12話 いきなりの旅立ちってやばあい!
今俺は馬車に揺られていた。ミリの時の様な豪華な馬車じゃない。木造の使い古した馬車だ。
「ガタガタガタガタ」
足場の悪い砂利道を進んでいく。今は夜で辺りは暗い。
ちょっと間の空いた隣には昨日嫁ガチャで出会ったレアーニが大事そうに杖を抱えながら父と母に守られるように挟まれて座っていた。
里まで連れていくと言っていたがいつ着くんだろう……。
馬車に乗ってから数時間……既にお尻が痛くなってきていた。
くっ! このまま下手に出ていても埒が明かない! ここは一回強気に出てこっちも言いなりじゃないことを示してやらないと!! 強気に言ってやる!
俺は意を決して聞く。
んっ!? とレアーニパパに睨まれる。
「あの〜里っておっしゃっていらっしゃいましたが、ご気分を害さないようであれば、私にもいつごろつくか教えてはいただけないでしょうか?」
俺は頭を低く手をくねくねして聞いてしまった。
「獣人の里までは一ヶ月は掛かる」
一ヶ月……!!
俺はゆっくりと自分の安住のテリトリーに戻り……。
え、一ヶ月……まさかこのまま一ヶ月も馬車に揺らされ移動するのか。数時間で尻がダイナマイトに変貌し始めてるってのにか!? 嘘だろ……。
俺は驚愕して言葉も出ない状態だった。
既に夜遅くお腹がすき始めていた。隣ではレアーニたちが干し肉のようなものを食べている。
あのー……俺の分は?
いきなり連れてこられたので勿論食べ物は持ってきてないし金などもすっからかんである。
さっきので萎縮してしまった俺はチラチラと見ては目で訴える作戦に出た。
が、食べ終わった三人は目を閉じ始めてしまった。
おいおいおいおい嘘って言ってくれよー。俺の飯は無っしブルってー!? そんなのあるー?
目を閉じそっぽを向く三人家族を俺は見る。
ダメだ。飯無しだ。と言うかもしかして、あわよくばこの旅の途中で俺が餓死して死ねばいいとか思ってるんじゃないだろうな。飯どころの話じゃなくなってきましたよ!
俺は顎に手を当て真剣に考える。
甘い考えはダメだ。生き抜くんだ俺! この過酷な現状を乗り越えるんだ! ……。
俺はウィンドウを出した。
と言うことで無料無限課金に、頼りますか。
さーーて何にしようかなー飯。今ちょっと寒いんだよなー。
もう人目は気にしていられない。俺はウィンドウから物を出す。
いやー前世で触っといて良かった。
パックになっている物を手に持つ。
この湯沸かしボックス!! それとみんな大好きカップラーメン!
俺は湯沸かしボックスを説明を読みながら手順通りに作っていく。そして暫く待ち温まったお湯をカップ麺に注ぐ。因みに俺はカップ麺の待ち時間は一分派だ。
割り箸もウィンドウから出し。一分はあっという間に経った。
俺は蓋を空ける。その瞬間空腹もあってか涙が零れそうな程の美味しそうな匂いを醸し出した。
う~~〜〜うまそーーーーーーう!!!!
レアーニ家族が匂いに気づき目を開けこちらを見た。
俺はよだれがたれぬ前に割り箸を割り麺を啜った。
くーーーーーーーーーーーー!!!! うまい!!!!
タレの濃厚な味が、麺に絡まりそもそも麺が出来立てのようで美味かった。
スープを俺はちょっとだけ飲む。
そのちょっとが俺の舌を唸らせるのには十分な味だった。
うまーーーーーーーーーーーーわい!!!!
「ガタン」
馬車が揺れる。
そうだカップ麺出しちゃったし過度に科学的な物以外の他のは出しちゃってももういいか。
ウィンドウを開き尻に敷けるクッションを出した。
それを見ていたレアーニ家族は「なっ」と言葉を漏らし目を見開いた。
クッションを尻に敷き優雅にカップ麺を啜る。異世界だが最高だ。
まー出したものは消せないからどっかで捨てなきゃいけないがゴミ箱探すか。
こうして俺のレアーニ家族と牽制し合う急な旅は始まったのだ。




