~『騎士』のあり方2~
夜。二人並んでベッドに寝転がった。
「ねぇ、レイル。『幸福の王子』って知ってる?」
「幸福の王子?」
「幸福の王子は、遠い異国の物語なんだけど・・・」
そう言って、リィは語り始めた。
街の中心部に高く聳え立つ王子像は、体を宝石や金箔で飾られていて、とても美しい王子は街の人々の自慢だった。
王子は、貧しい人達を助けるため、自身の宝石と金箔をツバメに運ばせた。
貧しい人々は助かったが、渡り鳥であるツバメは寒い冬をこえることができずに死に、ぼろぼろになった王子はみすぼらしいと捨てられ、溶かされることになった・・・。
「ずっと、そうしたいって思ってた。自分が死んでも、誰かが助かるなら──って。それが騎士だって。でも・・・その考えは間違っている気がするの。だから、私は正しいと思える騎士のあり方を見つけたい。そのために私は、これからも『騎士』であり続ける」
決意とともに言い切った。リィの話を黙って聞いていたレイルがぽつりと呟く。
「・・・幸福の王子の精神は、間違ってはいないと思うな」
「───」
「王子は自分にできることを精一杯やって、それで助けたんだ。方法は他にあったのかもしれない。でも、その意志は間違ってない」
顔を傾け、リィの方を見る。
「リィは、見つけられるよ。最善の方法を」
「うん・・・ありがと、レイル・・・」
ゆっくりと意識が沈んでいく。
「おやすみ、リィ」
「おや・・・すみ・・・」
それだけ呟いて、リィの意識は完全に沈んだ。
『幸福の王子』 オスカー・ワイルド作




