苦肉の策
ガチャッ
「え、うわ、めっちゃデブってるじゃないですか。」
戻ってきて早々に暴言を吐く日奈子。
「でぶ言うな!違いますから!これ見てください!」
凜花は空になった三本のペットボトルを見せる。
「暇だったので更に検証進めときました。全部1増加でしたけどね。あはは、げふっ」
「そういうことでしたか。ありがとうございます!それにしてもすごいお腹ですね~」
「ダンジョン攻略のためですからね!努力の結晶です。触ってみますか?ぱつぱつですよ笑」
「じゃあ失礼して、おお〜(表面ぷにぷだなあ..)」
数分の間、日奈子は無言で凜花のお腹を揺らしたり、撫でたりした。
「(やっぱり少し太ってるよな~ポーションの副作用か?)」
「あの〜日奈子さん??」
「あああ、すみません。結局効率よくMPをあげる方法はわかりませんでしたね。まあ、地道にやっていきましょうか」
「ですね~」
「また新しいことがわかるかもしれないので、1週間後にもう一度集合でもいいですか?」
「了解です」
「じゃあまた来週ということで...」
「ちょっとまって下さい、立ち上がるの手伝ってもらってもいいですか..」
「まったく、実験のためとはいえ飲み過ぎですよ」
「すみません...」
ぐう〜
「...まだ食べる気ですか?」
ボタンが無くなったショートパンツを見て言う。
「ポーションだけだとおなかすいちゃうんですよねえ」
「ほどほどにしないと体型もとに戻らなくなりますよ。次会うときに豚になっていたら開発は中止にしますからね。」
「大丈夫です!ちゃんと痩せますから!いや、ポーションで膨らんでるだけなんで!」
日向子のジト目に焦る凜花
「頼みますよ。じゃあタクシーまで送りますから、後は自力で帰って下さい。」
「助かります!」
凜花は大きくなったお腹を抱えてなんとか家にたどり着いたのだった。