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~妖しげな笑み~
かつ、かつと音が響く。音は広く反響していた。
「さすがは、立ち直り早いなぁ」
感嘆するような呟きを、聞く者はいない。ただ、真っ白な廊下が広がるのみ。
何もない、廊下だ。窓ひとつなく、ずっといると距離感が狂いそうになる。
『彼女』は足を止め、こつんと汚れのひとつもない壁を蹴った。
「騎士達がついていこうとするのも、分からなくはないか」
再び歩きだし、
「準備は十全に整った。・・・その時間をくれたことには、感謝しないといけないな」
靴音が遠ざかる。完全に途絶える前に、微かな声。
「さあ、始めようか」
唇から、笑いがこぼれる。
「───ボクは、騎士長を信じてますから」
妖しげな笑みを残して、静寂が広がった。




