遺したもの
俺には銀髪青目の人間に心当たりがあった。
この街の領主であり、元白金級冒険者のハーラ・アインツバッハという名の性獣だ
俺はハーラの事を調べた
公式にはハーラは功績により、第三王女を妻にめとったと言われているが、実際のところ、王女の方が惚れ、父親である王様にハーラの妻になる事をねだったらしい。
しかし、結婚してからもハーラの女遊びはおさまらず、妾も数人いたそうだが、何故かその全員が不振死しているという。
また、庶民との浮いた話も多かったハーラには、自分の子供はハーラの子供であると訴える女性もいたそうだが、その全てが子供と共に行方不明となっているそうだ。
王女は嫉妬深い性格らしい。
巷ではそれらは全て王女に殺されたと噂だ。
また、ハーラは懲りずに不義を繰り返し、病を貰った末に、もう、子を成せないとも
そして、俺はカトレアを本当の子として育てて行く事を決めた
そんな物騒な所にこんな小さい子供を送るなど出来ない。
カトレアの事を思えば俺が、きちんと目の届く所で育て無ければならなかった。
いや、違う。
これはズルい言い方だ。
半年一緒に暮らし、俺はカトレアに愛着というものを感じていた。
そのカトレアを手放したくないだけだ。
あのクソ野郎にカトレアまで奪われたくないだけだ。
俺に着いてこさせ、何時魔王に殺されるかわからない旅に同行させるより、領主の娘として暮らした方が幸せに暮らせる可能性は多分にあるだろう。
俺がカトレアを手放したくないという、ただのエゴの為の言い訳でしかないかもしれない。
そうわかっていても、俺はカトレアを手放す事は出来なかった。
アイーシャが俺に残した、たった一つのものだったから




