4話 聖女ってすげえ!
聖女と言うハナラ・インプさんには名前にインプと家と同じ名前が入っていた。
近くに母さんがいて妹をベッドで見ていた。
「母さん、ハナラさんの名前、インプって言うけどどういうこと?」
「ハナラさんはね父さんの兄の娘で貴方の従姉妹に当たる人よ」
「ほーー……」
親戚だから見舞いに来てくれたと言うことか。
「それで聖女っていうのは?」
「それは私が話しましょうか?」
聖女様が話に入ってきた。ニコッと笑顔で俺を見てから口を開く。
「こんにちはチリン、覚えていないでしょうが貴方が産まれて以来なんですよ」
「こんにちは……」
「私は聖女と言っても天恵が、全てのヒールが使えるというもので皆からチヤホヤされてるだけの存在です。それに魔法が使えるかも魔力が足りるかは別の問題ですからね」
「そうなんですか……」
綺麗な佇まいで両手を握り優しく話し掛けてくれる。
その後妹に手を合わせ祈りを捧げる。その時扉が叩かれ外から人が入ってきた。その人は片腕と片足を無くした男の人だった。
「済まないここに聖女様がいると聞いて……」
「あら……」
ハナラさんはその人に近づき体を触って確認した。
「分かりました治療しましょう」
「本当ですか!?」
男は目を見開き喜んだ。ハナラさんは優しくその男性に微笑む。
「怪我をしている人はこの村ではこの人だけでしょうか?」
ハナラさんは周りの俺たちにも聞く。
「事前に聞いている話だとそうです。ハナラさんが来ると言う事で村の人にも話しておきました」
ハナラさんは男に向き直る。
「これほどの治癒となると私の魔法も魔力回復の兼ね合いから一日に一回しか使えないのでご了承を」
「はい、ありがとございます」
男は片足が無く立って居づらい中、深く頭を下げる。
「ルーチスさんここでやっても?」
「あーいいですよ」
「では」
ハナラさんは目を閉じ男に手を添え詠唱を始めた。
「せせらぎの癒しの波動を身に浴び神の神々しさにも叶う強き優しさを心から願い、緑陽と成りて天から地上へともたらし我等をお救い彼方よりその輝きをお見せください……ハイイセイクチュア・オーアル・マキシマヒール!」
手が一瞬強く輝くがその光は直ぐ消えてしまう。
その後男の腕と足がニョキニョキ再生していった。男の手足は元に戻り完全に治った。
「極大魔法のヒールです……が魔力が足りず発動して直ぐに消えてしまうのですがそれでも私が使える一番効力の強い回復魔法です」
「ぁぁ゙ぁ゙……」
男はその場で涙を流した。
「ありがとうございます! 本当にありがとうございます!!」
深く何度も頭をハナラさんへと下げる。
「いえ直せてよかったです」
ハナラさんは最初こそ笑顔だったが俯きどこか悲しそうな表情を見せた。
俺は母さんに気になる事を聞く。
「母さん極大魔法って何?」
もーと言ってつられて涙ぐんでいた母は少し怒りながら話してくれた。
「魔法には小魔法、中魔法、大魔法、特大魔法、極大魔法って順番に魔法には呼び方があるの、でも極大魔法なんて普通数百人が同時に同じ魔法を唱えて発動できるかどうかの魔法なんだから今回始めだけでも見れて幸運なのよ」
「ほーーなるほど!」
ハナラさんは笑顔を作り俺たちに挨拶して家を出ていった。
◆◆◆
五歳になりました。
あれから二年経った。母のおなかは膨らみ何と二人目の妹が産まれたのだ。
元来俺は家にいるのが好き派だ。
そしてずっと家にいる俺は父親から言われてしまった。
「そろそろ外に出て友達でも作ってきなさい! それまで家には帰ってきてはいけません!」
晴れた気持ちの良い天気の下、俺は家から少々旅立つことになった――。




