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【連載中】社畜OLの私が乙女ゲームの悪役令嬢に転職しました。でもイケメンの第一王子にむらがる女たちを対決してざまあして溺愛されます。  作者: 久坂裕介
第二章 友好国の王女と対決

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第十五話 エカデのお祝い

 私はもちろん、エカデを警戒けいかいした。この男は俺様系おれさまけいで、何をするか分からないからだ。

「な、何よあんた?! 一体いったい、何しにきたの?!」


 すると何とエカデは、私に向かって頭をげた! な、何?! 一体、どういうつもり?! するとエカデは、丁寧ていねい口調くちょうで話し始めた。

「カイト第一王子とのご婚約こんやく、おめでとうございますエマ様。なのでささやかながら私に、そのおいわいをさせてください」


 お、お祝い?! 何それ、どういうこと?! こいつはカイト様から私を、うばいたいんじゃないの?! と私が警戒していると、エカデは挑発ちょうはつしてきた。

「ほう。私からのお祝いを、おけにならないのですか? それはつまり、自信が無いのですか? つまり私からのお祝いを受けてしまうと、カイト様よりも私の方にれてしまうとお考えですか?」


 カッチーン。そうか、そうくるか。今回は、そうくるか。いいでしょう、そこまで言うのならお祝いを受けましょう! でも私はもう、明日の婚約披露こんやくひろうパーティーで素敵すてきなカイト様と正式せいしきに婚約しようと決めている! この私の決心を、変えられるものなら変えてみなさい! なので私は、冷静れいせいに答えた。

「いいでしょう、エカデ様。私はつつしんであなたからのお祝いを、お受けしますわ」


 するとエカデは、さわやかに微笑ほほえんだ。

「ありがとうございます、エマ様。それでは、どうぞこちらへ」


 とエカデは、右手を私に差し出した。私がその右手に左手を差し出すと、エカデは私の左手を取りこの屋敷やしきの出口に向かった。だがその途中とちゅう、早くも私の心はれ動いた。な、何なのさっきの爽やかな笑顔は?! こいつ、あんな爽やかな笑顔もできるの?! と。 そしてエカデはこの屋敷の前に止めてある馬車に、私をエスコートした。それは二頭の黒い馬が引く、立派りっぱな馬車だった。


 そしてエカデは、私に告げた。

「さあ。それでは先に馬車にお乗りください、エマ様。レディファーストなので」

「え、ええ……」


 と私が馬車に乗りむと、その次にエカデが乗り込んだ。するとやはり私の心は、揺れ動いた。レ、レディファースト?! こいつ、こんなこともできるの?! こいつはただの、俺様系じゃないの?! 私は揺れ動いた心をかくすために、エカデに聞いた。

「それで、どんなお祝いをしてくださるのですか?」

「はい。まずは、演劇えんげきをごらんいただきたいと思います」

「え、演劇?!」

「そうです」


 そしてエカデは、この馬車の御者ぎょしゃに告げた。

演劇場えんげきじょうまで頼む」


 すると御者の「はい」という返事が聞こえて、馬車は走り出した。そしてレンガづくりの建物の間にある石畳いしだたみをガタゴトと十分ほど進むと、馬車は止まった。私はエカデに左手を取られ、馬車をりた。すると目の前には、赤いレンガ造りの半円形の大きな建物があった。その大きさに私は思わずいた。何これ、でっか?! ここ、ゲームの中だよね?! ゲームの中に、こんな大きな建物があるの?! 


 するとやはりエカデは私の左手を取り、エスコートしてくれた。

「さあ、ここが演劇場ですエマ様。早速さっそく、入りましょう」

「え、ええ……」


 と演劇場に入った私は、再び引いた。奥にステージがあり手前てまえ観客席かんきゃくせきがあるのだが、そこが大勢おおぜいの人でくされていたからだ。な、人が多い! これ全部、ゲームの中のキャラなの?! ああ、あれか。いわゆる、その他大勢たおおぜいってやつ? でも、こんなに多くのキャラがいるなんて。それに私がゲームをプレイした時には、演劇場なんて無かった。うーん、不思議だ……。


 と私が考え込んでいると、エカデに声をかけられた。

「さあ、エマ様。もうすぐ演劇が始まります。一緒いっしょに、楽しみましょう」

「え、ええ……」


 そして、演劇が始まった。まずは、二人の男女が出てきた。男性はイケメンで、女性は美人だった。二人の会話から判断はんだんすると、二人は平民へいみん幼馴染おさななじみだ。そして二人は小さなころから結婚の約束をしていて、大人になった二人はいよいよ結婚すると言う。


 だがそこに、その国の王子があらわれた。王子は女性の美しさに一目ひとめぼれをして、その女性と結婚したいと言い出した。二人の家はただの農家のうかで、まずしかった。だからその女性は王子と結婚すれば裕福ゆうふくな生活ができると考えて、王子と結婚した。


 だが王子との結婚生活は、苦しいモノだった。実は王子には愛人が何人もいて、しかもその女性はお城のメイドに平民の出身だと毎日まいにちいやがらせをされた。そしてその女性はそんな生活にえきれずに、とうとうお城を飛び出して自分の家にもどった。


 するとそんな女性を、幼馴染の男性は受け入れた。自分を裏切うらぎって、王子と結婚した幼馴染の女性を。そうして二人は結婚して、今度こそ幸せにらしたというストーリーだった。そんな演劇を見せられた私は、考えた。こ、これは……。


 すると私のとなりに座っていたエカデは、つぶやいた。

「やっぱり王子と結婚しても、幸せになれるとはかぎらないんですねえ……」


 やっぱりかーい! これは私にカイト様と結婚しても、幸せになれないのでは? とまどわせる作戦かー! この、策士さくしめー! だが演劇が終わったので、私とエカデは再び馬車に戻った。するとエカデは、御者に告げた。

「次は、宝石店ほうせきてんに行ってくれ」

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