第二十五話 ゴーレム
探索を再開し、最初に棺を調べることにした。先程の戦闘で、まともに棺を見れずにいたので一応見ておく。もしかしたら、隠し部屋のスイッチがあるかもしれない。
いろいろな所を押してみたが、隠し部屋なんて全く出てこなかった。一応、誰が眠っているのかは分かり、「初代国王ここに永眠す」と書いてあった。
一応、棺の奥に通路があったので、先に進んでみたが、行き止まりだった。
詰みか…最後の希望は打ち砕かれた。
今までやってきた事はすべては無駄だったのか。
立つ気力など無くなってしまった。これからどうしろというのだ?もう、どうでもいい。
壁に寄り掛かり、現実逃避でもしようとしたが、寄り掛かった壁が凹み、何か仕掛けが作動した音がした。
数秒後に、行き止まりであった場所に階段が出来ていた。
やる気無くした後に、これは酷いな。だが、まだ希望はあったらしい。もう疲れたよ。後ここ階段大好き過ぎだろ。
階段を下った先には、血を我に捧げよと書いてある石版とグラスを持った人の石像があった。
グラスに血を流せってこと?まあ、それぐらい簡単だな。
短剣で人差し指を切って、血が出始めた指をグラスの上に持って行き、血を垂らす。
その瞬間、グラスに魔法陣のようなものが浮かび上がり、また仕掛けが作動した。これで出口が出てくるのかな?
しかし結果は、足元に穴が空いただけであった。罠だったのか・・・見事にハマってしまった。
にしても、また落ちるのか・・・もういいよ。下に行きたくない。
俺と嵐は、下に落ちていき直ぐに地面と再開した。下が水じゃなくて良かった。
それと、たまたま体勢が良くて大事には至らなかった。
落ちた先には、大剣を持っているゴーレムが鎮座しており、まるで俺達を待ち構えているようだった。
奥に石碑と謎の空間があり、近づいてみる。石碑の内容は、「最奥までたどり着いた侵入者よ。貴様の力を認め救いの道を示そう。さあ、我が化身を倒してみせよ」だった。
ここが最奥で救いの道・・・出口があるのか!でも我が化身って何だ?それらしいやつなんて・・・居たわ。
すぐに振り返ると鎮座していたゴーレムが動いていた。
嵐も気付いたらしく、同じタイミングで振り返っていた。
ゴーレムが持っているのは近接武器。なら、近付かれる前に倒す!我が化身って事は、思考があるって事だろ?つまり、現夢が効くということさ!
早速現夢を使い、相手を行動不能にしようとするが、全く効果が現れない。最近は不発率が低かったはずだから、不発なわけないと思うが、もしかして、こいつには思考がない?でも化身なんだろ。どういうことだ?
化身と言っても思考がない?プログラムみたいなものか?それなら納得がいく。
「何やってたの?」
「スキルを使ってたんだけど、効果が無くてさ」
「ふーん」
「というかなんでお前は突っ込まないんだ?」
「・・・生き物は日々学ぶものなの、同じ失敗はしない」
「なるほどね」
そこまで会話がいくとゴーレムがすぐ近くまで来ていた。俺は両腕と両足に爆式を付与したナイフを投げ、起爆させる。
しかし、効果は全く無かった。
思った以上に硬い。なら火力を上げるのみ。
さらに、ナイフを投げ今度は、数倍ほどの火力で爆発させた。だが、ナイフが刺さっていた場所に穴が出来ていただけだった。
そこで嵐が斬りかかろうと動く。嵐が爆発に巻き込まれないように一旦ナイフを投げるのを止め、ライトニングに切り替える。しかし、ライトニングが真っ直ぐ飛ばなかった事を考えると、嵐に当たる可能性がある。ライトニングはだいぶ火力が高そうだったから、真っ直ぐ飛ぶまで使うのは止めとくか。
ライトニングを使うのを中止し、爆式を付与した剣を出す。これで奥まで刺して起爆してやる。
一応、嵐にも渡しておく。俺の剣術じゃ刺せない可能性があるからな。
「こいつをゴーレムの間接部分に刺したら一回下がれ、そしたら、もう一本渡す。それで爆発したら、また刺してきて」
「分かった」
「無理はするなよ」
嵐は右、俺は左と別々の所から突っ込んでいく。
ゴーレムだと思ってあまり速いと思ってはなかったが、以外に速い。しかも、避けるタイミングをミスると俺は真っ二つになるだろう。
まず最初に、嵐がゴーレムの左手に上手いこと剣を刺したらしいので抜かれる前に起爆する必要があるため、一度下がる。
剣を高火力で起爆させ、見事ゴーレムの腕が外れた。そして、もう一本の剣を渡す。
「後三本だな」
「そうね」
そして、また突っ込んでいく。今度は俺が右手の間接に剣を刺し、下がる。
「起爆するから、一旦下がれ!」
「私はまだ刺してない。だからそれは、下がる理由にはならない」
「いや、爆発に巻き込まれる可能性があるから、下がって欲しいんだけど」
「・・・分かった」
流石に仲間を爆殺するほど俺はヤバくないので、出来るだけ仲間を攻撃したくないのだ。素直に従ってくれて良かったよ。
嵐が下がって来たのを確認し、起爆させる。しかし、右手は健在していた。
左手が破壊出来たのなら、右手も出来ると思ったが、左手を破壊出来たのは、ただの老朽か?一応両足を試してみようとは思うが、効かなかった時の事を考えなければ。
爆式を付与した剣を取りだし、残った右足を狙う。俺が持っているのが、最後の爆式を付与したものである、確実に決めなければ。
そして、ついに右足に剣を刺すことに成功。下がって起爆したが、老朽化していないからか、破壊は出来なかった。
ん?今さらだが、何故四肢を攻撃しているのだろうか?本来の目的はゴーレムをぶっ壊す事にあるのでは。
そう考えると、四肢を攻撃するのを止め、その機動力をぶっ壊そうじゃないか。
「嵐。その剣をゴーレムの首元にぶっ刺せ。穴をこじ開けてやる」
「分かった」
嵐が突入していき、あっという間に剣を刺してきて帰って来た。そして、中の物をぶっ壊すつもりで爆発させる。
ゴーレムを倒すまでには至らなかったが、首元に穴を開ける事には成功した。後は中に何があるのかだな。
「嵐、一瞬でいい。中に何があるか見てきてくれ」
「自分でやりに行かないの?」
「それほどの運動能力があればな」
この言葉を言った瞬間、嵐の顔が歪んだのは気のせいだろうか?
「そっかぁ。じゃあ、分かった」
首元に出来た穴を見て行った嵐だが、やっぱりあいつはよく分からないやつだな。まあ、いいやつでは、あるけど。いやいや、戦闘中に考える事じゃないな。一旦忘れよう。
そんな事を考えていると、嵐が帰って来ていた。
「中に赤い球体があった。アレが多分本体」
「分かった。じゃあ、行って来る」
「いい、私が行く」
「そうか、じゃあこれを頼む」
「・・・分かった」
俺が嵐に渡したものそれは、残りすべてのナイフである。嵐には意図が読めるだろうが、一応言っておく。
「そいつを、穴の中にぶち込んでくれ!」
「分かってる!・・・よしやった」
嵐が下がってきて、爆発させる準備は整った。後は起爆させるだけ。
「これでここからは、さようならだ。じゃあな」
そう言って全てのナイフを起爆させる。次の瞬間、ゴーレムが中から爆発し、炎上し始め動きを止めた。
「ふう、やっと終ったな」
「そうね」
「まあ、お互いお疲れ様です」
そして俺は、拳を出した。それを嵐は答えるように拳を出した。これが友情ってやつか・・・やっぱりいいね。
石碑の近くにあった謎の空間には、青白い魔法陣があった。これで外に出られるのか。以外に短かったようで長かったな。
「それじゃ、嵐。行こうか」
「分かった」
そうして俺達は魔法陣の中へと入って行った。
とりあえずこれで三章は終わりとなります。次回からは四章・・・ではなく一旦翔達の方の話を書こうかと思います。タイトル考えてないけど。まあ3・5章とかにしておきます。そういえば、なんかまとめるって書いた気が・・・とりあえず次回は四章ではないです。
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