【配信】 ペットを飼いました(後始末編)
「主様、大丈夫ですか!?」
家の中からルシルが飛び出してくる。
僕がティナに守られていることと腕を組み鋭い視線で威圧をしているミィちゃん。
怒りに我を忘れてとんでもないことをしてしまったと怯えるわたがし。
その状況を見てルシルは自体を把握する。
「ついに本性を現しましたか。トカゲめ!!」
“キタァァァァァ!!”
“大悪魔参戦だ!!”
“雑魚が一人増えただけじゃないか!”
“わたがしとルシル、どっちが強いんだ?”
“わたがしだな”
“ルシルじゃね?”
“よし、この成り行きを見守るぞ!”
「はいはい、これ以上状況をややこしくするのはやめてね」
僕は慌ててルシルを止める。
「しかし、主様……」
「僕はなんともないでしょ。ティナ、ありがとうね」
僕はティナの頭を撫でると彼女は嬉しそうに目を細める。
「ティナはお兄ちゃんを守っただけなの」
「そういうことだから」
「わかりました。主様がそのようにお命じなられるなら」
ルシルは頭を垂れていた。
「んっ、もう終わりなのか?」
「わ、わふぅ……」
残念そうな表情を見せるミィちゃんと不安げに僕を見るわたがし。
“ミィちゃん様は楽しんでるなw”
“わたがしが不安そうだ”
“追い出させると思ってるのか?”
“あんな危険なものを出すしな”
「大丈夫だよ。ちゃんとここに入れるように話をつけるからね」
「わ、わふっ!? わふわふ」
必死に首を横に振るわたがし。
「とにかくミィちゃんも人の食べ物を勝手に取ったらダメだよ!」
「で、でも、美味しそうに見えたのだ……」
「それでも、だよ! もしミィちゃんがお肉を取られたらどうするの?」
「もちろん消し炭にするのだ!」
「それじゃあ、わたがしのドッグフードを取ったミィちゃんは、消し炭にされても文句は言えないんだよね?」
「む、むぅ……、そうなのだ。わたがし、すまなかったのだ」
ミィちゃんはわたがしに対して頭を下げる。
“食べ物は全てを解決する”
“肉盗ると消し炭かw”
“よくこの前月夜の光の如月、生き残ったな”
“そういえば肉盗ってたなw”
“いや、あれは盗られてたぞw”
「これで解決だね」
無事に問題解決できたことに僕はホッとする。
「ところで主様、この毛糸はどこに住まわせるのですか?」
「ダンジョンの中かなって思ってたけど?」
「このトカゲと争うということはダンジョン内でも争いが起きるのじゃないでしょうか?」
「あっ、そうか!?」
ミィちゃんとすら騒ぎを起こしたのだからダンジョン内にいるトカゲ君たちとも騒ぎを起こすかもしれない。
彼らはミィちゃんと比べると落ち着いてるしそんな心配はなさそうだけど。
「そうなったらダンジョンに住むゴブリンどもが……」
「わたがしが危ないもんね。あれっ?」
どうにもルシルと考えが違うような気がしていた。
「それなら犬小屋か……」
「ゴブリンどもに作らせましょうか?」
「それもいいけど、せっかくだから僕たちが作ってみない?」
犬小屋くらいなら簡単に工作でできるはずだろうと想像する。
“失敗する未来が見えたw”
“トカゲ師匠の出番じゃないのか?”
“ゴブ親方も必要だ!”
“むしろティナちゃん以外、邪魔しかしなさそうだw”
「我々で……ですか? では私めがこの毛玉に相応しい家を作らせていただきます」
「家か!? 私も作るのだ!!」
「ごぶー、ごぶー!!」
騒ぎを聞きつけたのか、部屋からできたゴブ君が自分も参加したいとアピールをしていた。
「えっと、みんなで……」
「よし、それなら勝負なのだ!」
「えぇ、良いですね。私の真の実力をお見せするとしましょう」
「ごぶーごぶー!」
「わ、わふっ!?」
なぜかみんなやる気を見せる。
いったいどんな犬小屋を作るのだろうか?
不安に思えてくるが、しょせん作るのは犬小屋なのだからそれでおかしな事になることもないだろう。
「ティナ、それなら僕たちは一緒に作る?」
「うん、なの!」
嬉しそうにティナが頷いてくれる。
「あとは一応トカゲ君たちとかゴブ太郎とかにも声を掛けておくね。念のために」
「ふふふっ、私が優勝なのだ!」
「絶対に負けませんよ」
「わふっ! わふっ!」
「ティナたちも頑張るの!」
「うん、そうだね。とりあえず容易をあるし次の休み辺りかな?」
また休めない日々が続きそうだな、と僕は思わず苦笑を浮かべるのだった。
“まさかの犬小屋対決w”
“誰が勝のか?”
“俺はゴブ君に賭けるぞ”
“俺はもちろん師匠だ”
“ゴブ太郎もなかなかやるぞ”
“俺はティナちゃんかな?”
“おい、誰かミィちゃんとルシルに賭けないと勝負にならないだろ?”
“負け確定だからなぁ”
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