第75話〜冥界を去る〜
(ここでネロを仕留めて置くべきか?我はどうすればいい……)
実はエレボスは、ネロのことを本当の兄のように慕っていた。が、ネロが死んだと聞いた時、どこか自分の妬ましく思っていた部分がようやく死んだと思ってしまい。ネロの死を喜ばしく思っていた。まだ、その時までは……
いつしかあの時の喜びは消え、死についての悲しみしか残らなくなった。
そのうえ新しく就いた魔皇は、自分がネロを殺したと我に言ってきた。そのときのエレボスは心の内に言葉で表せない殺気を秘めていた。
その時にエレボスはふと自分を振り返ってみると、ネロのことがやはり好きであった、そして、そのときには抑えてた殺気が魔皇が冥界を去ったあとに爆発し、エレボスは冥界を半壊させかけた。その時のエレボスの破壊衝動で産まれたのがケルベロスである。
その後は冷静になり冥界の繁栄に力を入れたがどこか心どこかに穴が空いたような感覚がずっとあった。
そして今、零と会った時、喜びよりも疑問が自分を襲った。
なぜ生きているのだと……
「さらばだ、ネロ、自我をたとえ取り戻そうと、いや貴様の望むままにするといい。願わくば貴様を誰かが理解する者が現れてくれ……」
俺は少し冥王の方へ振り向く、なぜかその冥王は悲しげな顔をしていた。
「気をつけてな、ネロ、いや零……魔皇は強大な野望を抱いているぞ……」
魔皇だと?ネロは魔皇じゃないのか?
少しばかり痺れているせいで上手く体の自由が効かない。
俺も突風に飛ばされながら門に入る。
眩しく門の中が光り、俺は目を閉じる。
目を開けるとそこは、俺がアスタロスと戦っていた場所だった。
「地上、なのか?」
俺が辺りを見渡すと、そこにはソフィアとリリスの姿が。
「何ここ!ボク、寒くも暑くもない!」
「レイ、戻って来れたんだね!それよりこの子はだ〜れ?」
「リリスだ、俺をソフィアの元へ連れってってくれた悪魔だ。俺より剣の扱いが上手いぞ。」
リリスは地上の環境に驚いていて、ソフィアはリリスのことを気にしていた。
それよりもレオンとエキドナだな。2人が心配だ。
「レイ、ちょこっとおじいちゃんになったんじゃない?」
「なんでだ?」
「髪先が少し白くなってるよ。」
え?俺は使うには無駄遣いかなと思いながらも魔神眼で空間把握をし、俺へと視点を写す。
まじか……ちょっと白くなってる。いや前世は白かったからいいんだよ、でも今は青だからな〜。じいさんになった感じがする。
そんな茶番はさておき、レオン達だな、瞬間移動で……
あれ?
「瞬間移動、なんでだ?」
「どうしたの?」
まさか、冥王エレボスが言ってた通り……
魔術が使えない……
「魔術が使えなくなった……」
「まさか、冥王に?」
慌てた表情でリリスが俺に尋ねる。
「あの魔絶破壊、本当に魔術を破壊するとは……」
俺は、一通り魔術を試したが、
虚空も使えなかった。
これから俺は……
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