表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載中】社畜OLの私が乙女ゲームの悪役令嬢に転職しました。でもイケメンの第一王子にむらがる女たちを対決してざまあして溺愛されます。  作者: 久坂裕介
第一章 貴族令嬢と対決

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/17

第三話 眼福

 と自称じしょう守護女神しゅごめがみに怒りを覚えた私だが、冷静に考えてみた。とにかく私は乙女おとめゲーム『だれでもプリンセス』の、悪役令嬢あくやくれいじょのエマに転職してしまった。転職と言うことは、ずっとこの世界にいるわけではないだろう。何かの条件をたせば、元の世界に帰れるだろう。その条件は、あの自称守護女神から聞き出すしかない。なので私は食堂を出ると、この屋敷やしきの中で自称守護女神を探しまくった。だが、見つからなかった。お、おのれ。あの自称守護女神め……。


 すると私は、自称守護女神の言葉を思い出した。私が元の世界に満足していないようだから、転職させると。つまり私がこの乙女ゲームの中で満足すれば、元の世界にもどれるのでは?! うん、きっとそうだ。そしてこの世界で満足するには……。うん、やっぱりアレしかないだろう。私が明日の婚約披露こんやくひろうパーティーで女性キャラと対決して勝って、第一王子のカイト様をうばわれないことだ! うん、きっとそうだ! そうすれば元の世界に戻れるはずだ! よし、がんばるぞー!


 と私は何をするべきかハッキリしたので、心に余裕よゆうができた。するとこの屋敷に、庭があることにも気づけた。なのでちょっと、庭に出てみた。すると赤、黄、白色などのバラがいていた。ちょっとかおりをかいでみると、甘い香りがした。ふーん。ここはゲームの中なのに、ちゃんと花の香りもげるんだ。そう言えばお腹もいたし、そして朝食を食べたらお腹がいっぱいになった。朝食の味も、ちゃんとした。うーん。ゲームの中なのに、不思議だ……。


 と私が考え込んでいると、ふと名前を呼ばれた。り返ってみると黒い衣装いしょうを着たメイドと、何とカイト様が立っていた! メイドは、冷静に告げた。

「エマ様。午前十時なので、お茶の時間です。そして本日も、カイト第一王子がお見えになっています」


 そう告げるとメイドは一礼いちれいして、この庭から離れた。その代わりに、カイト様が近づいてきた! スタイルはスラリとして身長が高く、紺色こんいろ正装せいそうだ。そして髪は黒で、軽くパーマがかかっている。目はながすずで、どう見てもイケメンだ! なので私はそんなカイト様を、ガンした。うーん、眼福がんぷく、眼福。目の保養ほよう、目の保養。私はちょっと近眼きんがんだが、何だか目が良くなった気がする!


 と私がカイト様をガン見していると、カイト様はさわやかに微笑ほほえみながら私のとなりに立った。そして赤いバラを一輪いちりんちぎり取って、私に差し出した。私がそのバラを受け取ろうとすると、しかしカイト様はそのバラを引っ込めた。

「エマさん。あなたにこのバラを差し上げようと思いましたが、止めました。あなたの美しさの前ではこのバラもかすんでしまうので、あわれに思えたからです……」


 その言葉に、私はい上がった。え、何ここ? ホストクラブなの? カイト様は実は、ナンバーワンのホストなの? 何、ドンペリ? ドンペリを入れればいいの?! と私がドンペリを入れるために黒服くろふくを探していると、カイト様は私の右手を取った。

「さあ。それではいつものように二人きりで、紅茶を楽しみましょう」

「は、はい……」


 と私とカイト様は、この屋敷の客室きゃくしつに向かった。丸くて白いテーブルをはさんで座ると、メイドが紅茶をカップにそそぎにやってきた。だがメイドはあやまって、私の黄色のドレスに紅茶をこぼしてしまった。私はハンカチを出して紅茶をきながら、恐縮きょうしゅくしているメイドに告げた。

「あ、いいの、いいの。紅茶は私が拭くから。それよりもあなたは、紅茶をカップに注ぎなおして」

「は、はい! すみません!」


 するとメイドは紅茶を入れて深く頭を下げて、この客室から出て行った。なので私はカイト様に、紅茶を勧めた。

「さあ、カイト様。冷めないうちに、紅茶をいただきましょう」


 だがカイト様は、私の右手をにぎって私をジッと見つめた。そして、告げた。

「ああ、エマさん。あなたは、確かに美しい。でもミスをしたメイドにまで気をつかう、心配こころくばりが素晴すばらしい。あなたは外見がいけんだけでなく、心も美しい。だから私はあなたと、婚約をしたのです……」


 そしてカイト様に、右手のこうに優しくキスされた私はい上がった。この世界、サイコー! ここはゲームの世界みたいだけど、全然かまわない! 一生いっしょうここにいてもいいかも! と思えるほど。そして私とカイト様は、明日の婚約披露パーティーについて話し合った。お客さんにどんな料理を出すか、私はどんなドレスを着るかなど。それらの話し合いが終わるとカイト様は、この客室を出て行った。

「それでは明日の婚約披露パーティーを、楽しみにしています。それでは」と言い残して。カイト様を見送った私は、決心した。明日の婚約披露パーティーを、絶対に成功させてやると!


 と私が意気込いきごんでいると、再びメイドがあらわれた。

「紅茶をげさせていただきます、エマ様。そしてこれからのお勉強も、がんばってください」


 は? お勉強? 何それ? と疑問に思った私は、メイドに聞いてみた。

「あ、あの。お勉強って、何? 何を勉強するの?」

「はい。このカヒリ国の歴史や、現在の政治状況せいじじょうきょうなどです。カイト第一王子とご結婚されてきさきになられるのなら、そういう教養きょうようも身に着けていただく必要があるので」


 う、そういうことか。だが確かにカイト様の妃になるのなら、そういう教養も必要だろう。ゲームの世界にまできて勉強するのはハッキリ言っていやだけど、この試練しれん、乗りえて見せるわ! 私とカイト様の愛の力で! オーホッホッホッホッ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ