作戦会議
「二回、俺を思いっきり殴ってくれ」
俺がそういった瞬間、論ちゃんのパンチが顔面に炸裂した。
「躊躇なしかおい!?前が見えねぇ!」
事実目の前がチカチカしてる。星ってホントに飛ぶんだな……。
「次、二発目」「漣も殴る!」
「誰が2人で殴れと言った!?2回殴ってくれと言ったんだ!」
星が飛ぶ視界で2人の拳を視認できないまま俺は
その拳×2をきれいに避けてみせた。
「……?」「お、おお?兄、凄いねー」
「あ、ありがとよ。どうやら覚ますには強い刺激が一番らしい」
意味を理解しかねてか、怪我をしていない方の拳を握りしめたままの2人は揃って首をかしげる。
「要するに俺の長所は視力だけってことじゃないってことだな。じゃあ、早いとこ霧さんを助ける作戦の話をしようか。
まず必要なのは敵――クラウディアの注意を霧さんから逸らすこと。これは俺が担当しよう。怪我を負った2人じゃあ効果は薄そうだし、そもそも怪我人にそんなことをさせるつもりもないしな。それに、今までにこれといったアクションを起こしていない俺がやった方が多少は期待できるだろ?次に武器。今この領域に存在する武器の数も把握しておく必要がある。確か……8つだったか。敵のを含め、だけどな。まあ、使えるものはうまく使っていこうよ」
早口で説明しつつ、俺は霧さんに渡された狙撃銃の弾を確認する。さっきと同じ閃光弾(?)が装填されていても役に立たないだろうし。あ、でもフラッシュ目的でないならば普通の弾として使えるかな。
「時間もないし、質問には答えていられない。運びのサポートは基本俺に合わせて臨機応変に。それで2人に頼む役割だが――」
「その前に」
「ん?何か――」
ガシっと漣ちゃんに体をロックされる。体の構造を熟知しているのか、体格差があっても俺の体がピクリとも動かず振りほどけない。そこで目の前に……論ちゃんの2発目の拳が、そして炸裂。
「もう殴らなくていいんだよ!元々2発目は躱す予定だったし!」
「……人の気も知らない、のに」「論姉、泣いちゃだめよぅ?」
論ちゃんは俺の襟首を掴んでぐいっと自分の顔の方へ俺の顔を近づけた。鼻と鼻がぶつかりそうな距離だ。
「絶対に、無理はしないで」「無茶無理無謀は論姉と漣の専売特許よ」
「……ああ、まかせとけ。では改めて2人の役割を言うぞ。まず漣ちゃんには――」




