第6話〜始動〜
「……・・・」
「ここはどこだ……」
あたりを見渡すと見るもの全てが燃えていて、人は血を流し、あるものは泣いていて、またあるものは剣を握り目に映るものを殺し尽くそうとして、またあるものはそのものを殺そうとしていた。
(なんだこれは……)
俺は近くにいた、綺麗な白髪の女性に話を聞きに行こうとした。よく見ると歳は俺がと同じか、少し上。
「何があった?」
女性は返事もせず俺すら見ない、肩を掴み必死に聞こうとしたが……
(触れない…)
俺は人に触れることさえできず、誰も俺を見えていないようだ。そもそもこれは俺なのか?
するとその女性が、
「やめて…もう・・・」
「もうやめて・・・レ……」
そのとき俺の視界が真っ暗になり目が覚めた。
(夢なのか?)
夢にしてはあまりにもリアルだったが……
まぁいい、ヒュドラとの戦いの傷も癒えて魔術の実験も終わった。
俺は再度計画を見直す。
(決行は真夜中、12時)
この村の1番強い村長の息子グラドを1番最初に殺しそこからこの村の人間を火属性魔術で皆殺しする。
何故グラドを先に殺すかというと、逃亡を防止して俺という存在を隠すためだ。これは始まりにすぎない……
俺の攻撃の、いや復讐の狼煙だ……
使う魔術も決めている、炎獄、熱を凝縮して対象のみを燃やし尽くす対人特化の魔術だ。
この村の村民56名、だが、実際に炎獄で殺すのは55名だ、グラドは俺が暗殺するから。
もしやつが炎獄にスキルなどで耐えられるというミスを犯さないためだ。
そうして計画の最終確認を終えた……
ー深夜12時
俺はグラドの家に潜入した。
グラド寝ており侵入には気づいていないようだ。俺はグラドの周りを思念創造と地属性魔術で石膏ボードを何層にも覆い音が漏れないようにして、火属性魔術でグラドを焼く、石膏ボードは燃えないし音を漏らしにくい素材、グラドは誰にもバレずに殺せるだろう。
そうしてグラドを殺し俺は炎獄を使いこの村の住民を燃やし始めた。
耐性を持たないものは即死、だか、ある程度の耐性のある男はもがき苦しみ、悲鳴をあげているものが何人かいた。俺はこのことを後悔していない……
グラドをすぐ殺れたのは思わぬ誤算だったな。
生まれ故郷だが、俺は住人を誰一人知らないし、思い入れもない。下調べをして、グラドぐらいは知ってたがな。ただ清々しい気分だ……
村を燃やし尽くしたのを確認して俺はこの村を去ろうとした時、何か声が聞こえた。
「待って!」
そこには今朝の夢で見た女性より少し若い、白髪の女性がいた。女性というのもおかしいがどこか夢の人と似ている、ようなん
「誰だ?」
俺は短剣を作り、女に向ける。
「助けてくれてありがとう」
(は?何を言っている?)
「何を言っているんだ?」
「私……」
彼女は自分が何者かと俺に説明してくれた。
殺すのは話を聞いてからでもいい。何故かそう思ったんだ。
どうやら彼女も俺と同じ待遇生まれた時から髪の色が違った。宗教上の問題もあるらしい……でもだからって許すつもりも生かすつもりもなかっただろうがな。そして彼女はそのせいで奴隷のように扱われていたようだ。俺はおじいさんがいてくれたが、この子はずっと独り《ひとり》そして誰も自分のことを普通の人だと思ってくれない。そんな彼女に俺は自分を重ね合わせた……
そして俺は彼女に手を差し伸べた。
「ついてくるか?」
「うん!」
彼女は笑顔でそう答えた。
そして
「あなたの名前は?」
いつも見て下さりありがとうございます。
誤字脱字報告してくださると幸いです。
本編から本格的に物語が動いてくると思います
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