですから。
“『永遠の女神』よ、安らかに眠れ。”
絶対、最後死ぬやつやん。
※古文監修:チャピ夫




