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2-6.シューリン村へ

 途中、襲ってきた魔獣を倒しながら、ケルンタウンに着くと、ヒュンケルたちはエルやキャラバン隊と別れてシューリン村に向かった。

「ここからは歩きで一日はかからないと思うけど・・」

 アリサがヒュンケルを気遣いように言った。

「足なら自信があるから。それに初めてのところは転移出来ないが、見える範囲なら転移出来る」

「便利な魔法ですね」

 ヒュンケルは人目につかないところで転移魔法を使い、歩く距離を減らした。


 シューリン村に近づいていくと、立派な馬車が向かってきた。

「あれは貴族の・・いえ、王族の馬車だわ」

 馬車の前に乗馬騎兵が十人ほど、後方にも十人ほどの乗馬騎兵が並んで歩いてくる。

「やり過ごしたほうがいいだろう」

 そう思っていると、森の方からドアボーグが数体現れた。

「姫を守れ。馬車を後退させろ」

 いきなり現れたドアボーグにあわてふためく騎兵たち。

「ドアボーグが馬車を襲うなんて考えられないわ」

「きっと誰かが操っているんだ。コーリンタウンの町に向かってきたように。シズ、そいつを探してくれ」

「はい」

 シズは転移してどこかに行った。


「王族に恩を売っておくか」

 ヒュンケルは飛び出していくと、襲ってくるドアボーグを倒していった。

 ドアボーグを倒すと、新たなドアボーグがやってきた。

「何体操っているんだ。魔法は出来るだけ使いたくないから」

 ヒュンケルは大剣クラナリを振り回してドアボーグを倒した。アリサも剣でドアボーグを倒した。


 ◇


 シズは森の隅に居る男を発見した。

「あなたがドアボーグを操っているの?」

「なにもの」

 突然現れたシズに驚いた男が身構えた。

「それはこっちが聞きたいわ」

 男はシズに

「ファイヤーアロー(炎の矢)」

を放ってきた。シズはそれをマジックバリヤー(魔法障壁)で防いだ。

「おまえも魔術師か」

「何者かこたえなければ、こんどはこっちから攻撃するわよ」

 すると男は土壁をつくって防御しようとした。

「シャイニングブレイズ(閃光)」

 シズが土壁を壊すと、男の姿が消えていた。

「逃がさないわ」

 シズは男の気配を察知すると

「テレポーション」

 男の前に姿を現した。

「ふぇ」

「殺されたくなかったら、白状しなさい」

「俺はシャルティーナ第二王女を始末するように雇われただけだ」

「誰から?」

 シズは男に手先を向けた。

「ユールゴク卿だ。見逃してくれ」

「だめね」

 シズは男を手にかけた。

 馬車に向かってきていたドアボーグが我に返ったように森に消えていった。

「シズが操り主を倒したか」


 ◇


 馬車から降りてきた貴婦人が

「助けてくれたこと、礼を言います。冒険者ですか?」

とヒュンケルに聞いた。

「まあ、そのような者です」

 従者の騎兵士が

「こちらはルウォール国の第二王女、シャルティーナ様だ。頭が高い」

とヒュンケルに言った。

「え?ルウォール国の王女?・・そう言われても、俺は旅の者。ルウォール国には関係ない」

と言い返した。

「関係ないだと?」

 騎兵がヒュンケルに剣を抜こうとすると

「いきなり切り捨て御免とは、痛めつけておいたほうがいいかな」

とヒュンケルが魔法を発動しようとすると

「やめなさい。この方は私たちを助けてくれたのです」

と騎士をいさめた。

「無礼を謝ります。ありがとうございました」

 シャルティーナはヒュンケルに頭を下げた。

 シャルティーナの馬車が去ると

「まったく、地位のある者たちは権力を振り回すものだな」

とヒュンケルはあきれた顔をした。

「ヒュンケルさんは、誰にも動じないんですね」

とアリサに言われた。

「媚びる必要はないだろう」


 シズが戻ってきて

「ヒュンケル様、賊を倒しました。ユールゴク卿から襲うよう頼まれた魔獣士のようでした」

と報告した。

「わかった。ごくろう」

 ヒュンケルは

「ユールゴク卿って知ってる?」

とアリサに聞いた。

「いえ、私は王家や貴族については、父からも聞いてないのでわかりません」

「そう」

 ヒュンケルたちはシューリン村に向かった。


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