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無難に生きるのが俺のモットーです。  作者: よにー
第一章 氷人族の少女
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第43話 一件落着

久しぶりの投稿となってしまい申し訳ありません

やっと仕事納めもできまして時間が出来ました……

この話を書き始めてもう一年になりますね。

長かったような短かったような…;

だらだらと続けてまいりましたが読んでくださっている方々がいらっしゃるので頑張ります。

今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

来年の抱負は毎週投稿をしっかりすることです。


第43話になります

よろしくお願いいたします。





 暖かみのある悠久亭の灯りが店内を包む中、俺はテーブルに出されたカップに溜まる冷めたコーヒーを一口含んでごくりと飲み干す。


 今しがた、俺はギルバザークとの商談を一通り終えて支払いへと移っていたのだ。


「一つ、二つ……」


 そう確認するのはギルバザーク。小さい盆に乗せられた白金貨を人差し指で一枚ずつ丁寧に数えていた。


 額が大きくなるとたかだか数枚でもまるで危険物を取り扱うように慎重に枚数を確認する。まぁ一枚百万だもんな……。俺だったら六回くらい確認し直すわ。


「……白金貨四枚と、君の刀二本。確かに受けとった」


 ギルバザークは小袋を取り出して盆に乗せられた白金貨を大事そうにしまった後、邪魔になるからとテーブルの脇に立てかけ直していた天照と月詠に手を伸ばした。


 その光景を俺はただ見守り、レイナはさっきからずっと顔を顰めたまま見つめていた。


「では、少年……いや、紅桔殿。こちらの書類にサインをしていただきたい」

「あっ、はい」


 ススっと俺の前に質の良さそうな厚紙がテーブルを滑るように差し出される。


 文面には「奴隷契約証」と記載されており、レイナの名前や金額、その他注意事項などが書かれていた。注意事項に関しては返品を受け付けないだとか、購入後の奴隷の扱いに対して関与しないなど、完全に商人の元から手放したいかのようなことが記されていた。


 ここまでガッツリ書かれているというのは実際過去に色々な問題が起こった証拠だろうか。


 もしかしたら俺はとんでもないことに片足を突っ込んでしまってるのかもしれない。


 まぁ今更遅いんだけどね!


 俺は一緒に差し出されたインクの付いた羽根ペンを手に取ってサラサラと手癖で「鬼束紅桔」と漢字で名前を記入した。


「む? この文字は……?」

「あ、まずかったですか?」

「いや、問題は無いが……君の世界の文字かね?」

「ええ、まぁ……これでオニツカコーキって読みます」

「ふむ、こんな密度の高い文字を使うとは面白いものだ」


 するとギルバザークは懐から小さく細い鞘に納められたナイフを取り出した。


「では、署名の後ろの方に血判を押してくれたまえ」

「け、血判……」


 それは要するにあれですか。自分の指先をちょいと切って血で拇印を押すってやつですかい。現代っ子の俺からすれば結構勇気いるんだが?


「どうしたのかね?」

「あ、いやぁ……俺の世界じゃ血判なんてまず使わないからちょっとね……」

「はぁ……君は本当に勇者なのかね?」

「いえ違います。ただの一般人です」

「そのように堂々と言われると逆に疑わしく感じるがね」


 あれ?否定しすぎるのも良くないのかしら? でもこればかりは否定しておかないと後々面倒が降りかかるかもしれないし、意思表示は大事だぞ。


「ともかく、自分で刺すのが嫌ならば私がしてやろうか」

「えっ、いや、自分でやります」

「そうか、手早くしてくれたまえよ」


 とは見栄をきってみたものの、如何せんどうにも刺すことが出来ない。


 うーうーとうなりながら今にも指ごと落としてしまいそうな様子の俺にレイナが呆れて俺からナイフをふんだくった。


「貸して、私がするわ」

「アッハイ」


 言われるがまま、されるがまま俺は容易くナイフを手放して右手を彼女に差し出す。その光景にギルバザークは軽くため息をついた。


 慣れた手つきでレイナは壊れ物を扱うかのように丁寧な動きで俺の親指の先をぷすりとナイフで刺す。チクリと痛みが走るが注射ほど痛くはなく、本当に何が刺さった程度の感覚しかなかった。もしかするとレイナさん看護師とか向いてるかも?


 見事に指先から一滴程の血液が玉になって滲み出す。しかもそれ以上血が溢れることはなかった。


「よし、ではそこに」


 ギルバザークは指で血判を押すところを指し示す。俺は従うまま血判をペタりと押した。


指を離すとそこには俺の指紋と思われる指の型がくっきりと写りこんでいた。


「これで契約成立だ。早速奴隷の譲渡と行きたいところだが今日はもう遅い。明日また引渡しをさせていただきたい」

「お、おう」

「隷従の首輪を解除するために一晩奴隷を借りるが良いかね?」

「えっ、一晩もかかるのか?」


 今この場で首輪の主を変えたりできないのだろうか。


「私のは少し特殊な措置を施してあるからな。その魔法を見られたくない。だが安心してくれたまえ、金だけ貰って逃げるなんてことはしない。しっかり対価を支払ってくれたからその分の仕事はきっちりとする。金に嘘をつきたくは無い」

「お、おう」


 そこまで言うのならばこちらから言うべきことは何もない。


「レイナさんはそれで構わないか?」

「ええ……」


 返事をするとともに、レイナは首輪をそっと指で撫でる。目は伏せられていて表情はあまり分からなかったが、きっと喜んでいるだろう。


「では明朝、この場所に来てくれたまえ。契約証の引き渡しと首輪の契約を行う」


 ギルバザークはペンと紙を取り出し、紙面に簡易的な地図を描いた。紙を受け取り、地図を見るとどうやらアステリシアの街中ではないらしい。平原を超え、幻獣の森の近くにキャンプを構えているみたいだ。


 それもそうか、奴隷商人なんてこの街からすれば忌むべき存在だ。今のこの状況も本来ならば犯罪。国にバレないよう早く済ませようとして動いているからまだ見つかってはいない。


 ギルドではああ言ってしまったから周囲に誤解を与えているかもしれない。でも事情を知っている人も少なからずいるから便宜を図ってくれていることを願うばかりだ。


「分かった明朝だな」

「うむ、今日のところはこれで解散だな」


 ギルバザークは頷くとおもむろに立ち上がり、身支度を済ませ始める。テーブルの上に置いてあった上質な革製の小袋を手に取って胸元のポケットに入れた。


 そしてジャケットの裾を引っ張り、レイナの方を見て続けた。


「氷人族、刀を持て」

「……」

「早くしろ」


 ひとつ間を置いた後、レイナは嫌そうに席を立つとテーブルを回り込んで俺の刀の前に立った。……いやもう俺のじゃないか。


 すると俺の思考が見えているのかレイナはどこか寂し気な表情で俺の方を見た。まだ刀を売ったこと気にしてるのか……?


 俺は仕方ないとばかりに口元を笑わせて見せる。


「……じゃあレイナさん、また明日な」

「…………ええ」


 煮え切らない返事をしてレイナは二本の刀を大事そうに胸に抱えた。もう手放すのにそんな大事に抱えられると何故か罪悪感が出てくる。こんな彼女の姿をもし爺ちゃんが見たら泣き崩れそうだな。


「では、紅桔殿。失礼する」

「あ、はい」


ギルバザークは俺に軽く一礼するとレイナを連れ立って玄関へと向かう。そして玄関から出る際、ギルバザークは振り返って帽子を上げる。その視線の先は俺ではなくクアッドへと向けられていた。


そしてカランカランとドアの鐘が鳴り、二人は悠久亭を後にした。鐘の音が余韻を残す中、俺はカウンターで一人静かにグラスを磨くクアッドへ視線を移した。


「……クアッドさん」

「なんでしょうか」

「もしかしなくとも、ギルバザークのこと知ってるんですか」

「……はてね、君が思ってるほど私は物覚えが良くないのですよ」


うん、ウソだな。これ絶対知ってるやつや。んなあからさまで意味深な言い回しするなんて臭すぎるわ。


だが俺は聞かないし聞きたくない。またこれ以上ややこしくなったりすると埒が明かないからな。


「そうですか……まぁ気にしないでおきます」


なんとなしに言った俺の言葉にクアッドは返事をせず、ただ沈黙を貫いていた。だが気のせいだろうか、グラスを磨く音が少し強く響いていたような気がする。


その音を耳に入れつつ俺は席を立つと、スラさんを自分の肩に載せる。カウンターを通り過ぎる際横目でクアッドを覗きながら店の出口へと向かう。


「じゃあクアッドさん。俺もギルドに戻ります」

「はい、お疲れ様でした」

「今日はありがとうございました」

「いえいえ。無事に解放できると良いですね」


そう言われちゃ何か面倒な事が起こりそうな予感がしてならないが、軽く頷く。


「次いらっしゃるその時は、御二人でどうぞ」

「え、あ、はい?」

「記念に特別なお料理を用意しておきます」

「ど、どうも」


特別な料理……一体なんだろうか。俺にとってのご馳走と言えばすき焼きとかなんだけどそういうもんかな……。いやここ異世界だしそんなもんあるのか……。あ、でも唐揚げ定食はあったし無くはないのかも。


特別な料理と聞いて思考を一巡させるが全く想像がつかなかった。この世界じゃ俺の先入観はあてにならないからな。仕方あるまい。


「楽しみにしておきます」

「はい。またのお越しを」


深々とお辞儀をするクアッドに俺は軽く頭を下げ、扉を開ける。扉の向こう側から響く小さな鐘の音を後ろに、俺は悠久亭をあとにした。





――――――――――――――――――――――――――――





静かな夜を迎えたアステリシアの街は暖かい街灯の明かりに包まれていた。道行く人の笑顔に釣られて俺も内心ウキウキで石畳を闊歩する。


レイナさんの奴隷契約も済んでひと段落だ。あとは首輪から解放すれば彼女は文字通り自由の身だ。もうレイナさんを縛るものはなくなった。あとは彼女の気の向くままに生きていけるはずだ。


だがこのまま解放してハイさようならってのはさすがに無責任すぎるか? でもその後どうするかはレイナさん自身が決めることだし俺が首を突っ込む話でもないだろう。


まぁ彼女が一人でも生きていけるようになるまでは傍にいても問題ない……はずだ。もし下心だろとでも言われりゃぐうの音も出ないんですがね!


それに、俺が日本に帰りたいようにきっとレイナさんも帰りたいはずだ。例え故郷がなくなったとしても氷人族という種族は居なくなったわけじゃない。


きっとこの世界のどこかに氷人族が居る。そして自分と同じ人が住む場所の方へ行くのがレイナさんにとってもいいはずだ。


そう頭で思っていると何故か急に胸の奥がきゅうとなる。この感覚は……あれだ。昔の俺の黒歴史の時と似たような感覚だ。どういった感情なのかもよく分からない。


……俺ってかなりめんどくさいな。まぁ今に始まったことじゃない。俺の思いなんてものは邪魔になるだけだしな。余計なことはしないでおくのが吉だ。


自分の中で色々と言い訳をしていると肩に乗るスラさんが小さな顔を俺の頬へ寄せてきた。


「コーキ、明日レイナを解放したあとどうするの?」

「おん? あー、俺は自分の世界に帰る方法でも探そうかなって」

「違うよコーキ。レイナをどうするのって話だよ」

「どうするのって……どうもこうもありゃしない。解放したあとのことはレイナさん自身が決めることだ。俺がとやかく言うもんじゃない」

「うーん……」

「あのな、スラさん。確かに一度はレイナさんを奴隷として買ったけどそれはあくまでも解放のための手段に過ぎないからな? レイナさんを奴隷扱いするわけないだろ?」

「いや、そうじゃなくてさ」

「???」


スラさんの言いたいことが分からず俺はつい首を傾げてしまう。スラさんはもぞもぞと口ごもらせて言葉を紡ぐ。


「あのね、その、奴隷解放の話ってさ。コーキがいなかったら出来なかった話でしょ?」

「おん、そうだな」

「レイナはコーキの助けになりたいって思ってると思うんだ。ああ見えて結構義理堅い方だし」

「……そうか?」


そんな義理堅いところなんてあっただろうか。最近は角が丸くなってきたなって思うことはあった、でも俺に対しての冷たい態度は変わってないと思うんだが。


「うん。コーキの前じゃあんな感じだけど、レイナってばずっと気にしてるんだよ?」


ほーん。まぁ要するにスラさんの言いたいことってのは――――


「つまり、俺に恩を返そうとしてるってことか?」

「うん、そう。それが言いたかった」

「ふーん……気にする必要ねぇのにな」


ボロボロの格好で足を血だらけにした人を目の前にしりゃ誰だって助けるだろうに。俺は奴隷が実際どう扱われているのかをこの目で見たことは無い。だって奴隷なんてものは俺の時代じゃ空想の存在に近しい。


でもあの姿を目にしたらいてもたってもいられなかった。それだけだ。


「そんなこと言ったらレイナ困っちゃうよ?」

「困らせとけ。そのうち気にしなくなるから」

「酷いなぁ」

「酷くはねぇだろ」


スラさんと他愛ない話をしているといつの間にかギルドの前までたどり着いていた。明るい光が窓から漏れて賑やかな雰囲気が帰ってきてる。もしあの静まり返った不気味な雰囲気が続いていたら、異質すぎて二度目は入れない。というか入りたくない。


「ギルドってのはこうでなくっちゃな」


俺の独り言にスラさんは首を傾げる。「なんでもない」と言って俺はギルドのエントランスへ足を運んだ。


ガヤガヤと環境音のような喧騒が俺たちを出迎えた。皆、各々で食事をしたり、掲示板とにらめっこをしていたり、受付嬢を口説いたりしている。


さっきのことなんてもう誰も気にしていないような空気に俺は少し面を食らっていた。あれ、あんまり皆さっきのこと気にしていないのかしら……? まぁそれなら好都合だ。しれっと部屋に戻って明日に備えてさっさと寝るとしましょう。


人混みの間を細い針が縫うように俺はぬるりとすり抜けていく。そして二階へ上がる階段へ足をかけると同時に聞きなれた声が俺を呼び止めた。


「コーキくん!! ちょいまち!!」


この喧騒の中でもはっきり聞こえるくらい透き通った声を放った人物が俺を見つけたからか安心した顔を見せる。


「に、ニルハ……」

「もー、レイナちゃんとあの奴隷商人を連れてどっか行っちゃったから心配したんだよ!! …………ってあれ? レイナちゃんは?」

「あ、あー……えーと。その事なんだけどな……」

「ま、まさか……えっ、うそでしょ?」

「実はな――――――


と続けようとした瞬間、不意に俺の首元を細い腕で締め付けられた。


「んぐぇ!!!」

「おまえぇーー!! 情けないやつだとは思ってたけどまさかそういうやつだったなんて!! 見損なったぞ!!!」

「あぷぁぷ、ちょ、まっ、たんま、ぎぶ」


俺が真相を伝える前にニルハは何か勘違いをして早合点してしまったのか鬼の形相で俺の首をへし折る勢いでギュギューッと締め付ける。やばい。これは。堕ちる。


「本当に奴隷商人に返してきたなんて!! さっきはしたり顔で買うとか何とか言ってたくせに!!!! 最低!! クズ!! にぶちん!! ヘタレ!! 甲斐性なし!!」

「へぅ」


プンプンとキレながらニルハは言うだけ言いまくり、俺を確実に仕留めようと腕の力を緩めない。ああ、見える……、時が見えるよ……ララァ……。


「ちょ、ちょっと待ってニルハ! 勘違いしてる! コーキはギルバザークにレイナを返したんじゃないよ!」

「ほぇ?」

「首輪の解除し一晩だけ預かるって話になって、今はいないだけだから!」

「……マジ?」


ピタッと締め付ける腕を止めてニルハはぽかんとした表情でスラさんを見る。


「大マジだって」


するとニルハはパッと腕を離して俺の肩をトンと押し出した。やっと首元が解放され狭まっていた喉の奥が一気に広がって、入らなかった空気たちがなだれ込んでむせてしまう。


「ゲホッオホッ……」

「…………」


ニルハは「あちゃ〜……」と罰が悪そうな顔をして頭を掻きながら目を横へと流す。おい、何とか言わんか。


「おい、ニル「やぁ〜、さっすがコーキくん! 普通の人なら法を恐れて尻込みするのにレイナちゃんを買っちゃうなんて! 私たちには出来ないことを平然とやってのけるその精神力には敬意を払いたいね!」


俺が一言文句を言ってやろうとジロっとニルハを睨みつつ口を開こうとするとニルハはものすごい勢いで上から被せて早口でまくし立ててきた。こいつ、さっきまでの愚行を無かったことにしたいらしいな。


だが残念。俺は結構根に持つタイプだ。理不尽には制裁を。やられたらやり返す。そしてやり返した分が十倍になって帰ってきて袋叩きに会うのだ。いや、やられてるじゃねぇか。


ジーーーっと俺は白い目で見続けていると居心地が悪いのかニルハの額から頬へ伝う冷や汗の量が滝のように流れる。


そしてついには折れたのかニルハは頭を下げ、両手を自分の前に合わせて謝罪した。


「ごめん!! 許して! あんなにレイナちゃんのこと大事にしてたのに連れて帰ってこなかったから、うっそでしょ!と思ってしまいました!!」

「…………」


深々と下げられた頭からは彼女の誠心誠意の気持ちが滲み出ている、気がする。


しかし何も言わない俺にニルハは焦ったのか沈黙を生み出すまいととにかく言葉を紡いだ。


「え、え〜と……アッ、そういえば首輪解除のためにレイナちゃんを一晩だけ預かるってことはさ、コーキくん彼女を買えたんだ!」


あたふたと手をわたわたさせながら、ニルハは焦燥を入り混ぜた苦笑いをした。


「まぁね。でも奴隷を買ったことが国にバレたら俺は即刻独房行きだろうけどな」

「あー……そうかもね。でもここにいる冒険者たちはコーキくんのことを応援してるんだよ? 今まで君がどういう風に彼女へ接してきたのか見てきてるし、フィリアが皆に事情を話したからさ」

「お、おう……」


いつもいつもフィリアには世話をばかりかけてしまっていて非常に申し訳なくなってくる。今度なにかしらファンサでもしてあげるべきだろうか。


そんなことを考えつつ俺はニルハのせいで登りそびれていた階段にまた足をかけなおした。


「あれ、もう休むの?」


夜は始まったばかりだとでも言いたげにニルハは俺の背中を見て首を傾げる。


「ああ、明日早朝に奴隷商人の所行ってレイナさんを迎えに行かなきゃなんでな」

[そっか。ヒーローさんは大変だね〜]

「そんなたまじゃないけどな」


ニルハの冗談を軽く受け流し、軽く手を上げてみせる。


「じゃな」

「うん、またあしたね」


そう言って俺はニルハと別れたのだった。

次回投稿は1月7日予定になります


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