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【連載中】社畜OLの私が乙女ゲームの悪役令嬢に転職しました。でもイケメンの第一王子にむらがる女たちを対決してざまあして溺愛されます。  作者: 久坂裕介
第一章 貴族令嬢と対決

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第四話 貴族令嬢シズ

 そうして私は自分の部屋で、勉強を始めた。先生は中年ちゅうねんの、女性だった。お昼までは、このカヒリ国の歴史を勉強した。そして昼食を食べて午後三時までは、現在の政治状況せいじじょうきょうなどを勉強した。それによるとこのカヒリ国の現在の財政ざいせい状況は、あまりよくないようだ。そうして今日の勉強は、やっと終わった。


 そうして時間に余裕よゆうができた私は、この屋敷やしきを歩き回った。ここは部屋の数が二〇以上もある、大きな屋敷だった。なるほど。確かにゲームの設定では、エマはこのカヒリ国で一番裕福(ゆうふく)な貴族の令嬢れいじょうと言う設定だったな……。


 そして私は自分の部屋でこれからどうするべきか考えていると、ドアがノックされてメイドの声がした。

「エマ様。カイト様とお客様が、いらっしゃいました」


 お客様? 一体いったいだれだろう? でもそんなことよりも、またカイト様がきた?! なのでテンションが爆上ばくあがりした私は、早速さっそく客室きゃくしつに向かった。するとそこにはカイト様と、一人の女性がいた。な、何この女?! カイト様と一体、どういう関係?! その女は髪は金色で肩までの長さで目はながで、そしてピンク色のドレスを着ていた。私がその女に警戒けいかいしていると、カイト様がその女性を紹介しょうかいしてくれた。

「エマさん。こちらは貴族令嬢の、シズ・サキヤさん。明日の私たちの婚約披露こんやくひろうパーティーに出席していただきますが、まずは私に挨拶あいさつにこられました。そして次にエマさんにも挨拶をしたいそうなので、おれしました」


 シズ・サキヤ! 私はその名前を聞いて、動揺どうようした。なぜならシズはこの乙女おとめゲーム、『だれでもプリンセス』でプレイヤーが選べるキャラの一人だからだ。ゲームでの設定は、このカヒリ国で二番目に裕福な貴族の令嬢だ。そしてゲームでは、初心者が一番選ぶキャラだ。なぜならシズはこの国で一番の美人という設定で、ゲームを攻略こうりゃくしやすいからだ。つまり私からカイト様を、うばいやすいからだ。


 実際、私もこのゲームをプレイして最初に選んだキャラが、このシズだった。そして見事みごとに悪役令嬢のエマから、カイト様を奪って婚約してゲームはハッピーエンドで終わった。もちろんエマは、カイト様から婚約破棄こんやくはきされた。でも今は、私がエマだ。確かにシズは強敵きょうてきだが、何とかカイト様を奪われないようにしないと。


 と私が警戒していると、何とシズは微笑ほほえみながら私に挨拶をした。

「このたびはカイト第一王子とのご婚約、おめでとうございます、エマさん。もちろん私も明日の婚約披露パーティーに出席して、あらためて婚約をお祝いしたいと思います」


 お? 何だ? シズは以外に、良い娘なのか? いやいや。そう言えば、これがゲームでのシズの設定だった。この国一番の美人で、性格もいい。だから悪役令嬢のエマよりも、シズの方がカイト様の婚約者にふさわしいという意見もある。ううむ。やはりシズは、強敵だ……。


 そして私は、思い出した。なぜシズがカイト様と、一緒いっしょにいるのかを。このゲームをスタートさせると、まずは私とカイト様の婚約披露パーティーの前日から始まる。つまり、今日だ。そしてプレイヤーは選んだキャラで、まずはカイト様と会う。婚約披露パーティーが行われる、お城でだ。そこでプレイヤーは、色々な行動をする。カイト様と話をしたり、食事をしたり。


 それから今のようにカイト様の婚約者である私に、挨拶をしたり。そうして翌日よくじつの婚約披露パーティーで私と対決して、自分の方がカイト様の婚約者にふさわしいとアピールする。それが上手うまくいけば、れてプレイヤーのキャラクターがカイト様の婚約者になる。うーむ。こうして考えてみると、プレイヤーのキャラの方が悪役のような気もする。他人の婚約者を、奪うんだから。でもまあ、そういうゲームだから仕方しかたが無い。


 と私が考えていると、カイト様はシズに告げた。

「それではシズさん。再びお城にもどりましょう。シズさんは私たちの婚約披露パーティーに出席される大事なお客様なので、先ほどはお城の中を案内しましたが今度は明日の段取だんどりを説明させていただきます。それではエマさん、また明日お会いしましょう」


 そしてカイト様は、この場を離れた。するとシズは、カイト様の後をついていくはずなのになぜかここに残った。あれ? どうしたんだろうと私が考えていると、シズは悪い顔になった。

「先ほどカイト様とお話ししましたが、やはり素敵すてきな方でした。エマさん、あなたにはもったいないほどの。なのでカイト様は、私がいただきますわ」


 カッチーン。何よ! 堂々と人の婚約者を奪うと宣言せんげんするなんて、やっぱりシズの方が悪役だわ! でも、いいでしょう。そこまで言うのなら、勝負をしましょう。どちらがカイト様の、婚約者にふさわしいか! そしてシズと私の真ん中で、火花がった。ほうっておいたらこの屋敷が火事になりそうな、激しい火花が。だがシズは、余裕の表情だった。

「それでは勝負は、明日つけましょう。それでは」


 そう言い残すとシズはクルリと振り向いて、この場から離れた。その後ろ姿を見つめて、私は対抗心たいこうしんを燃やした。な、何よ! あの女、やっぱり気に入らないわ! きっとこれがあの女の本性ほんしょうで、カイト様がいた時はねこかぶってたんだわ! よーし。私はがぜん、やる気になった。あんな泥棒どろぼう猫には、絶対に負けないわ! 猫を被っていただけに! よし! 上手うまいこと言った!

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