6話 極大魔法ってやばあ!
「え、治す?」
「そう。極大魔法のヒールを使おうと思うんだけど」
ミリは悲しそうに言う。
「あーそれはダメだったの」
「え?」
「ハナラ・インプさんって言う聖女様にね頼んでやってもらったことがあるの。でもダメだった。そう言えば同じインプだねチリン、聖女様とは従姉妹?」
「そ、そう」
「ありがとうね」
「え?」
「聖女様に頼んでくれようとしたんだよね。でももうやったんだ」
「あ、いや」
はにかむ俺を見てミリは不思議そうに首を傾げる。
「違う……俺が使うんだ」
「……え?」
「できればミリにはこのことは内緒にしていて欲しいんだけど、ダメかな?」
「内緒? 別にいいよ死人に口なしだからね!」
「いや死なないかもよ……従姉妹の聖女様の極大魔法って完璧に発動していたわけじゃないでしょだから多分効かなかったんだよ」
俺はウィンドウを開く。無料無限課金のハイイセイクチュア・オーアル・マキシマヒールの欄に説明が読めるボタンがありそこには全ての傷と病気を治すと書いてある。
その画面をミリが覗き込む。
「何そのステータス画面……」
「俺の天恵なんだ。誰にも言ってないから秘密にして欲しい」
「う、うん……?」
「無料無限課金って言ってね一度見た魔法は使えるようになるんだ」
「へぇー?」
「聖女様の魔法も完璧じゃないとはいえ一度見たから使えるようになってるんだ。まー逆に聖女様みたいに出しかけとか威力を弱めたりとかができない所があるけどね」
「ん、ん、ん?」
ミリは困惑したようにおどける。
「まー言われても分からないよね兎に角治るか使ってみよう」
「うん……」
「いくよ」
「うん」
俺は『ハイイセイクチュア・オーアル・マキシマヒール』の無料と書いてある購入ボタンを押す。
するとミリの体が緑色に強く光りだした。
「え、うわっ!」
そのまま強く強く光だし大きく辺りを飲み込むような巨大さでミリの体を癒していく。
ズーーンと光が舞う。
……ちょっと長いけど平気かな?
光が収まっていく。
「ミリどうだった?」
「え……えっと」
ミリは自分の体を触りぴょんぴょんと跳ねた。頭を振ったりもしている。
「凄い……治っちゃった……頭の気持ち悪さとか嘔吐感とか体がスッキリしたのが分かるよ!」
「そ、そんな具合悪かったんだ」
「うんそうだよ」
「なんか魔法使わせて悪かったね」
「別にいいよ好きでやってたんだし……」
ミリはぽかんと口を空けている。
「治っちゃった……本当に……」
俺はそんなミリを見ていた。
「これ隠さないといけないんだよね。どうしよう治ったことなんて言えばいいだろう」
「うーん……」
「極大魔法で治ったって言っても聖女様で治せなかったのは皆知ってるし……」
「そうなんだ……」
「私王女だし」
「そうなんだ……ん?」
俺は聞き捨てならないことを耳にしてしまったかもしれない。
「王女?」
ミリは顔を少し浮かばせ上目遣いで許してとばかりに言ってくる。
「ご、ごめんね私本当はミリシアル・ラーナァって言ってラーナァ国の王孫で第一王女なの」
「へーーーー!! そっか!!」
「う、うん」
「まーそうならそうでもう仕方ないよね!」
「まーありがとう!」
「くっ!」
俺は苦し紛れの声を発する。
国かー俺そう言うのまだ調べてないからなー全然分かんなかったなー。
「私の天恵も珍しくて普通は知ってるんだけどね……と、取り敢えず家に帰って何とか誤魔化してみるよチリン」
「そっか……何とか頑張ってくれ……」
天恵で普通は気づけたのか……俺、言葉遣いとか直したほうがいいのかな不敬罪かな。
日が落ちてきた。
「そろそろ私帰らないと」
「そうですか」
「ん、二人の時は今まで通りの口調で良いからね」
「そっかオッケー」
足軽にミリは離れていく。大きな声で話し合う。
「またね、また来るわ!」
「分かったー! 帰り一人で平気なのー!?」
「近くまで迎えが待ってるから平気よー!」
「分かったーじゃー!」
手を振り俺たちは別れた。
第一王女か……騒ぎにならないといいが……。
その後王家ではこの事が騒ぎになるのをまだチリンは知らなかった。




