【番外編】
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
ローレンスを村に残し、俺たちは王都へと帰還した。
道中、ミナはずっと俺の服の裾を掴み、不安そうに下を向いていた。
「……あのね、アクトお兄ちゃん」
石畳の大通りを歩きながら、ミナが蚊の鳴くような声で呟く。
「私、やっぱり怖いよ」
ミナの肩が小刻みに震える。
彼女はまだ子供だ。
世界から拒絶される恐怖、化け物扱いされる孤独を、本能的に恐れている。
俺は足を止め、ミナの前にしゃがみ込んだ。
「ふむ。お前の不安はこうだろう」
俺は彼女の瞳を真っ直ぐに見つめる。
「『自分は呪われた力を持っている。普通の人はそれを気味悪がるはずだ。だから、新しい場所でもきっと嫌われるに決まっている』……図星か?」
「あ……」
ミナが目を丸くする。
「す、すごいね……。心が読めるの?」
「顔に書いてあるだけだ。……だが、その心配は無用だ」
俺は立ち上がり、目の前の大きな建物を指差した。
「ここが俺のギルド――『天与の原石』だ」
王都の一等地に構える、石造りの重厚な館。
その扉を、俺は迷わず押し開けた。
ギィィィ……。
「戻ったぞ」
俺が声をかけると、ロビーにいた数十人の視線が一斉にこちらへ向いた。
一瞬の静寂。
ミナが「ひっ」と身を縮め、俺の背中に隠れる。
「お、お帰りなさいませ! ギルドマスター!」
「お待ちしておりましたボス!」
次の瞬間、野太い歓声と共に、個性豊かな面々がわらわらと集まってきた。
剣士、魔導師、拳闘士。
彼らは俺の姿を確認すると、すぐに後ろの少女に気づく。
「お? ボス、その子は?」
「新しい弟子だ。名前はミナ。……『時王の神眼』を持っている」
俺が隠さずに告げると、ミナがビクリと肩を跳ねさせた。
終わった。そう思ったに違いない。
しかし――。
「マジかよ! 『時王』って、あのボスと同じ能力か!?」
「すっげぇぇぇ! 伝説級のレアスキルじゃねえか!」
「おい見ろよ、この金色の瞳! 魔力がバンバン溢れてやがる! 将来有望すぎだろ!」
返ってきたのは、悲鳴ではなく、称賛の嵐だった。
男たちは目を輝かせてミナを取り囲み、女たちは「可愛い~!」と頬を緩ませる。
「え……? あ、あれ……?」
ミナが困惑して、俺と彼らを交互に見る。
「こ、怖くないの……? 時間を止めちゃうんだよ……?」
「はぁ? 何言ってんだ嬢ちゃん。時間を止めるとか、最高にクールじゃねえか!」
「そうだぜ! うちのボスを見ろよ。その目で世界最強に上り詰めたんだぞ? 同じ力を持ってるなんて、あんた選ばれしエリートだぜ!」
彼らは口々にミナを褒め称える。
この『天与の原石』は、世間からはみ出した「異能」を持つ者たちが集まる場所だ。
ここでは、強すぎる力は恐怖の対象ではなく、尊敬の対象となる。
「な?」
俺はミナの頭にポンと手を置いた。
「言っただろう。問題ないと」
「アクトお兄ちゃん……」
ミナの目から、不安の色が消えていく。
彼女は恐る恐る、周囲の大人たちを見回した。
そこにあるのは、温かな歓迎の笑顔だけ。
「ようこそ! 『天与の原石』へ!」
「今日からあんたも仲間だ! よろしくな、ミナちゃん!」
大男が豪快に笑いかけると、ミナはようやく状況を理解したようだ。
彼女の頬が朱に染まり、パァッと花が咲いたような満面の笑みがこぼれた。
「……はいっ! よろしくお願いしますっ!」
【おしらせ】
※2/11(水)
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