~結婚式~
1
「どうする・・・?」
「知られてしまったからなぁ・・・」
発端は、昨日の夜の出来事。
騎士二人が余計なことをしたせいで、酒場にいた他の騎士達にも知られてしまった。
今日出勤すると、騎士達に囲まれ、「結婚式は⁉」と聞かれてしまった。リィもレイルも、考えていないわけではない。だが、書類上夫婦であれば、別に行わなくてもいいかーぐらいの感じである。本当のところ、魔獣騒ぎで忙しくてそんな余裕などなかったのだ。
「騎士の仕事もあるし・・・そうだ!テセウスに相談してみよう!」
なぜか微妙な顔で頷くレイルだった。
───テセウスに相談した時点で、もう結婚式は決定だろう。あの殿下がやるななどと言うものか。リィのウェディングドレス姿が見たいに決まっている。
話を聞いたテセウスは、勢いよく立ち上がり、言った。
「結婚式を行え!余が命ずる!」
「え、でも騎士の仕事が・・・」
「そのようなもの余がなんとかする!そなたらは安心して準備するがよい!」
───やっぱり。想像通りを言った殿下だった。
2
結婚式は、昼過ぎから行われた。真紅の絨毯の上で、リィを待つ。ドアが開かれ、式場に足を踏み入れたリィの姿は、息をのむほど美しかった。
式が進行し、誓いの場面になった。
聖職者が問いかける。
「新郎レイル、あなたはここにいる新婦リィを、健やかなるときも病めるときも、富めるときも貧しいときも、妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」
「誓います」
リィにも同じ問いかけをした。
「誓います」
お互いの指に指輪をはめる。リィの手で、宝石がきらりと輝いた。
「では、誓いのキスを───」
ベールを上げた二人の顔が近付き、触れあった。
花びらが舞い散る真紅の道を、二人寄り添い歩いて行く。リィを見ると、彼女もレイルを見上げている。幸せそうな顔に、レイルもまた、微笑んだ。
式場の外は、二人を祝福するかのような青空が広がっていた───。




