~三人でお出かけ~
1
「ねぇ、リュナ。この週末、三人で出かけない?」
「おでかけ?」
「そう。どこに行くかはまだ決めてないんだけど、どうかな?」
「おでかけ、たのしみ!」
リュナはぱあっと表情を明るくすると、嬉しそうに笑った。
2
ぽかぽかと晴れた週末。
リィとレイルはリュナをつれて歩いて沢にやってきていた。水量もさほど多くなく、深いところでリュナのお腹の位置までしかない。これなら溺れる心配はないだろう。
リュナは透明な水に小さな手を浸し、歓声をあげた。それから、靴と靴下を脱いでぺたぺたと石の上を歩き───
ずるっ。
「わあっ⁉」
「「リュナ⁉」」
ばしゃん。
濡れた石に滑ったリュナが、見事に水の中に落下した。
「うう・・・」
数秒後、びしょぬれのリュナがしょんぼりとリィに抱き上げられていた。
いくら暖かいとはいえ、冷たい水に飛び込んで放置すれば風邪をひくだろう。リィとレイルは同時に魔法を行使した。リィの手から溢れる陽光がレイルの作り出した風をあたため、温風に吹かれたリュナの服と体はすぐに乾いた。
「寒くない?大丈夫?」
「うん!まほう、はじめてみた!」
「リュナが、もう少し大きくなったら、簡単な魔法使ってみる?」
「やった!」
「理解できるくらいになったらね」
三人は日が暮れるまで遊び続けた。
遊び疲れて眠ったリュナを背負い、リィはレイルの手を取って、瞬間移動した。
リュナを寝間着に着替えさせ、軽くシャワーを浴び自分も楽な格好になると、リィは布団に入った。起こさぬようそっと頭をなでると、リュナは僅かに微笑みを浮かべる。
「またみんなで行こうね・・・」
囁いて、リィの意識は眠りの海に沈んだ。
リィの後に風呂に入ったレイルは、二人の寄り添って眠る姿を見て微笑んだ。少しずれている布団を首元まで引き上げる。眠る二人が寒くないようにすると、レイルもベッドに横になる。
───おやすみ、リィ、リュナ。
窓の外で、満月が輝いていた。




