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天恵:無料無限課金で魔法も仲間も全てが課金し放題ってやばあ!  作者: 舞白茎
始まりの編

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5話 初めての友達から魔法を学ぶってすごーい!



 五歳になった俺は家から出て父の言う通り友達探しへと旅立った。


 ここは田舎の村、自然豊かで川も多く麦が世界一獲れると噂の場所である。

 金色に光る麦畑が陽気と共に心を温かくする。


「友達ねぇ……」


 前世で友達がいなかった訳じゃない。いたよ友達ぐらい。でもその友達って基本学校で見つけるじゃんっ。いきなり外に出て見つけられるものなのかねぇ……疑問だわぁ。


 そうそう、無料無限課金の商品の表示範囲なんだが地面を触ると土が何gかに分けられて表示された。流石にこの星ごとはされなかった。何でかは分からない。星ごと出せても困るけどね。


 俺は道なりにとぼとぼ歩みを進める。

 まだ身体も小さく思うように速く進めないが景色を楽しみながら歩いていく。


「ふーんふーんふーん」

 

 鼻歌交じりに歌う。

 何の曲でもない即興の歌。


◆◆◆


 結構な距離を歩いてきた。


「誰も見つからないんだが」


 野原が広く続く丘まできた。木が一本立っていた。何がしたいとかではないが何となくその木に近づく。  

 すると前に金髪の長い髪を風に靡かせる小さな女の子が座って麦畑の広大な土地を眺めていた。

 まるで風たちも少女の眺めを応援して作り出しているようだった。


  女の子はこちらに気づいていない。

 年齢は……流石に俺より上かな? 十歳くらいかな? どうしよう……誰も見つからなかったしここで声かけなかったらもう誰にも会わないで今日が終わる気がする。


 俺は勇気を出して声をかけることにした。


「あ、あの……」


 女の子がビクッと肩を震わせこちらに振り向いた。


「え? あ、どうも」

「え、えっと……どうも」


 二人の間に無言の風が流れる。

 

「何かご用ですか?」

「あーいやそのあのえっとそのー……えーー……」


 ん? と女の子は少し訝しげながら首を傾げる。


 んーー不味い。コミュ障が出てきてしまっているぞ。俺、何を話せば良いのか分からないがここは正直に話してみるか。


「あの俺、家にずっと一人でいて、そんな俺の姿を見た父親から今日友達作ってくるまで帰ってくるなって言われているんだ。だから……友達になってくれませんか?」


 女の子は少し考えて答えた。


「いいよ」

  

 その返事は風と共にとても透き通る優しい声だった。


 ま、先ずは自己紹介からかな。


「俺はチリン・インプ。君はなんて呼べばいい?」

「私は……ミリって読んで」

「分かったミリね」

「うん!」

「今何してたの?」


 目の前の景色を見て答えた。


「この村の作物や空なんか見てたそがれていたわ」

「そうなんだ」


 まーそうだよな。当たり前のことを聞いてしまった。


「ごほっ」

  

 ミリが咳をする。


「大丈夫? 体調悪いの?」

「うんうん、大したことないから気にしないで」

「そっか」


 ミリはその場で立ち上がった。


「何かしようかずっと座っててもつまらないよね。私も丁度相手が欲しかったんだ」

「うん」

「うーん……何しようか」

「俺何も持ってきてないや」

「私もー」


 うーんと俺たちは悩む。


「私ができることといったら魔法ぐらいだけどまだ君には早いかな――」

「え! 魔法っ!!」


 俺は声を荒げ食いつく。


「う、うん魔法」

「見たいです!」

「分かったよ」

 

 押され気味のミリは魔法を使う。

「ミディアウォーターボール」

  

 そういった後、手のひらからボウリング玉位の水球が出てきた。


「あれ、詠唱は?」

「私天恵で魔法の詠唱は省略できるんだ」

「凄いねその天恵!」

「……う、うんでしょ!!」


 何かを誤魔化すように笑顔を見せてくる。


「知らないんだね……」

「ん?」


 俺は少し考えるが何も分からなかったので気にしないことにする。


「他にも魔法見せて欲しい」

「いいよ」


 それから色んな魔法を見せてもらった。


「ミディアファイアーボール」

「ファイアーブレス」

「ファイアーターンランス」

 

 様々な炎系魔法。


「ウォーターストリーム」

「ウォーターランスレイン」


 凄まじ威力の水魔法。


「ミディアウッド」

「ミディアアース」


 木や土を操る魔法まで教えてもらった。

 他にも色々だ。


「ごほっごほっ」


 ミリは苦しそうに咳払いする。


 まだ若いのに咳するって事は体が相当弱いのかな。


「無理しないで」

「ありがとう……インプは魔法使えないの?」

「俺はー……先ず詠唱覚えるところからだね」

「そうだよね普通は」


 ははとミリは笑う。


「ごほっ! がは!!」


 手で口を抑えるミリ。その手には赤い血が付いていた。トラックに跳ねられた時のことを不意に思い出す。


 血っ!


「ミリ……」

「……」


 ミリは俺の方を向いて話す。


「ごめんなさい本当は私病気なの」

「そっか……それなのにどうして外なんか出てるの? 家で安静にした方がいいんじゃない?」

 

 ……少し黙ってからミリは言う。


「私の病気はもう治らないの……それにもう直ぐ死ぬから」

「え……」

「あと一ヶ月位でって言われたのだから動けるうちに生きたい所に全部言っておきたくて、ここ、麦畑が一番多く取れる所なんだって凄いよね」

「うん」

「だから……見てみたくて……」


 俺は余命わずかの少女と話していたのか。この子はまだ十歳くらい俺の精神年齢と比べたら凄い年の差だ。きっと死ぬのが怖いんだろう。

 

 風が吹く。まだ日は沈んでいないがかなり時間が経っていた。

 結論、きっと今の俺ならこの子の病気……いや全ての病気を治せる。二年前に見た従姉妹の極大魔法。完璧では無いとはいえ見たことに入るらしく俺の無料無限課金のページには追加されていた。

 それを使えば治せる。だが、それをすればこの子は驚き世間にバレれば今まで通りの暮らしはできないかもしれない。

 ミリは友達になってくれた。

 魔法を教えてくれた。

 何より助けられるのに助けないなんて選択したらきっと後悔するし、しなくてもきっと心に引っかかり続けて行くんだろう。

 

 そんなのは嫌だ。

 俺はこの子の病気を治すことに決めた。


「ミリ……」


 ミリが振り向く。


「ミリの病気治してみようか?」


 丘の上、大きな木が一本立つ下で誰もいない二人きりの中、俺は言った。



 

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