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【連載中】社畜OLの私が乙女ゲームの悪役令嬢に転職しました。でもイケメンの第一王子にむらがる女たちを対決してざまあして溺愛されます。  作者: 久坂裕介
第二章 友好国の王女と対決

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第十三話 お姫様抱っこ

 でも私は、カイト様が客室きゃくしつに行くことにした。やはりカイト様を待たせることはできないし、それに私は自分の気持ちを確かめたかった。私はカイト様とエカデの、どちらを選ぶのか。私が客室の入ると、すでにカイト様がいた。私とカイト様は白いテーブルをはさんで、座った。そして、挨拶あいさつを交わしあった。

「おはようございます、エマさん。今日は明日の、婚約披露こんやくひろうパーティーのことを話し合いたいと思ってきました」

「はい、そうですね。そうしましょう」


 そうして私たちはメイドが用意してくれた紅茶を飲みながら、明日の婚約披露パーティーについて話し合った。パーティーにきてくれたお客さんには、どういう料理を出すのか。私は、どんなドレスを着るのかなど。でも私は、うわのそらだった。私はカイト様とエカデの、どちらを選ぶべきか考えていたからだ。するとカイト様は、聞いてきた。

「どうしました、エマさん? さっきから何か、ボーッとしているようですが?」


 マ、マズイ。私はついカイト様とエカデのことを考えていて、ボーッとしていたようだ。だがまさかそのことをカイト様にいうわけにはいかないので、私はウソをついた。

「申し訳ありません、カイト様。実は私は、ちょっと寝不足ねぶそくなんです。やはり明日の婚約披露パーティーのことを考えていたら緊張きんちょうしてしまって、昨夜さくやはあまり眠れなかったのです……」


 するとそれを聞いたカイト様は、心配そうな表情になった。

「寝不足ですか、それはいけません。もう私が話したいことは話したので、エマさんは少し休んでください」


 そしてカイト様は立ち上がり、私のとなりに移動してきた。そして私に、告げた。

「エマさん。ちょっと立ってみてください」


 え? カイト様は一体いったい、何をする気なんだろうと疑問に思いながらも私は立ち上がった。するとカイト様は右腕を私のひざの裏に、そして左腕で私の背中をささえて私をき上げた。ま、まさかこれはお姫様ひめさまっこ?! するとカイト様は、説明した。

「寝不足で疲れているエマさんを、一人で部屋に行かせる訳にはいかないので。なのでこのままエマさんの部屋まで連れて行きたいのですが、どうでしょうか?」

「は、はい……」


 そうしてカイト様は私をお姫様抱っこしたままこの客室を出て、屋敷やしき廊下ろうかを歩き私の部屋に向かった。その途中とちゅう、私は考えた。カイト様は私をお姫様抱っこするほど、腕力わんりょくがある。つまりカイト様にも、男らしさがあると。そして私の部屋の前に着くと、カイト様は私を廊下にろした。

「まさか結婚前の女性の部屋に入る訳にはいかないので、これで。それではエマさん、ゆっくりとお休みください」


 そう言い残してカイト様は、この屋敷の出口に向かった。私はその後ろ姿を見ながら、決心した。やはり私が選ぶべきは、カイト様しかいないと。カイト様は、誠実せいじつで優しい。それだけでも十分、男性として魅力みりょくがある。でも、男らしさに欠けると思っていた。エカデのような、強引ごういんな男らしさが。


 でも強引なのは、男らしさだろうかと考えた。それは相手の気持ちを考えない、ただの自己満足じこまんぞくではないだろうか? その点、カイト様は違った。カイト様はちゃんと私に意見を聞いてから、私をここまで運んでくれた。カイト様のたくましい腕力で、私をお姫様抱っこしたまま。


 この二人のどちらが男らしいかと言えば、それはあきらかだ。明らかにカイト様の方が、男らしい。なので私は、決心した。やはり私はカイト様と、正式せいしきに婚約しようと。と私がそう決心していると、メイドが中年ちゅうねんの女性の先生を連れてきた。

「エマ様。これから、勉強のお時間です。やはりカイト第一王子と結婚してきさきになられるのなら、妃にふさわしい教養きょうようを身に着けていただく必要があるので」


 そうして私は自分の部屋で、中年の女性の先生から教養を学んだ。それによると我がカヒリ国の農民は技術力が高いので、パンの材料になる小麦粉こむぎこがたくさんれるということだった。だが剣やよろいを作る、職人しょくにんは少ないと言うことだった。そして昼食をはさんで、午後はこのカヒリ国の隣国りんごくであるイカナ国についての教養を学んだ。それによると我がカヒリ国とイカナ国は、昔から友好関係ゆうこうかんけいにあった。


 そのため現在でも二つの国の国王同士こくおうどうしの、交流こうりゅうがある。そしてイカナ国の職人は技術力が高く、品質が良い剣や鎧を作っている。ただ農民は少なく、パンの材料になる小麦はあまり採れないということだった。


 そうして午後三時になると、やっと勉強が終わった。なので私が自分の部屋でくつろいでいると、ドアがノックされてメイドの声がした。

「エマ様。お客様がお見えになりました」


 お客様? 一体、だれだろう? そう考えながら私はドアを開けて、廊下ろうかに出た。するとそこにはメイドとカイト様と、見知みしらぬ女がいた。その女は黒髪を肩まで伸ばして愛嬌あいきょうがある可愛かわい顔立かおだちで、真っ赤なドレスを着ていた。誰? この女? と私が考えていると、カイト様がその女を紹介しょうかいしてくれた。

「エマさん。こちらの女性はイカナ国の王女、ナコ・イカナさんです。明日の私たちの婚約披露パーティーに出席して、おいわいしてくださるそうです」


 それを聞いて、私は身構みがまえた。出た! 友好国ゆうこうこくの王女! もちろん私からカイト様をうばおうとする女だ!

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