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第十二話 獣に襲われる

見張りをしているといきなり、後ろから話しかけられた。


「そろそろ代わる。だから寝てて」


そう嵐が言ってきた。代わってくれるのはうれしいのだが、いきなり音もなく話しかけられるのは、心臓に悪い。


「ありがとう。でもそういうの心臓に悪いからやめてほしい。肩を叩くとかそんなんでいいから」


「分かった。じゃあお休み」


テントの中に入ってもいないのに、そんなことを言われてしまった。とりあえず早く寝るか。


「お休み~あまり遠くに行くなよ」


そう言ってさっさと寝た。




次の日の朝、嵐が夜明けが始まった頃に起こしてくれたので、ちゃんと起きられた。飯を食い、テントをしまって今いる山を下りて行った。道が無かったら迷子になっているだろうが、迷わずに進めている。


しかし、これはいつまで続くのだろうか?下手したら一ヶ月ぐらいかかるかもしれない。でも流石にそれはないか。でも森の中を永遠に歩いているのは、疲れる。

しかも今は昼時だが飯を節約しなければならないので、昼飯なんて食べていられない。


嵐は疲れていなさそうだが、俺は疲れているので、適当な岩の上で休むことにした。


「疲れるのが早い」


「人間なんでね。バテやすいんだ」


実際俺はバテやすい。長距離走をするして終わった後には、皆よりも呼吸が乱れている。ここまでは普通だと思う。しかし、タイムが遅いのである。逆に短距離は速いのだがな。


10分ぐらい休憩して登山を再開する。向かいの山までまだ遠い。魔獣は襲ってくる気配がないが、前見た時よりも多くなっているが気のせいだろうか。


もう10時間も歩いている。もうダメだ。疲れた。なんで嵐は疲れてないんだよ!今日はここらへんで寝るか。


さっさとテントを出し、夕食を食べる昼飯を食べていないからだろうか?美味しく感じてしまった。


昨日は月に照らされていたので、足元が見えていたが、今は隠されていてよく見えない。原始的な方法で火を付けようとしたのだが、全く出来ず10回目でようやく火が付いた。

その後そこら辺で拾った木の棒で燃料を補給しながら炎を見ながら、見張りをしていた。草木を掻き分ける音や、遠吠えが聞こえる。どこから襲われるのか分からないので、少し怖い。



何事もなく嵐と交代して、睡眠を取った。




朝起きて飯を食べ、歩いて休んで日が落ちてテントを立て見張りをして寝る、というサイクルをもう何日もしている。流石に疲れた。どこかで休んだり、見張りを押し付ければいいのだろうが、それはちょっと嵐の負担が大きく出来ない。嵐も疲れ始めている。これで襲われでもしたら、たちまちやられてしまうのがオチだろう。


やばい。眠気が襲ってくる。今日はもうここら辺で寝ようかな。


なんて、ダラダラとテントを出していると、魔獣が現れた。


流石に、前まで襲ってこなかったんだから、今回も襲ってくる訳がないだろう。


そんなことを思っていると、魔獣の数が増えて行く。止まったと思えば、20匹以上はいる。

これ完全に俺たちが弱るところを狙って、尾行してやがったな。


急いで、嵐の手を掴んで魔獣のがいない方向へと走る。魔獣はそれを合図にしたように追いかけてきた。


「何いきなり。痛いんだけど?」


「お前も走れ!後ろを見ろ!喰われたくないだろ!」


嵐はめんどくさそうに後ろを見る。しかし魔獣を見た瞬間手を振り払って、思いっきり走り出した。なんだこいつまだそんな力が残ってたのか。


チェイスを続けるが、魔獣の方が速く、どんどんと追い詰められていった。ついには山道から外れて、崖の方まで来てしまった。


圧倒的ピンチである。ここまで来ると戦うしかながいが、疲れ過ぎてあまりやりたくないし、しかも魔獣には精神攻撃は効かないらしいので、剣で闘うしかないのだが、この数を相手にするのは、2人じゃキツすぎる。どうせ囲まれて、背中から噛まれるか、質量に押されてしまうかのどちらかしかない。


剣を振り回せばいいという提案が出てきそうだが、今正面にいる魔獣はかなり大きく2メートルは軽く超えている。しかも、大半の獣は80キロとかいってるから。剣を振り回しているだけじゃ隙が多いしそこら辺の、岩にでも当たって、刃がダメになるか、最悪折れるか。この剣が折れるとは思ってないが俺の腕が折れるかもしれないので、剣を振り回すことはしない。


アイテムボックスから嵐の刀を出して投げる。それを嵐が大事そうにキャッチする。


「それで身を守れよ」


そう言って、剣と短剣を持つ。この2本でいけるか分からないが、やるしかない。


先頭の魔獣が俺に飛びかかってきた。俺は左に避けるが、もう一体が目の前にいた。


あ、これ終わったわ。俺は魔獣に剣を振り下ろそうとするが、読まれていたのか、その魔獣は俺の胸に向かって突撃してきた。


突撃された勢いで、頭を岩にぶつけてしまったのか、クラクラする。視界もよく見えなくて、魔獣がどこにいるのかが分からない。しかも意識を保てなくなってきている。もうダメだ。意識が遠のいて行く・・・。

魔獣に精神攻撃は効かないというのは、あいつらが精神を持っていなくて魔力のカスが獣の死体に取り憑いたものなのなんです、生前の習性などが、影響されてああなっているだけなんです。


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