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1度目は落ちこぼれ、2度目は平均、3度目はチートでした。  作者: 八尋
第4章 王立フィオレンツ学園篇入学試験
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第39話 試験初日と友達

遅くなりました。最近忙しく時間が取れません。

暫くの間更新頻度が少なくなる可能性があります。

申し訳ございません。できるだけ頑張ります。

 王立フィオレンツ学園、そこは将来有望な若者たちが集うエイヴィスティン王国最大最高峰の学園の一つ。

 そんな学園に今日は通常より多くの人々が集まっていた。目的はただ一つ。歴史あるフィオレンツ学園に入学するための試験を受けに来たのである。

 その中には勿論アドルクス公爵家嫡男、ライル・ベリル・アドルクスもいた。

 目立ちたくなかったから、無理を言って馬車は途中で降りてきたけど正解だったな。

 ライルは学園の門を潜ったところでの、同年代の子供たちの会話を聞いてそう思っていた。


 「ねぇ見て、あの馬車!」

 「あの紋章、ゼッセローニ子爵家のものじゃない?」

 「本当!確かゼッセローニ家は今年御当主のお孫さんが受験するって聞いたわよ。」


 やはり名門学校だけあって、耳の早い人物が多いようだ。それに各貴族家、しかも子爵の紋章まで覚えているところを見ると、彼女らは貴族と接することの多い大商人の御令嬢といったところだろうか。

 

 「お父様から、お貴族様とは仲良くしておきなさいって言われているから、それとなく近づいておかないと。」

 「シャーナも言われたの?私もお父様にお貴族様にコネを作っておくのは良いことだって言われたわ。」

 「あらメイサも?でも、できるなら上級貴族の方の方が良いわよね。」

 「そうよね。そう言えば今年は、普通科、武術科、総合科にそれぞれ公爵家の方が受験なさるって聞いたわ。」

 「それなら私も聞いたよ。確か普通科を受験するのはメレテナール公爵家の御令嬢、マリーナ様だって。」

 「それ本当なの、コルイナ。」

 「うん。武術科がピロックス公爵家のザナック様で、総合科がアドルクス公爵家のライル様だったはずだよ。」

 

 凄いな、全部当たっている。良く調べ上げているものだ。(アドルクス公爵家)マリーナの家(メレテナール公爵家)のことだけでなく、ピロックス公爵家のことまで知っているとは。ピロックス公爵家はエイヴィスティン王国内でも王家に次ぐ戦力を持っていると言われている。勿論それに比例して、情報管理能力もかなり高いはずだが...

 

 「マリーナ様なら、家と取引のあるモルチーダ商会とのご縁で一度だけお会いしたことがあるわ。会合の際にメレテナール商会会長と一緒にいらしていて、挨拶だけだったけど、とてもやさしそうな御方だったわ。」

 「それ本当!ならマリーナ様と仲良くなるのが一番いいんじゃない?同じ普通科だし、何より女の子同士の方が喋りやすいわ。」

 「そうね。でもまずは学園に合格しないと始まらないわよ。」

 「そうね、皆で合格して学園生活を楽しみましょう。合格した時は、マリーナ様の紹介よろしくね。」

 「そう言われても、マリーナ様が覚えていなかったらどうしようもないんだけど。」

 「その時はみんなで、初めましてって、言えばいいじゃない。」

 「そうね、でも今は兎に角、試験頑張りましょう。」

 「みんなで合格するわよー」

 「「「エイエイオー」」」


 なかなかの声量で喋っていたから、全部聞こえていたがモルチーダ商会、つまりマリッタさんのところと交流がある商会ということは、かなりの大商会ということだろう。

 気になって〖鑑定Ⅹ〗してみたが、どうやら、トケーズ商会の御令嬢らしい。確か陶器を専門として扱う商会だったはずだ。家にも幾つかトケーズ商会の皿があった。

 他の2人もグロッツェル商会とモーゼント商会の御令嬢、3つともかなり有名な大商会だ。貴族のコネを作るのは結構だが、僕のところには来ないことを祈ろう。まぁ、マリーナ様のところに行くってことになったみたいだし、女の子同士ならコネとか関係なく仲良くなれるんじゃないかな。

 そんなことを考えながらも先程の三人娘の後を同じペースで歩き続けていると、突然後ろから声を掛けられる。


 「やぁ、君も今年の受験生かな?」


 後ろを振り返ると、同年代と思われる活発そうな男の子がこちらを向いて、ニコニコと笑みを浮かべている。

 

 「うん。君もということは、あなたも受験生なのかな?」

 「あぁ、その通りだよ。俺はアルファード、気軽にアルフって呼んでくれ。君は?」

 「僕はライル。総合科を受験しに来たんだ。こっちもライルでいいよ。よろしくな、アルフ。」

 「あぁよろしく。ライルも総合科を受けに来たんだな。俺も総合科なんだけど、なかなか同じ人がいなくてな。」

 「そうなのか?総合科の倍率は5倍を超えているそうだから、たくさんいると思うんだけど。」

 「5倍!そんなに多いのか。不安になって来たぞ。」

 「大丈夫か?まだ受付もしてないのに、今から緊張していたら持たないぞ。」


 朝から緊張していた僕はブーメランを食らいながらも、アルフにそう言った。

 キーナが落ち着かせてくれたことで、殆ど緊張はしていなかったが、先程の三人娘の会話や、今のやり取りで完全にリラックスできたライルは、そうやって人のことも心配できる程まで回復していた。

 

 「そうだよな。試験は今日だけじゃないし、初日からこんなに緊張していたら持たないよな。リラックス、リラックス。」


 そんなアルフと自己紹介等喋りながら歩いていると、この学園の教員だろうか、誘導係と書かれた腕章をつけた女性が受付に並ぶ受験生たちの最後尾で声を上げている。


 「王立フィオレンツ学園入学試験の受付はこちらです。受験票の確認をしますので、係の者に見えるよう、手に持ってお待ちください。」


 列の最後尾に並ぶと、受験票を【アイテムボックス】から取り出す。


 「何も持ってなかったからそうだとは思っていたけど、ライルは【アイテムボックス】に荷物を入れてきていたんだな。」

 「うん。そうだよ。」

 「凄いな。総合科を受けるってことは、当然武術試験も受けるんだよな。」

 「勿論だよ。」


 普通科・総合科の入学試験は学術科・武術科・魔術科のすべての試験を実施する。しかし、人には向き不向きがあるため、当然苦手分野があっても可笑しくない。そこで学園側の配慮で、一人一つまでは辞退が可能である。

 しかし、辞退する者は少ない。というか今までに辞退した者は両手で数えられるくらいらしい。理由は辞退した分のポイントは別の何かで代用しないといけなくなり、その代用ポイント獲得用の試験がかなりの難易度らしいのだ。

 しかも毎年その種目は変わるため、対策ができない。そんな賭けに出るくらいなら、苦手でも事前に練習なりができる方が高ポイントを獲得できる。そう言った訳で余程苦手でない限り、これをする人はいない。

 

 「初日(今日)は武術試験じゃなかったか?武器を持参しても構わないっていうルールなのに、学園側の用意した初めて触る武器で戦うのか?」

 

 アルフは自分の腰に下げた片手剣を触りながらそう質問してきた。僕の受験番号は022、アルフもそれに近い番号のはずだ。だから今日会うことができた。

 普通科・総合科の試験は弥生11日~20日。こんなにも期間が長いのは実施試験が多いという理由だけではない。一番の理由は受験者数が多いためである。

 学術試験は筆記テストのため、受験者全員が一斉に受験する。これは受験する場所さえ確保できれば、人数が多かろうとも問題は然程ない。カンニング等の不正行為を監視する試験監督が数十名いれば問題はない。

 魔法の検査試験は基本、試験官と1対1で行うことになるが、魔法を数回行使するだけなのでそれほど時間はかからない。

 問題は武術試験である。魔術試験同様、試験官と1対1で試合をするが、それを評価する第三者が幾人か用意される。その為、魔術試験より人手がかかり、更に能力を見極めるためになかなか時間を要するため、受験者全員の分を終わらせるのに相当の時間が掛かるのだ。

 そのため、受験番号によって受験日が変えられている。総合科は初日から40人~50人単位で武術試験を5日間行うらしい。それに加え予備日を一日。それにより、魔術試験は17日18日で行われる。19日が予備日。そして最終日に学術試験、筆記テストだ。

 

 「いいや、自分の武器を使うよ。やっぱり慣れた武器が一番だからね。」

 「武器も【アイテムボックス】に入れているのか?ライルはMPが多いんだな。」

 「うん。幼い頃から色々してきたからね。」

 「そうなのか。2人とも合格しような。」

 「勿論だ。」


 話している内に受付の順番が来て、僕とアルフは別々の場所へと案内されることになった。受験番号が少し離れていたようだ。お互いの合格を祈りながら、それぞれの決戦の地へと向かった。


〈次回予告〉

 いよいよ王立フィオレンツ学園入学試験本番。

 別々の会場で武術試験を受けるライルとアルフ。(←彼らの試験は文字数的に次々回になりそうです。)



 

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