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【連載中】社畜OLの私が乙女ゲームの悪役令嬢に転職しました。でもイケメンの第一王子にむらがる女たちを対決してざまあして溺愛されます。  作者: 久坂裕介
第一章 貴族令嬢と対決

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第十話 ハッピーエンド?

 私はカイト様にきしめられていたので、カイト様の顔は私の耳元みみもとにあった。なのでカイト様の表情は分からなかったが、カイト様の真剣しんけんな声が聞こえた。

「申し訳ありません、エマさん。私の心は一瞬いっしゅんですが、シズさんにかたむいてしまいました。でも今はもちろん、エマさんと婚約こんやくしてエマさんが私のきさきになって欲しいと思っています。なのでどうか、こんな私をゆるしてほしいです。どうでしょうか?」


 何だ、そんなことか。でもそれは、これがそういうゲームだから仕方しかたがない。なので私は、答えた。

「もちろん許しますわ、カイト様。でもそれは、一度きりです。二度目はありませんよ?」


 するとカイト様が私を抱きしめる力は、更に強くなった。でも、痛くは無かった。それが今のカイト様の、愛情表現あいじょうひょうげんだと思ったからだ。そしてカイト様は私と見つめ合うと、真剣な表情で話し出した。

「ああ、エマさん。これから私がエマさんにキスをすれば、私たちの婚約は正式せいしきなモノになります。でも婚約しただけで、あなたを今晩こんばん城にめるのは問題があるでしょう。でも私は、それでもかまわない。私はどんなに批判ひはんされようと、今日はあなたを帰らせたくない。それでも、構いませんか?」


 そう言われた私は、だまってうなづいた。するとカイト様は、私にキスをした。それは、優しかった。すると会場が、り上がった。

「よし! これで正式な婚約だ!」

「ええ、ええ。お似合にあいの二人だわ」

「お二人とも、お幸せに!」


 カイト様とのキスが終わりふと見てみると、国王こくおう王妃おうひも満足そうに、うんうんと頷いていた。やったわ。私はこのゲームに、勝ったのね。このゲームを、クリアしたのね。すると、ふと考えた。すると私は、これから元の世界に帰るのかしら? ああ。この世界でこれからカイト様と結婚して、らしていくのも悪くないと思うんだけど……。


 すると私の全身は、まぶしい光につつまれた。あ。これは私がこの世界にきた時と、一緒いっしょだわ。やっぱり私は、これから元の世界に帰るのね。でもこの世界は、楽しかったわ。ひょっとしたらカイト様に婚約破棄(はき)されるかも知れないと思って、ドキドキしたりして。でももう、私は元の世界に帰ります。ありがとうございました、カイト様。カイト様のおかげで、この世界で楽しい時間をごすことができました。さようなら。そしてまた、ゲームで会いましょう……。


 そして次の瞬間しゅんかん、私はベットに仰向あおむけになっていた。ああ。私は、元の世界に帰って……、って、あれ? ここは見慣みなれた、エマの部屋? あれ? 一体いったい、どうなってるの?! するとこの部屋のドアがノックされて、メイドの声がした。

「おはようございます、エマ様。朝食のお時間です」


 それを聞いた私は、ものすごくいやな予感がした。ま、まさか……。私は嫌な予感を確かめるために、この部屋を飛び出した。そしてもうすでにしたしんだ屋敷やしきの中を走って、食堂しょくどうのドアを開けた。するとそこにはやはり、エマの父親と母親がいた。私を見ると、二人は話しかけてきた。

「おはよう、エマ。さあ、ちゃんと朝食を食べなさい」

「そうよ、食事は大事よ。何と言っても明日は、あなたとカイト様の婚約披露パーティーなんだから」


 それを聞いて私は、ゆかひざからくずれ落ちた。や、やっぱり元にもどってる。ゲームの初めに、戻ってる!(白目しろめ)これはない。これはないわ、あの自称じしょうクソ守護女神しゅごめがみ! 私は、もちろん元の世界に帰りたい。でも最悪、この世界でカイト様と結婚してらすのもアリだと思った。でも、最初に戻るのはない! 私は念のため、この屋敷中をあの自称クソ守護女神を探し回った。でも、どこにもその姿は無かった。


 するとなぜか、笑いが込み上げてきた。くくくく。そういうことか、あの自称クソ守護女神。私はまだ、元の世界に帰りたいと思っている。つまりはまだ、私はこの世界に完全に満足していないということだろう。くくくく。いいだろう、やってやるわ! こうなったら私が完全にこの世界に満足するまで、やってやるわ! さあ、次の相手はだれ?! 友好国ゆうこうこくの王女? 敵対国てきたいこくの王女? それともお城のメイド? 誰でも良いわ。誰がきても、必ず対決して勝ってざまあしてカイト様に溺愛できあいされてやるわ!

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