7話 家に第一王子のご来場ってやばやばあ!
「ごめんなさい!」
翌日。インプ家のドアの前、ミリが俺にしか聞こえない声で頭を下げて謝ってきていた。
「お兄様だけにはバレてしまいました」
隣には金髪の凄くイケメンなかっこいい好青年がThe貴族と言う感じの綺麗な白い服装で腰に装飾の施された剣を携え立っていた。
この方がミリ……王女の兄と言うことは王子……十歳位の子に秘密を守るのはやはり難しかったか。
「君がチリン・インプくんだね」
王子は俺を見て話し掛けてきた。
冒険者をやっている仕事に出る前の父がこちらに来た。
「あの……とても高貴な身分の方とお見受けします。大変申し訳ないのですがどちら様なのでしょうか?」
王子はピシッと姿勢を正す。
「申し遅れました。ラーナァ国第一王子のオラリス・ラーナァと申します。以後お見知りおきを」
お父様、後にいた母様も目を見開き後退る。まだ二歳の妹は何やら分かっていないようだった。
ラーナァ国はこの村をも両地下に収めているとても大きな国で権力もある。他国にも一目置かれているそうだ。昨日夜聞いた。
父はおどけながら丁寧に話した。
「それでどのようなご要件で……家何かしちゃいましたかね……」
「いやいや」
オラリス王子は笑顔で返す。
「家の妹に友達ができたと聞いてね。それは仲良くしてくれたと言うことで一秒でも早く会ってみたいと思ったのだよ」
父は俺を見る。
「な、なにか家の子がやらかしましたかね?」
「いやいや……変な意味ではないんだ。安心してください」
「よかった」
父も母もふーと息を吐く。
「友達を作れとは言ったがまさか王女様だったとは……」とボソリと父が言う。「あれ……?」と不意に首を傾げた。
「あの……ラーナァ国の第一王女のミリシアル・ラーナァ姫と言えばご病気ではありませんでしたか?」
おっと不味い。
「つい前に治ってこの村にも来ていたんだ」
「そうなんです」
ミリもオラリス王子に合わせて話す。
「なるほどそうでしたか、それは何よりです」
躱せた……オラリス王子は隠してくれるつもりらしい。これは助かる。
「チリンくんともっと話がしたい外に連れ出してもよろしいですかお父さん?」
「あーはい、全然、構いませんよ」
俺は父に背中を押され行けよ行けよと言わんばかりの待遇だった。
俺はオラリス王子が先ゆく後をミリと共について行った。
◆◆◆
家から少し離れた誰もいない木の影になる所に来た。
オラリス王子が深々と頭を下げる。
「お礼を言わせて欲しい妹の病気を治してくれてありがとう」
「いえいえ頭を上げてください」
下げた頭を上げる。
「それでも、どうしてバレたのミリ?」
「ミリ? そう読んでいるのか」
「あ、そうです」
「そうか」
俺はミリに振り返る。
「で」
「……最初は聖女様の魔法が後になってから効いてきた! と話したのですが……その後も何度も何度も色んな治癒師に診てもらって来てしまっていたので、やっぱり……皆誰が治したのだと信じてもらえず」
「ほー」
「そしたらお兄様が治ったのだから良いではないかとその場を収めてくれたのは良かったんですがその後別室で……」
オラリス王子が口を挟見たそうにしていた。
「あ、あ……それ以上は……その……」
「『どれだけお前のことを心配していたと思っているんだ!! 皆からのお前への思いを無下にするのか!?』など言われてしまいそれで……話を」
オラリス王子が少し恥ずかしそうにしていたがかっこいいじゃないかと俺は思った。
「なるほどね……」
他の人たちがこのまま引き下がってくれるかも怪しいな。
オラリス王子は息を整え俺を見て言う。
「でも国民への発表もある。だが君はまだ小さいいくつなんだ?」
「五歳です」
「天恵についてはざっくり聞いたが世間に話すにはまだ幼い、どうにか私も妹に協力して隠してみるよ」
おお! それはありがたい!
「ありがとうございます!」
「うん……因みに天恵を見せてもらうことってできないかな?」
「ん? ヒールですか? 何処か具合でも悪いんですか?」
「いや、ほんとにどんな魔法でも使えるようになるのかなと思って」
「見たらなりますね、後触らなければなりませんが物も新品の状態で出せますよ」
「え! 物も!?」
「え! そうなんですかチリン」
オラリス王子とミリが目を見開く。
「……うん」
「例えばこれとかはどうだ?」
オラリス王子が自分の指にはまっているでかい宝石の付いた指輪を前に出した。
やけに高そうと言うか凄そうだ。まー俺のことを隠してもらうのだからこれぐらいやってみるか。
「できますよ、ではちょっと失礼して」
俺は指はをちょこんと触れウィンドウを出し無料無限課金の新たに追加された今の指輪を購入した。
ビビッと俺の手のひらに同じ輝いた指輪が出た。
オラリス王子がその指輪を見る。
「なっ!」
「出ました」
「触っても?」
「いいですよ」
オラリス王子は指輪を手に取り回転させたり何やら試していた。
「どうです?」
「本物だ……うん……君のチリンくんの天恵は人前に出すにはやはり効果が強すぎるね。これ後何個出せるんだ?」
「恐らくいくつでも大量に出せますね」
「な……これ妹にも上げていいかな? 相手から身を守る防御の魔道具なんだけど」
そうだったのか。
「全然いいですよ」
俺は数個追加で指輪を出し二人に渡した。
話は一通り済み。
「今日は手見上げもなしに突然押しかけて済まなかった私も慌てていてね。次来るときは必ず何か持ってくるよ」
「いえいえ……」
また来るのはちょっとなー……控えていただきたいなー目立つし。
「それではまた」
「私も一旦帰るねチリン」
ミリとオラリス王子が帰って行った。
大変なことにならなければいいけどなー。
俺は家に戻る。
◆◆◆
翌日。
「済まない! 父や母、城関係者にはバレてしまった」
ミリの隣にいるオラリス王子は家の玄関で俺にだけ聞こえる声で謝罪してきた。
デジャブってやつだ…………。
ここまで読んできたあなたは凄い!!!! と言うことで(と言うことでなのかな?)後三話でこの一編が終わりになります! 後ちょっとで次の編ですよ!!
この編の名前『始まりの編』か『最初の編』か、なんて名前にしようか悩んでいるんですがどうしましょうか……。
それでは!! また編終わりで!




